児童館

打ち合わせを終えて、期日を6日過ぎた本を返却しに図書館へ行った。私が普段利用している図書館は、子が保育園に通い始める前に何度も訪れた児童館のなかにある。返却手続きを終えて予約中の本がいつ頃借りられるか確認したところ、私は140番目の予約者だそうで、貸出期間が一人あたり2週間であることを考えると、私の手元にやってくるのはいつになるのだろうかと気が遠くなった。図書館を出ると、3歳くらいの女の子がお母さんに手を引かれて歩いているのを見かけた。二人は外の休憩スペースに腰掛けると持参したお弁当を開き、ランチタイムを始めた。お母さんはタッパーの蓋を皿代わりにして、娘の前にご飯を並べていた。そんな様子を見ながら、羨ましいような、後悔のような、理由がよくわからない気持ちが込み上げてきて胸が苦しくなった。平日の日中「今日は何をしようか」と言って子どもと色んなところへ行って遊び、お弁当を食べて午後は一緒にお昼寝をする。そんな生活を夢見て、子が3歳になるまでは自宅保育で頑張ろうと夫と話したこともあったが無理だった。自分の子どもは好きだし一緒に遊ぶ時間も楽しいけれど、私は育児だけでは生きていけなかった。私はそういうタチなのだからそれでいいのだと割り切って考えられるときもあったし、何より娘はいま毎日嬉しそうに保育園に通い楽しそうに過ごしているので結果これでよかったのだろうけど、たまに、子と二人で過ごしているだけでは息が詰まってしまう私は、母親として大丈夫なのだろうかと思ってしまうことがある。周りからどう見られているのか一切気にしないこの私でも、である。私の母は子育てが大好きだったそうだ。私や妹のために服を作り、手作りのパンや焼き菓子を作り、父親不在のなか色々なところへお出かけに連れて行ってくれた。母には子育てが向いていた。私にはもしかしたらあまり向いていないのかもしれない。ただそれだけなのに。ときどき、一人で海外旅行に行きたくなる。国内でもいい、一人で一泊二日の旅をしたい。一人で映画を観たい。一人になりたい。私はどこまで私のことを優先して良いのだろうか。私はちゃんと子と接することができているのだろうか。このあいだ保育園のお迎えに行ったときに、どんな話の流れだったか、担任の先生から「〇〇ちゃん、いつも安定していて、にこにこしていて、おうちでご両親からたくさん愛情を注いでもらっているんだなあって伝わってきます」と言われて、客観的に自分の子育てを褒めてもらったことなんてなかったから嬉しさと小っ恥ずかしさといろんな感情が込み上げて思わず泣きそうになってしまった。不安になることも後悔することも多いけど私なりに一生懸命やっていて、たぶんちゃんとできているんだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?