白昼のショッピングセンターでアイカツしてたら職質されただけのお話
【これまでのアイカツ!】
私、桃ノ井モトキ! 独身男性!
ある日、外出先でデータカードダス『アイカツプラネット!』を偶然見つけた私は、新人アイドル〈もものい〉としてデビューすることに! DCDなんて久しくやってなかったし、音ゲーは下手くそな私だけど、アイドル×モンスター召喚っていう独特なゲームシステムがクセになって、初日なのについつい連コしちゃった!
アニメも観始めて、ますますアイカツが楽しみになった!
【2022.05.27(FRI)】
この日は仕事が休みだったので、日中がっつりアイカツする予定だった。近所のショッピングセンターのプレイランドは11時開店だったので、それに間に合うよう早起きしよう! と前日から意気込んだ甲斐があり、当日は見事11:30に起床することができた。また寝坊ネタかよ。
結局アイカツを始めたのは15時頃。ホームセンターで買った折りたたみ椅子は微妙に高さが足りず、プレイに支障を来したため早々に使用を中止。
連続11回目のモード選択時、一人の女性が筆者に近付き声を掛けてきた。
「すみません、ちょっとお時間よろしいですか?」
声も表情も明るいが、その右手に掲げられた物体だけは極めて剣呑なオーラを放っている。
警察手帳だ。
状況を察するのに、体感コンマ1秒もかからなかったと思う。
所謂職務質問である。それも人生初の。
以下、うろ覚えの会話一部始終。
お巡りさん「わたくし◯◯警察署の者なんですけど……大人の方ですか?」
筆者「(極力平静を装い)はい。身分証ありますけど……(筐体に置いていた財布から免許証をドローし提示)」
「あっ……(1~2秒の沈黙)ちなみにおいくつですか……?」
「20↑です(実際の会話では実年齢を申告)」
「ですよね~~~~wwww」
「(何が「ですよね」なんだろう……)今日仕事休みだったんで……w」
「そうなんですね~wわたくしこの辺りを見回るのが仕事でして~~ww」
「(努めて笑顔で)存じ上げております~~wwお勤めご苦労様です~~www」
「www失礼いたしました~ww」(立ち去る)
……という訳で、無事職質の実績解除に成功したにわかアイカツおじさん。ボランティアの補導員とかでなく現職の警察官と遭遇したのが何より驚きであった。
今回のケースは未成年者の補導を前提とした声掛けだったと推測される(プレイランドの見回りという点に加え、筆者がわりかし低身長であるため)が、実際は「成人男性が白昼のショッピングセンターで女児向けアーケードゲームに興じていた」ため、そのままガチの職務質問へ移行する恐れも十二分にあった筈だ。どうやら命拾いしたらしい。
平日真っ昼間からアイカツをやっていればいつかこうなるだろうと覚悟はしていたが、「意外と早かったな」というのが正直な気持ちである。だってまだアイカツ歴3日だぞ。
ともあれ、職質の経験=職質慣れの基礎が身に付いたという点では有意義な体験と言ってよいだろう。ありがとうアイカツ、ありがとう名も知らぬ女性巡査さん。
……というテキストをスマホで打ち終えたのが17時半頃。小中学校はとっくに放課後ということもあってか、体操着の子供達が複数プレイランド近辺に集まり始めていた。そんな状況下で女児向けゲームをプレイできるほどの胆力は残念ながら筆者には備わってない。まだ閉店まで1時間以上あるというのに、勿体ない話だ。
……。
あっ、親子連れの波が途絶えた! チャンス!
(いや、懲りろよ……)
なんだかんだでこの後4回遊び、最後の回では『レディ・レディ・レディ』の【すごくむずかしい】をプレイしてみた。プレイした感触としては、すごくむずかしいとしか言いようがない。ノーツを目で追い切れない上、タッチとリリースのタイミングを体で覚えていないために、小節頭のノーツも余裕で外す有様であった。
ランキング上位を目指そうと思ったら、【すごくむずかしい】をクリアし「むずかしさボーナス」をより多く獲得する必要がある。とりあえず『レディ・レディ・レディ』だけでも【すごくむずかしい】で遊べるようになろう……と、筆者の中で決意が固まった。
*
……で、この件以来筆者は平日の大型店でアイカツしなくなったのか否かという話になるが、結論から言えばあまりしなくなった。常に通行人の視線に晒される状態が快適なプレイの妨げになることは言うまでもないし、お巡りさんに顔を覚えられるのもなんか嫌だし。
件の店を除くと、最寄りの設置店舗が最初にミラーイン☆したモールしかなかったので、じっくりアイカツしたい日はわざわざ車で1時間ほどかけてそこへ通うようになった。玩具屋の1台だけかと思いきや、少し離れたモーリーファンタジーに2台そしてその下階のゲームセンターにもう1台(つまり計4台)あり、筆者はもっぱらゲームセンターの方を利用することが多かった。近くに休憩スペースがあったり、階段を登ればフードコートにアクセスできたりしたため、プラネットトレンドフェス9thで根を詰めていた時期は非常に重宝した。
2022年8月現在、筆者はかつての社宅から離れた場所に引っ越したため、職質されたショッピングセンターやアイカツ4台モールの様子は分からなくなってしまったが、その2軒が今でも地方のアイカツ!ユーザーに親しまれていることは確信できる。何故かって? あの地域あんまりアイカツ!マシン置いてないからです。今もあの辺でアイカツおじさんが職質受けてたりするんだろうか。
(おわり)
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