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最強で、最弱の仲間と出会ったじぶん。

空が明るくなってから、
山際から太陽が顔を出すまでのあいだ。

空が、群青からオレンジへ、澄んだ水色へ変わっていく時間。

空気が震えて、少しずつ目覚めるまち。

誰かが起きた足音。

ポットのお湯の沸かす音。

冬の朝が、好きだ。

贄川-niekawa-という地域の、
なんでもない、冬の朝。

「今日もいい朝だ」
なんてことばが自然とこぼれてしまう日常が、
とても愛おしいと思う。


そんな朝を過ごした今日。
再び東京に向かうバスに揺られている。
いくつかの山を越えて抜けて、長野から東京へ向かう道。
早起きしたら、昼前には東京に着いてしまうこの距離感。
きっともうすぐしたら富士山が見える。
このワクワクも愛おしい。

今日から、またMAKERSの合宿がある。
3回にわたるキックオフの合宿で、私はたくさんの仲間に出会った。
MAKERSのプログラムは一年つづくし、
コミュニティは一生物だけれど、
それでもこの合宿が終わってしまうのはすごく寂しい。


正直、こんなにも愛着がわくコミュニティになるとは
思ってもみなかった。

仲良しくらぶではなくて、
競争相手でもない。

先週の合宿で、ふと思った。
みんなは、「最強で最弱の仲間だ」と。

びっくりするくらい熱くて、
びっくりするくらい努力家で、
びっくりするくらい優秀な彼らは、
まぎれもなく「最強」だと思う。

でも。

みんなそれぞれ進むべき道があって、
それは誰ひとり同じではなくて、
きっと、MAKERSを通してさらにさらに、みんながそれぞれ別の世界への道を遠くまで進んでいってしまう。


馴れ合いなんて、ぜったいに起こらない。

だから、
きっとこの合宿が終わったら、
また自分自身の挑戦がはじまって。

けっきょく、やるのは自分しかいないわけで。

この最強の仲間は、私が何かをするときにおいては
何も手を出すことはない、「最弱」な仲間なんだ。

合宿中に、なんどかみた言葉。
「合宿を終えると、みんなそれぞれ孤独な戦いに向かうことになります」

大袈裟な。
そう思っていたけれど、
「最強で最弱な仲間」を言語化できた瞬間に、その言葉の意味が
もう少しだけ腑に落ちた気がする。

プロジェクトを進めていく上でのチームメイトはたくさんいる。
MAKERSで「最強で最弱な仲間」に出会ったことで、
ふだん一緒にいてくれている「最強な」チームメイトとの関係を
もっと深めたいし、だいじにしたいと思った。

かっこいいことばっかり言っててもしょうがない。
今日からMAKERSの合宿だし、
なんだかチームのいろんなところで小さな事故が起こりそうだし、
泥臭く、毎日をがんばっていくしかない。


昨日は、シェアメイトのソウルメイトの誕生日だった。
台湾から来てくれたんだけれど、
台湾ではお誕生日に三つお願い事をするそうだ。
一つ目と二つ目は、みんなに向けて。
三つ目は、静かに、自分に向けて。

彼はいった。
「ここにいるみんなが、幸せになる」
「そして、この場所の素晴らしさが、世界中の人に届けられるように。」

そしてそれは。
「ぜんぜん難しくない。僕が、がんばります」
と。

みんな、よくここに辿り着いたねと。
行きづらい世の中を、よく今日まで生きてきたねと。
半分冗談だけれど、
でも、私たちはある意味社会の「違和感」に目を背けることができなかった人たちだと思う。
そんな私たちが、みんな家族のように暮らしている。
きっと、前世から知り合いだったみんなが、今、ここにいる。


その空間が、幸せだった。

だから。

ありきたりだけれど。
がんばるんだ。


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