見出し画像

おサルのマウンティングと温暖化

「十二歳」という小説を椰月美智子氏が書かれてます。小学校高学年の女の子のお話しですが、今の社会の歪みを良く表わしてます。話は人類発祥以前に飛びますが、狸がおサルに進化する際、一夫一妻制を捨て、大家族制を基本とする集団生活する様になりました。集団の統制を司るのが太祖母で、以下順に身分付けされてます。おサルのマウンティングは有名ですが、お互いの身分を再確認する社会体制維持の為のご挨拶です。因みに、その身分制度は雌ザルだけに適用され、雄サルは「道具」として扱かわれた。食物貰えるだけ幸せかって感じかと。

其群中で雌ザル達が幸せかと言うと、必ずしもそうでは無い。身分制度のお陰で善悪や経済的判断より年配者の言う事が優先される。その価値観は子供の頃からの教育で植え付けられるのだけど、全員がスンナリ受け入れるとは限ら無い、というのが「十二歳」に書かれてます。お母さん子だと、母の誘導で女子ネットワークに組み込まれ本人も抵抗無いだろうけど、お父さん子で憖頭が良いと善悪の判断が先に立って、身分に基づく判断基準に付いて行け無い。「自分離れ」って言ってます。

因みに、竹宮恵子の「地球(テラ)へ」は、「成人検査」で落伍した人達がビッグマザー(太祖母)に対して反乱を起こすお話です。つまり、クリミア独立騷ぎみたいな感じです。ウクライナ戦争もこのコンテクストで観れば判り易いかと。「勝手に独立してもらちゃ困る」って感じかと。

閑話休題、中学校以降の学校教育は身分制度の刷り込みに重点が置かれ、自然観察や論理思考は二の次です。だから、科学も歴史も客観的な観察結果では無く、偉い人達がどの様に言ったかを暗記する事が重要です。「習近平は斯く語りき」というのが金科玉条の様に尊重される。科学も同じで、アインシュタインの方がリンゴより偉い。

別に其は其で平和なら良いんだけど、おサルさん達の数が増えて地球の環境に影響する位の力を持つ様に成り、自然を観る目が無いのに自分達の欲しい様に地球環境を変えてしまった。其が温暖化です。おサルさん達が自分達で招いた変化だから、自分達で直せるハズですが、おサルさん達は身分制度のお陰で進行方向の修正が出来ない。昔の偉い人達は、太祖母より偉いので彼女等が言った事は絶対です。彼女達を否定するとオババ達自身の権威も否定してしまう事態に成る。だから、進行方向の微調節しか出来無い。

つまり、東大出の頭の良い人達が「ゴメン、チョット間違えた。次からコッチやって」って手下達にお願いできれば、も少し住み易い環境に成るかもしれない。念の為、頭の良い人達は、狸がお猿に進化して以来の家系を継承してます。言葉の発明や農耕発祥より前です。万世一系は陛下だけでは無い様です。だから、陛下は東大総長に頭が上ら無い。

因みに、「桑原」というのは、桑の木には雷が落ちないという民間信仰から来てるそうです。だから、天災を避けるには「桑原、桑原」と唱えると良いそうです。でも、漢字で書くとヘンですね。「クワバラ、クワバラ!」かな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?