別れ

きっかけが何だったか。よく分からない。
そこにあるものに手を伸ばして来たから。
別れには悲しみが付き物だ
相応の覚悟と陰に隠れた大きな悲しみが。

音楽のきっかけ
誰かに愛を持つきっかけ
その全てを失った自分。
病んでいるとか今だけ落ち込んでいるとかそういうのではなくただただ「分からない。」

バンドが楽しくないとは思わない。ただ別れが必要だと思う。
怒りを持ち続けるあの人も、自身に迷うあいつも、
僕に嫌悪を抱く人も、大切にしてくれる人も
それをどうやるのかが分からない。
あの日亡くなった人、超大作の映画を見た日も
泣くことが出来なかった。
誰かのせいにしてしまうと親にも興味を持たれることがなかった。スポーツもバイトの仕事も何でもこなしてきた。それが自慢だった。でも出来てしまうと何でも興味を示されなくなる。だから。興味が湧かない。湧くことが分からない。
バンドをやりたいきっかけも何もかも分からない。

中学の頃乗ってる車から飛び降りようとした。
これで終わってもいいからじゃなくほんとに飛べる気がした。誰にも目をつけられない綺麗な世界に飛べるって本気で思った。嘘で固めた自分の世界、周りの自分、それが本当の自分になって蝕まれていくことから断てる気がした。
正直言うとね。真正面から言えないけど
もうバンドを辞めたいんだ。
この書いていることは誰にも届かないと知っている。
この世界には興味が持てなかった。
熱を持った人間の音楽がどれだけ素晴らしいか。
冷えきった僕には遠い世界だった。
別れを告げよう。僕には足りうる情がなかった。
もう誰も思い出せないんだよ。
これを自覚しているこの瞬間だけ悲しみが分かる。
だから少しずつみんなが僕から別れを、僕からみんなに別れを告げることそれをゆっくりやろうと思う。

僕の知っている限りの人、嫌いなわけじゃない。
あなた達が好いてくれる自分が嫌いなんだ。
だからゆっくりゆっくり時間をかけて僕の形を忘れて行けるように。僕が記憶の底に溶けて浮かぶことが無くなるように、飴のように小さくなってやがて消えるまで

それが僕の寿命だよ
またね

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?