突然ですが、 facebook の言語設定を日本語にしました。なんのこっちゃと思うかもしれませんが、個人的にはすごく大きな判断だったのです。
今日はそんな話をします。
いまから13年前の2007年、iPhone が発表されました。そのころ、日本ではまだ手に入りませんでしたが、翌年、日本ではソフトバンクの取り扱いで iPhone 3G が発売されました。最近はだいぶ落ち着きましたが、当時ガジェット好きであれこれ飛びついていた私は、当然発売日で購入しました。
当時私は、比較的官公庁系の重厚長大な案件に関わることの多い職業Javaプログラマでしたが、iPhone 3G を手に入れたのをきっかけに、せっかくなので、と見よう見まねで 詳解Objective-C(通称萩原本)を写経しながら、趣味プログラマとして iPhone アプリ開発に足をつっこんでいきました。(当時の iPhone は本当になんにもできなくてどうしようもないかわいいヤツでしたね。カメラハックとか懐かしい・・・)
そのころ、日本国内で iPhoneアプリ開発者は(おそらく)数えるほどしかいなく、勉強会に参加すると、 iPhone の専門家というのはそもそもいないので、新しい物好きや、各界の大御所との距離が近く、すぐに会いに行ける、みたいなそんな恵まれた環境でした。
仕事ではいわゆる堅めのWEB開発、趣味ではインターネッツなアプリ開発という真逆の開発を行ったり来たりする不思議な環境に揉まれ、相乗効果もあり、システム開発のアーキテクチャに対する考え方が柔軟になり、とても良い学習時間を過ごすことができました。この辺の話はまたどこかで書くとして。
最初に作ったアプリは簡単な Tumblr クライアント、次に作ったのはカメラアプリでした(当時●●カメラがアホみたいに流行っていた)
当時とても心がけていたのは「非言語」UIで、ユーザの少ない日本向けではなくグローバルで通用するものを作ろうと考えていました。必然的にアイコンに頼ったり、表記を英語に寄せたりします。しかしここで問題が。
私がそんなに英語得意でない。なので英語特有の言い回しがわからない。
そこでとった方法は、「普段使いするツール・サービス・OS設定を全部英語にすること」でした。英語表記に慣れることで、グローバル圏のUI・UXを習得しよう、というものでした。
その成果があったのかなかったのかはわかりませんが、作ったアプリは意外と海外でもそこそこダウンロードしてもらえ、海外の方から英語でちょこちょこフィードバックもらうことも増えました。
海外のソフトウェアはやはり英語環境で作られることが多く、そもそも英語UIしか提供しないものが多いため、全ての言語設定を英語に寄せることはメリットしかありませんでした。β版の新機能とか、英語設定のときにしか落ちてこないこともあるし。
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ところが、です。
全然別のところで問題が起きました。いろんな勉強会に参加したり、交友関係が広がったりしていくと、当然いろんなひとと友達になります。eight や facebook で友達になったりします。
英語表記だと、名前が覚えられないんです。
顔はわかる。でも、名前がわからない。
20代のころはよかった。ギリギリ覚えていられた。30代になってもまだなんとかなった。しかし、35歳を超えて、もともと記憶力が人一倍(それはもう、記憶障害なんじゃないかと思うくらい)弱いと自覚している私は、毎日会う人の名前くらいしか思い出せないような状態です。年に数回しか会わないような人に至っては、もはや聞いても「はて・・・?」みたいな状態。
これはまずい。
まだ右脳は生きているっぽいので、ちゃんと絵面で人の名前を覚えなければ、、、そう決意したのが2020年の正月です。
エンジニアとして、その後のキャリアとしてもいろんな恩恵をもたらしてくれた「英語表記」を一部捨てなければ、そんな日がやってくるとは。
facebook の言語設定を日本語にしました。
なんか慣れないけど、がんばって人の名前を覚えて、まともな社会人になろうと決意しました。
今年もよろしくお願いします。
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