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栄枯は移る世の姿

20世紀に、日本政府の財務当局は圧倒的な力量を誇っていた。下のグラフは東京市場の円/ドル為替レート (黒線) と実質実効為替レート (赤線)、東京為替市場での取引高 (青+)です。如何やって可能だったのか想像出来無いのですが、赤線と黒線が20世紀は大きく乖離して、東京市場での円の価値が実効為替レートより低く評価されてます。単純に考えると、自動車をアメリカに安く輸出して、原油を西アジアから安く輸入するという日本企業にとって有難い世界だったような。普通に考えればアメリカの財務当局との合意の為替レートの設定でしょう。

為替レートと取引高

実効為替レートについては此方に説明が。

それが、21世紀に入り東京市場の円/ドル為替レートと実効為替レートの差が無くなった。此方も何故か不明ですが、アメリカの財務当局が絡んでると見て間違い無いでしょう。何れにせよ、日本の財務当局はかっての力量を失ない、為替市場も経済の実体に沿って動く様になった。下図は2017年以降の貿易収支 (黒+)と円/ドルの為替レートの推移ですが、貿易収支が赤字に傾くと為替レートが緩やかに円安に振れるのが明瞭です。この図の感じからすると、貿易収支の明確な改善が見られ無い限り、も少し円安は進みそうです。

貿易収支と為替レート
日銀データより

財務当局もつまんない事して無いで、エネルー価格の高騰に耐えるには何が必要か国民に理解を促し、対応策を実施する気構えが欲しいところです。因みに、次の貿易収支統計の発表は、4月上中旬の速報が5月9日です。

円安対策には、温暖化対策にもなる屋根の上の太陽電池とか良いと思いますが、欲 (不滅霊魂) に駆られた官僚には禁忌の様です。迎えるのは熱い夏です。


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