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物の哀れと霊魂不滅

「物の哀れ」は日本文化の真髄の一つです。心に触れる情景を見た時、諸行無常・万物流転の理を知る。平家物語の冒頭の文は、日本人なら誰でも一度は心に留めた事が有るでしょう。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす。

平家物語

生者必滅・盛者必衰は自然の節理ですが、霊魂を手に入れたお猿は、霊魂不滅で自然に対抗しようと試みた。体は滅びても、魂は受継がれる。だから、霊魂に奉仕する様に娘に要求する。此が霊魂不滅です。でも、目に見えず現世で利用価値の無い霊魂では、現実世界での仕事をさせるには十分で無い。

そこで生れたのが、仏教の教え、輪廻転生・因果応報です。つまり、全ての生物 (一切衆生, 一切の生きとし生けるもの) は転生を繰替えしていて、死後は別の生物となって現世に再生する。何の生物に再生するかは、生前の行に依って決まる。良い家に再生したければ善行を積む事です、って感じです。勿論、一番の善行は、御先祖様をお祀りする事、つまりオババ・母親の言い付けに従い滅私奉公です。

いかにも「宗教」らしいお話ですが、理系で生物を習った人には「フ~ン」って感じかも。でも、論理思考を拒否し感覚で生きてる社会的女子には「真実」の様です。今でも、都会で働いてる人達が、お盆と正月には田舎に帰ってお墓参りするのは普通でしょう。中国の春節とかも同じです。

最後に、お猿が魂を発明した動機は「欲」です。「もっと沢山魚を獲りたい。」此処で置き去りにされたのが、人は1人分の食料が有れば生きて行ける (知足)。5人分の食料が有っても全部は食べれ無い。食料を余らせるともったいないから、食い扶持を増やす。という、欲に駆られた自律サイクルが、霊魂発明以来継続してる。

温暖化は、地球が「そろそろ頭を冷しては?」って言ってる。

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