ウインドプロファイラでジェット気流を見る

気象庁のwebサイトの「防災情報」中の「気象の観測情報」のウィンドプロファイ(上空の風)に入れば、日本上空の気流の流れが見れます(リンク)。下図で東北地方の上空に流れてるのがジェト気流、四国上空を流れてるのが亜熱帯ジェット気流のようです(図1)。

参考: 年末年始の日本海側を中心とした大雪について - 気象庁報道発表

図1、 5月30日の日本上空(11 km)の大気の流れ
鏃の向きで方向を、色で風速を示します

各観測地点の気流の高度分布は、観測地点を指定すると時間高度断面図が以下のように表示されます(図2)。此図は会津若松上空の気流を示しており、縦軸が高度、横軸が時間、→が気流の向きと速さです。会津若松から仙台の上空の高度8 kmから高度12 kmに渡り、高度2 - 3 km、幅 約100 kmの速い気流の帯が観察され、ジェット気流と考えられます。風速も約50 m/sとジェット気流に相当します(大気の流れなどに関する用語, 気象庁)

図2、会津若松上空の大気の流れ

ウィンドプロファイラで観測した上空の風のようすを、横軸に観測時刻、縦軸に海抜高度で表した図です。矢印の長さは風速(長いほど風が強い)、矢印の方向は風向を示します。
また、上下方向の鉛直速度を色で表します。上昇流は赤系色で、下降流または降水は青系色で表現されます。表示している風向風速は、観測前10分間の平均値です。

(気象庁 防災web ウィンドプロファイラの説明文)

一方、九州北部から四国上空においては、高度約1.5 kmから11 kmまでの全層に渡り同じ方向に大気が移動しているのが判ります(図3)。東北地方上空のジェット気流と比べると、気流の分布や気流速度の違いから、其々の気流を駆動する自然現象が異なっている可能性が示唆されます。此方が前述の気象庁報道発表での「亜熱帯ジェット気流」に相当すると考えられます。気象庁は報道発表の為に新しい用語を創造するより、「大気の流れなどに関する用語」に記載されている用語「偏西風」を使用すべきではないでしょうか?

図3、高松上空の大気の流れ

実際の気象データを見ながら、気象庁の報道発表を見るとより理解が深まるような気がしませんか?

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