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平凡な人が成功するための3つの法則〜海外ベストセラーOutliers「部外者」より〜

どうすればもっと稼げるのか。自分の子供が経済的に困らない人生を送れるか。
お金の悩みは絶えることがない。

「経済的に成功するのに、法則はあるんだろうか?」

と思っていたところ、示唆をくれるベストセラー本に出会った。

ジャーナリスト界のロックスターと言われる、マルコム・グラッドウェル氏の著書だ。

グラッドウェル氏は、1万時間の学習の法則や、2秒で人の印象が決まることを世界中に知らしめた張本人である。書いた本はすべからくベストセラーになる。とにかく人と違う視点を持ち、よく研究している人だ。

そんなグラッドウェル氏の著書「Outliers(部外者)」を元にした講演から、成功者になるための不都合な真実を探ってみたい。

人は信じたいものを信じる。そし社会学の分野は、科学のように「正解」がない。この記事は、私ニケが面白いと思った一つの話として、楽しんでもらえたら嬉しい。

出典:ニケ

1. ユダヤ人が成功するのは必然(”部外者”の理論)

いきなり「ユダヤ人」「成功」などというと胡散臭い感じがするかもしれない。
今回は宗教的でもスピリチュアルな話でもなく、社会学の話なので身構えないでほしい。

私自身、ユダヤ人はウォール・ストリートを作ったという類の話を聞くたびに、ユダヤ人の強さはどこにあるのか?とずっと気になっていた。

グラッドウェル氏によると、ユダヤ人が成功するのは必然であり、さらに、成功するのはユダヤ人に限るわけではない、という。

世界の隅々に目を向けると、経済的に成功している「特定集団」がいる。(ユダヤ人含め)そして、そのグループには共通点があるのだ。

それは「故郷を離れて海外に移り住んだ”外の人”」だ。

華僑、海外在住レバノン人、インド在住ゾロアスター教徒など数を挙げ出すとキリがない。

理由は明確だ。

彼ら「特定集団」は、その国のマイノリティ(少数派)となる。
マイノリティは、マジョリティ(多数派)がしづらいことができる、というのだ。

数年前に、シンガポール大富豪を題材にした「クレイジーリッチ」(映画)が放映された。このクレイジーリッチと呼ばれる人たちは、元々は”部外者”で財を成した華僑、がモチーフになっていると言われている。

シンガポールの華僑は、英国の植民地時代、英国と東南アジアの生産者たちの間を取り持つ「貿易商」であったおかげで、今でも経済的な豊かさを維持できているのだ。

グラッドウェル氏のルーツでもあるジャマイカでもこの傾向は顕著で、起業家として成功している人たちは、中国人、ユダヤ人、レバノン人なのだという。

異国に住み、生活をするには、タフでなければやっていけない。
そして、マジョリティの論理を知らないので、マジョリティと異なる職業を選びやすくなる。

今、私自身、オランダに住んでいるマイノリティとして体感的に分かることがある。(決して成功している訳ではないが…!)

私は、オランダのマジョリティの人たちの制約や本心は分かりきれない。生まれ育った日本のように、当たり前のことが当たり前でない。いわば、社会から完全に浮いた存在という感覚である。

“部外者”だから社会の常識にとらわれないのは、自然なことだ。

「部外者が成功しやすい」という説には、一理がありそうだ。

ユダヤ人に話を戻すと、ユダヤ人は世界に1,400万人いると言われている。小国の人口に値する数だ。ユダヤ人だからみんなが成功している、という訳ではないだろう。それに、シンガポールで今から貿易商になったとしても、成功する確率は低いだろう。時代背景も大きく関与しているからだ。

では、どうすればよいか。時代は変われど、マジョリティがやらない仕事には大きな可能性がある。それを探し出せれば、成功の確率は高いのかもしれない。

2. ディスアドバンテージ(逆境)がアドバンテージ(有利)になる

自分が生まれ持った素質・環境の影響には、4つのパターンがあると氏は述べる。

「①アドバンテージ(優位性)がアドバンテージ(有利)となる」パターンは、例えば、金持ちの家に生まれれば、良い教育が受けられて、さらに優位性を高められるというようなものだ。

逆に貧困・薬物依存の家庭で育つといったような、④ディスアドバンテージ(不利)な環境が、さらにディスアドバンテージ(不利)を引き起こすことも想像がしやすいだろう。

この中で、最も忘れ去られがちだが一番注目すべきなのが、③ディスアドバンテージ(不利)がアドバンテージ(有利)になる例だと言う。

一代で経済的に成功した親などが、まさにこれに当てはまる。

経済的余裕をもつ親は、自分の子供を少人数で高額な私立の学校に入学させたがる。
しかし、その親自身は、公立学校の出身であることが多い。

もちろん自分が苦労した分、子供には苦労してほしくない、という気持ちもあるだろう。しかし、今得ている地位は、少人数の中で良い教育を受けたからではなく、大人数の公立校の中で揉まれて築けたものなのである。

雑多な公立校に行くことは一見ディスアドバンテージ(不利)に見えるが、実際は、アドバンテージ(有利)になることは、良く見過ごされているのだ

氏は、もう一つ良いサンプルを挙げる。

起業家の30%が、学習障害を持っているということを知っているだろうか?
研究から、これには必然性がある
ことが証明されている

30%の起業家は学習(読み書きの)障害であったために、
幼少期から、①他人に頼る、②話し能力が必要、③起こる問題の解決力を高める必要があった。

学習障害を持った起業家のうち、70%は、学生時代に部活のリーダーをやっていたという結果もあるという。決して偶然ではないだろう。

小さい頃からディスアドバンテージをカバーするために試行錯誤した結果、すでにリーダー(起業家)の素質を備えて来たということだ。

「ディスアドバンテージ」は「アドバンテージ」と表裏一体の関係なのだ。
これはマイノリティの理論にも繋がるように思う。

「ディスアドバンテージ=マイノリティは、見方を帰ればアドバンテージとなる」

あらゆることの真理なのかもしれない。

3.アジア人が数学が得意で、世界で活躍する必然性

もう一つ興味深かった話。

アジア人は、なぜ数学が得意なのか?という話。これも西洋で好まれるトピックである。

私自身、オーストラリアに留学した際に、理系はアジア系(中華系・中東系)が大半を占めていた。

氏は断言する。

アジア人が数学が得意なのは、遺伝子でもなければ、特別な教え方でもない。
西洋人と東洋人の圧倒的な違いは「耐えることができる文化」
だという。

とある研究結果が引用される。

学生たちに、数学のテストと、120個もの質問項目があるアンケートを一緒に渡し、回答してもらった。

すると、120個の質問に答えた/途中で諦めた人と、数学ができる/できな人に、完全な相関があったという。

西洋では数学ができるかできないかは「能力」と言われている。
しかしこの実験によって、「能力」ではなく「耐久力」の違いだったということが判明した。

NY出身の友人から聞いた話だが、今や、米国や英国の名門校は、白人よりも、中華系を中心としたアジア人学生も多くを占めるようになって来ているという。数十年前まで、白人の特権階級の子供しかいなかった学校が、だ。

「外国などの逆境の中で、粘り強く、人がしないことをする」

これを実践していれば、平凡な私でも経済的な成功ができるのではないか、という希望が持ててきた。同じように、いつか一旗上げたいと考えている人(笑)にも、何かの参考にしてもらえれば嬉しい。

参考書籍

本記事で参考にさせていただいたグラッドウェル氏の書籍は「天才!成功する人々の法則」(勝間和代さん翻訳)だ。記事で紹介した成功要因は、一部に過ぎない。

英語版の場合、たった1000円で成功の法則が手に入れるので、ぜひ多くの人に読んでいただきたい。読みものとしても楽しいのでおすすめ。

参考にしたMicrosoft社でのグラッドウェル氏の講義はこちら。

おしまい。

ニケ🪶

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