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真夜中雑記帳 壱

幸も不幸もないまぜに。真夜中に、境目など存在しないのですから。



真夜中のおはなし

皆様こんばんは或いはこんにちは。真夜中のオタク堂へようこそ。家主の金澤です。新生活が始まり早二ヶ月、あっという間に春は新緑の中に隠れていってしまいましたね。アイスボックス片手に身体を冷やしてもじりじりと暑くてたまらない昨日の帰り道、霧のような小雨に振られながら上着を一枚羽織って震える今日の朝。季節感が皆無な、そんな季節です。書きたいものはたまりつつもこうやって次から次へと新しい企画に手を出していってしまうのは悪いところ、かしら。

いつも大抵推しの皆様のことを書いていて、ありがたいことにいつも話題が尽きずとても忙しいですが、何か自分の内面を継続的に、そして未だかつてないほど自由に書き記しておきたいなと思いまして。その結果物がこの「真夜中雑記帳」(シリーズ化予定)でございます。その名の通り、雑記。とにかくごちゃまぜ。エッセイ調に実際の出来事を綴ったりもするかもしれないし、まあメインは何かぽつぽつと言葉を書いたり、フィクションだったり、ジャンル分けされてたまるかという勢いで何もかも書いていくメモ帳のようなものです。いつかシリーズ溜まったら書籍化するので買ってください。ごめんなさい大嘘です。

真夜中のオタク堂という名前は本当にとっさに思いついたただただフィーリングに基づいたものなので大した意味はないのですが、こないだ後付けで意味を考えてみたんですよね。まあいつもの決り文句にもあるように真夜中といっておきながら常に皆様の生活の中に開店している、というのがコンセプトです。いつだって開店しているけれど、扉を開けば真夜中。また、書き手である私が”真夜中”であります。要するにですね、深夜テンションということです。真っ昼間に記事書いていることもかなり多いですが、画面を前にするといい感じに深夜気分になれるものなんですよね。深夜独特のちょっとシュールな言い回しとか、おもしれ〜って素直に思えるものを大事にしたい。もちろん、誰も傷つけることのないように。

晴れの日には喜んで近所の公園に駆け出し夜9時には布団にくるまっていた小学生は、あるときから雨の日と真夜中が大好きになっていました。いつからでしょうか、日付を超えても何も感じなくなったのは。雨の日が好きな理由について、過去の私が「雨の日はみんなどことなく憂鬱で、自分が日々抱えている憂鬱も溶け込むことができるから」とメモしていて、そうだなあと思ったり少し笑ったり。なんかちょっと恥ずかしいですねこのメモ。人生で一番心がやられていた頃のメモなので、許して大事にしてあげましょう。真夜中も同じ理由で好きなのかもしれません。みんなひとりぼっちだったり、眠っていて自分の意識の中だけにいるから、私もひとりが心地よい。昼夜問わず一人でいるのが好きなタイプですが、真夜中はより馴染むし暖かいような気がするので好き。

どうかこの文字列の前では、皆様が真夜中であれますように。日が出ていようが沈んでいようが、社会に放り込まれてしまえば昼間、目まぐるしい。まずは私自身が真夜中でいたいと思い平日も夜ふかししてしまっているので、日々あまりにも眠たい。眠たさだけ取ったら24時間真夜中に住んでいる私が記す、いずれ黒歴史になるのかはたまたベストセラーになるのか、そんな雑記を、ここに始めます。




100メートルを走った。芝生に寝転がる。空は青いし地球は丸い。眠気を悟ったかのように風が吹く。強い強い風。命が死んだ。そこに鏡は無い。どうせ5分後にはまた死ぬ命が死んで、グラウンドに還った。


人生の苦しみについて

例えば、ユーチューブのCM。15秒のくせにスキップできないやつ。例えば、鳴らない目覚まし時計。朝になったら3時で止まっている。百均の電池はやっぱり当てにならない。例えば、アプデ。ツイッター社のやつめ。インスタ社、じゃねーや運営はフェイスブック社、あ、ちげーやメタ社だ。メタのやつめ。例えば、コンタクト。朝イチは目があまりにも痛い。例えば、明日。課題が終わらない。例えば、らしさ。うざいしだるいよ、笑えてくる。さて、いくつか具体例を上げてみましたがいかがでしょうか。つまりはここだということです。こんな場所で成長したくないということです。


青春

三ツ矢サイダーの封を切ると、泡が太陽まで立ちのぼる。


無題だった

わたしはフリフリしたものが好き。わたしは青が好き。わたしは魔法の呪文が好き。わたしはキラキラの宝石が欲しい。わたしはみつあみするのが好き。わたしはとびきり尖った剣が好き。わたしは大声で叫ぶことと、お化粧が好き。スカートもズボンもパーカーもドレスも着たい。わたしはそう。それだけで変なんだって。そういえば、そもそもわたしはわたしのことわたしなんて呼ばないのに。

     は何が好きなんだっけ。


TRAUMA

映像の完成度を高めるために
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現実

たま〜に学校の廊下で天井に頭ぶつかりそうなくらいデカいひととすれ違う。ああこれより顔小さくて脚長いのがあのアイドルなんだなって気づいて震える。朝のバスに2日に1回の頻度でいる、大学前のバス停で降りていくスーツ姿のおじいちゃん。ちなみにバーコードハゲ。ああさっき見たエンタメコーナーのハリウッドスターこんくらいか或いはさらに年上なのに躍動してるんだなって思ってぼーっとする。ああ、昨日夕方6時のニュースで見た国会、これより更におじいちゃんな人たちの集会なんだ、これ+5×数十がこの国回してるんだ、って気づいて愕然とする。こんなバス降りてとっとと逃げ出したいなあ。保健の授業で結婚取り扱う前までには消えてしまおう。バスが停まり、ふとスマホから顔をあげるとバーコードハゲのおじいちゃんが降りていく。見ず知らずのおじいちゃん、なんかごめん。今日も一日頑張ろう。バスから逃げ出せるまで、あと3駅。


月末

インスタストーリーズの更新を一日たりとも欠かさない今どきの高校生たちは、今日の天気も、サーティーワンの日が一年以上前に終わっていることも知らない。


都会はつらいよ

雨がさらさら、さらさらと

降ったためしが、あっただろうか。

濡れたカロリーメイトの箱。金具の取れた傘。

定期券のタッチ音。バスのぐらつき。

狭い空、さらさらと、雲が流れる。

けれど、誰も見ていない。

雨がさらさら、さらさらと

降ったとしても。

困ったことだ。


ここではないどこかに行きたい

ってどこに行っても思っちゃう私なんなの?


呪いを解いて女の子

あなたはあなた

あなたはかわいい、あなたはきれい、あなたはかっこいい、あなたは特別、あなたがほしい言葉で、あなたは褒められてほしい

あなたは男のものじゃない、あなたは男のものになろうとしなくていい、あなたが男のものになったからってなんの褒賞にもならない

あなたは着たい服を着て、あなたがしたい化粧をして、あなたに着たい服がないならそのままでいて、あなたが化粧したくないならそのままでいて

あなたは差別されている、あなたは上か下かならいつも下にいる、うちのクラスは女子が強いよねなんて、学級委員がみんな女の子だからって、あなたは言うけどそれは嘘だ、あなたは格差の中で生きていて、あなたは今日も電車で汗をかいただけで搾り取られる

あなたは呪われている、あなたは何も知らないままでいる、あなたは文句を言うことを忘れている、あなたは違和感を感じないようにアンテナをへし折られている

呪いを解いて女の子。

これは呪いのメールです。この文章を五人に送らないと、あなたはこれからも呪われ続けてしまいます。


現実の続報

バーコードハゲのおじいちゃん、分け目かヘアセットの仕方変えたのかバーコード感減ってて感動した。


年相応

中二病はイタいかもしれないが、中学2年生には中学2年生らしい考えでいる権利がある。


昨日の昼ごはん一覧


・ケンタッキー ペッパーマヨツイスター
・ポテト
・アイスコーヒー

前の席の友達
・ロッテリアのなにか

斜め前の席の友達
・ラーメン屋のセット 米やらなんやら量十分

共通事項
・同じフードコート

その他情報
・全員ばらばらの机、それぞれ連れがいたのでその場では互いを横目に見るだけだった

今日はみんなでサーティーワン食おうかなんて話しつつ財布を見て天を仰ぐ瞬間が、しあわせでしたとさ。


NO MORE DREAM

お前のビッグな夢は何と聞かれたら、答えてあげるが世の情け!二度寝の破壊を防ぐため!ひとりの時間を守るため!暇と怠惰の日々を貫く!私!私!私の人生!!!


さみしい

人生であと何回「次移動教室だっけ?」って言うのだろうか。


JK

何がJKブランドだよバーーーカ!!!!!!!!たとえJKじゃなくても私はブランド品なんかよりずーーっと最高なんだっつーの!!!!!!


歴史の真実

「お前ほんとに凄いな」
男が言う。
「ほんと?」
私が言う。
「だって同じクラスなる前から知ってたもん」
男が言う。
「ね、有名人」
もうひとりの男が言う。
「合唱のときだっけ?あんなに廊下で大声出してリーダーやってて」
男が言う。私は記憶を復元させる。確かにそのとおりであった。私は凄い。
「オラオラ〜ってね」
私は事実を述べる。そして男たちと横にいた女も共感の色を目ににじませた。
「女子なのにあんなこと出来る人初めて見た」
男は言う。
ふーん。女子なのに。
なんか鼻についたので、私は学校もろとも男を爆破した。
そして黒煙を背に私は叫ぶのである。
「男になりてぇーーーー!!!!」
一段落したら、どこからともなく銃を出し己の頭に突きつけ、打つ。その銃を打てば男になれると私は聞いていたからだ。
しかしそれは嘘だった。
銃声から目を覚ますと、目の前には変わらず男二人と女一人がいた。
「ほんっと、なんでそんなことできるのかわからない」
女が言う。
「いや別に何も…自然自然」
私は言う。軽く笑い飛ばす。
その銃は男になれる銃ではなく、女になれる銃だった。
学校を爆破したことも、銃を撃ったことも、もう私しか覚えていない。
史実上は、私が微笑みながら褒めを喜んだだけということになっている。
「女子なのに」をありがたく受け取った、ということになっている。
そうでもしないと、社会は回っていかないから。
いちいち怒って、自分のことを女と呼びたがらない女、すなわち私にとって、男になれる銃は需要しかなかった。同士もいるだろう。
そうやって女を生産して、社会に出荷していく。
教科書でそんなこと一ミリも習わなかったけれど、銃を使った勇敢な私の言うことです。信じて損は無いでしょう。
これも私の記憶の一片に過ぎないし、それ以前にこんな話刑務所送りですわね。どうか皆様、ご無事で。


今月のエッセイ 生活、男になりたい

さっきの歴史の真実、ほんとはエッセイ調にしてやろうと思ったのだけれど、書いてるうちにイライラしてきて当時の思いが蘇ってきて、理想を体現したくなったらああなってしまった。理想と現実を両立させようとしたらああなってしまった。読み返すとよくわからないが、本当に学校を爆破したい。

高校に入学してから早二ヶ月が経過。楽しいことと、めんどいことと、息苦しいことと。情緒の忙しい日々が続いております。

高校という場所。身構えてたわりに、楽しいことが多い。分かりやすい出来事がなくても、そう思える瞬間が多くて嬉しい。書こうと思えばいくらでも書けてしまうかもしれない。

高校という場所。身構えていたのに、うええ、な出来事も多い。もう何億回恋バナを振られたか分からなくて回想するだけで吐き気がする。めまいどころではありません。私は異性愛者でも無ければ割り振られた性別も自認も女だけどただただ端的に女というわけではないしワンチャンデミロマ説もある、「イケメンいた?」「狙ったら?」などと言う言葉はびっくりするほど通じないのだ。ふはは、逆に申し訳ないぜ。

あと公立高校だから、校舎がボロくてなおかつ先生がみんなお年を召している。教科担任を全員あげてみたら、九割が自分の親より年上だった。人生経験豊富なひとたちではあるから、面白い話も聞けるけど話が通じないひともいるので、ピンキリ。みんなお年を召しているせいなのかはわからないが、やたら恋愛話を振ってくる先生が多い。心当たり数件。中学のときもまああったけど、それより遥かに多いかもしれない。最初はいちいちキレてツイートしてたけれど、なんかもう怒ることすら時間の無駄で、適当に笑うことが増えた。どどどどどどどど、異性愛前提。うえええ。これが現代の日本です。そりゃしゃあないかもしれないですけどね、現代日本に期待してませんけど、そもそも恋愛なんてパーソナルな話なんだから、しなくていいでしょうよ。こうすりゃモテるかもよとか、自分の経験語るのとかもやめてくれ。結婚指輪を光らせながら教科書をめくるおじいちゃん。現代日本で私がなれない姿。いつかあれになりたい、が確かに間違いでないことに、今日も腹を立てた。恋愛って世間一般的にはもっとラフは話なのか。そりゃそうか、マジョリティは自分のセクシュアリティをさも当然のように話せるし話しても社会的に冷たい目で見られたりしない。とりあえず誰かと付き合いたいとかいうデミから6億光年離れたひともまあ周りにたっくさん。(それは個人によって違う、ただ誰しもがそうだという前提で話されると困るという話)年齢さえあれば即結婚できる。裁判なんてしなくてもいいし結婚の必要性について話さなくてもいい。

…なんそれ。

なんそれ、な日々である。なんそれという言葉でこのやりきれない気持ちを発散できているので結構助かっている。

プライドマンスですね。クィアへのエールをありがたく受け取り、私もポジティブなエナジーを発散していきたいと思うと同時に、中指も常に隠し持っています。

うーん、ちょっと暗くなりすぎたから、幸せな話でもしようか。

最近席替えをして前よりも更に楽しくなってきた。やっぱり男子って面白い。言うことはもちろん為すことがちょっと捨て身で面白い。女子といると安心するし長く付き合っていくのも女子だし、男子はたまに腹が立つこともある。けど男子には女子コミュニティではめったに見ない面白さがある。男になりたい。というか、そういう女になりたい、のかな。春休みと席替えまでの期間はほぼほぼ女子としか話してなかったけれど、慣れを覚えはじめて男子と話したとき、新しい世界が開いた感覚があった。やっぱり、生きている世界が違うのだろう。否めない。一応女で、女を好きになり、小さいときからとことん男が苦手だったけど、男友達はいたほうが面白いのかもと思うのは数度目。男女の友情は成立するのか?という質問。私目線で言うならば、バリバリYESである。問題は相手。

男になりたい。本当にならなくていいけど、トライアル期間が欲しい。まず血を蓄えた子宮がないので身体が軽そうだ。身長も高いし体力もある。身体は薄っぺらいし。胸もないし。背中に羽でも生えてんじゃないかって状態になれそう。それにみんながははと笑う。脚も広げられる。

身長が小さいことを自分より10センチ身長が高い友だちに話しても「小さい方がモテるよ」なんて咎められたりしない。昨日の部活の話をしても(私は料理部である)、「女子力〜」なんて言われない。このことを言った二人は、現時点の生活でめちゃくちゃ頼りになっている大切な友だち。だから一層苦しい。男になればそんなこと起こらない。

そんなこと言えるのは、私が女だからなのかもしれないが。男にしかない苦しみもあるのだろうけれど。でもあまりにも女という文字が鬱陶しいから許してほしい。こちらはお先真っ暗なのだ。賃金も結婚も保証されていないし、バスに乗るたびにスカートの中を守らなくては無防備と言われるのだ。しゃーなし。

サーティーワンに行きたいといいながら財布の中身を見て虚しくなりつつ笑っている瞬間が、私たちが平等であれる数少ない瞬間。社会に出れば、あっという間に格差の中。ちょっと、悲しい。財布の中身を笑えなくなってしまう。

汗水たらす暑苦しい青春は私にはこない。廊下で笑う男子を見るたび、まとわりつくものの少なさに感動するのだ。笑う女子と笑う男子、やっぱり何かが違うよ。言語化すればするほどわけが分からなくなってきたのでそろそろ切ろうと思う。こんだけ文句垂れている私もいざ学校に行ってしまえば女子コミュニティに溶けている。別に女子コミュニティも楽しい。別にというか、結構楽しい。割とみんながははと笑うよ。けれどふと外に目を向けたとき、漠然と羨ましくなるだけ。人間は無いものねだりだから、なんとなく、自分ではないなにかになりたいのだ。ワイシャツの第一ボタンを開けた男子が二人、教室に入ってくる。一人が、手に持った二本のデカビタのうちの一つを教室の中央あたりの机の上に腰掛ける男子に手渡す。その男子は喜ぶ。三人はあと一時間したらそれぞれの部活に行き、疲れた身体にデカビタを流し込む。それが、たまらなく羨ましい。

とりあえず、この二ヶ月は、そんな感じでした。疲れたらコンビニで唐揚げを買って、家に帰りますので。いつかひっそりデカビタも買ってみよう。

あ、そうそう、私の担任のおじいちゃん、男子も女子も敬称を「さん」で統一している。ありがたいかも。まあ横黒板に貼られた名前マグネットには、女子は赤、男子は青で、名前が書かれているのだけれど。



真夜中雑記帳 壱 令和四年六月十二日 初版発行