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とあるシェアハウスのオーナーさんの話。 ー徒歩3分の廃校カフェでの雑談。

めい🌱
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発信しながら地域に飛び込む現役東大生(休学中)。
2022年4月現在、京都府福知山市のシェアハウスに滞在中です。

長野県塩尻市を拠点にした半年間の体験をまとめた
本をつくりました。


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人とつながることってな、世界平和につながると思ってん。

僕な、海外に一回も行ったことがなかったとき、
オーストラリアが大好きやったんよ。

スキー場とかで、冬の間だけリゾートバイトってやってるやんか、
それに行ってたんよね。
そこに、ワーホリで来てるオーストラリア人がたくさんおって、
その人たちらと仲良くなってん。

一緒にはたらいて、彼らを好きになって、
気づいたらオーストラリアが好きになってた。

そのとき思ったんよ。

日本中のみんながオーストラリア人と仲良くなって、
オーストラリア中のみんなが日本人と仲良くなったら、
将来、
二つの国の間に領土問題が生まれたとしても、
そこで絶対に「戦争」っていう方法で解決を探ろうとしないはずやって。

だから、人と人がつながるっていうのは、
世界平和につながることなんやって。

僕な、昔から人と人を繋げることが得意やったんよ。
自分が企画したイベントで友達呼んで、
そこでつながった二人が結婚したりとかいうことが
けっこうあってな。

それが世界平和につながるんやって分かって、
今、
シェアハウスと民泊で人と人をつなげる場所を作ってるんや。


怖い方の道は、会社に入ることやった

僕は大学ではな、
建築を勉強して、建築士も取ってん。

3年でほとんど単位取りきって、
残りの1年、やり残すことないようにしようっていろんなことをした。

今の就活からしたら早くてな、
3年の終わりにはもう就職先が決まってて。

でも、このまま建築の道に進むんか、
もっと違う、自由なことをするのか迷っててな。

ある人に相談しに行ったんよ。
15分で5000円っていう、
当時の僕からしたらけっこうな大金を払ったんだけれど、
その人はそれくらい本気の人の話しか聞きたくないっていう人で、
もう思い切って相談しに行って。

そのとき言われたのはな、

「自分が、怖いと思う方の道を進みなさい」

怖い方の道かあ、って考えて、思った。

毎朝同じ時間に起きて、
満員電車に乗って、
言われたことをやって、
夜遅くに帰ってきて、
そのまま寝て、
次の日にまた起きる。

こんな生活が、ものすごい怖いなあって。

自分の好きなことして稼いで生きていくのって、
別にそんなに怖いことじゃないし、
今じゃなくてもできるんかもしれん、
とも思った。

それで、ハウスメーカーに就職したんよ。

相談した人は、
どっちの道に進めって言いたかったんかはわからんけどね。

まあでも、終わりを決めないといかんと思って、
3年で辞めるって決めてて。

組織に入って、周りが見えんようになるかもしれんから、
周りの友人、自分の好きなことで稼ごうとがんばっている友人にも、
「3年後、自分が会社で働きつづけるって言っていたら、この話をしてくれ」
って保険もかけてな。

けっきょく、2年で会社をやめた。

会社ではたらいたことは今の仕事にも深くつながってるし、
なに一つ後悔はしてない。

けど、毎日わずかな時間にみるテレビに流れてくるニュース。
あれが、いつも暗いものばっかりやって。

自分は、あのニュースを少しでも明るくすることに貢献できてるやろうかって考えたとき、
できてないなって。

少しでも、あのニュースを明るくしたいと思って、
会社辞めて別のことしようって。


どんなことも、世界平和につながる

世界平和に貢献したい言うてるやつが、
世界を見たことないのも変やなあと思って
海外でバックパッカーしてた。

3年の予定やったんだけど、けっきょく2年で帰ってきたかな。
目的を達成したように感じたから。

目的っていうんは
「世界平和」ってどういうことか知ること、
が大きかって、

いろんな人に聞いたりして、
それでも「これや!」っていう答えは見つからんくって。

たしかにそうかもなあっていうのはあったんよ。

例えば、

世界平和は、隣の人を愛すること

って言ってくれた人がおった。

世界中のみんなが、隣の人を愛することができれば、
この世界には愛であふれて、
平和になる。

納得はしたんやけど、
「見つけたー!」って感じはしなくて。

そうして旅してたある朝、
ふと、外を眺めながら考えとった。

今、外に見えているこの人らは、
世界平和に貢献してるんやろうかって。

街中のゴミ箱からゴミを回収してくれとる人。
この人がおらんかったら、街中にゴミが溢れてしまう。
この街がきれいに保たれとるんは、この人のおかげや。
だから、この人は世界平和に貢献しとる。

そんなふうに、街を行く人たちのことを眺めて、
この人は、あの人は、その人は、
って考えてて。

けっきょく、みんなどこかで世界平和に貢献しとる、
って気づいてん。
誰かの何かの行動が、少しずつ世界平和につながっとる、って。

じゃあ自分も、どんな道を行っても
どこかで世界平和に貢献できるんやって思ったとき、

それなら好きなことしよう

って思って。

なにしても世界平和に貢献できるなら、
好きなことをした方が、より強く貢献できる。

同じことをするなら、
それを好きな人の方が、好きでない人よりも
がんばれるし夢中になれるやんか。

三つの円を想像してみてほしいんやけど、

代知さん_図解_アートボード 1

「好き」と「得意」と「人のため」
の3つが重なる部分をやっていくって、よくいうかもしれんけど、
いきなりこの真ん中を見つけるって相当難しいやんか。

それで、どこから入っていくかなんやけど、
自分は「好き」から入るねん。

「好きこそ物の上手なれ」
やないけど、好きなことって自然と得意になっていくと思ってて。
それをつづけていけば、自然と
「人のため」
になる。

それに気づいて、旅から帰ってきた。

で、さいしょの話にちょっと戻るけど、
「人と人をつなげることが世界平和に貢献できる」
って、
まさにこのことやん!って。

自分は、人と人をつなげることが好きで、
得意で、それは自分のためだけじゃなくて
人のためにもなる。

少しかもしれんけど、
世界平和に貢献できる。

それで、シェアハウスやって。
名前は、
世界平和、World Peaceで
「Wぴーす」。


今までのぜんぶが、今の自分を作ってる。

楽しいから、不動産の仕事もつづけてるし、
林業も関わりたいから林業のバイトもたまに行ってるけど、
ぜんぶ、どこかでつながってくるから。

もし、ちがう人生を歩めるとしたら、
大学も行かへんし、建築士も取らへんと思う。
高校も行かへんかもしれん。

けど、今の人生には全く後悔はしてないよ。
不動産の仕事はほんまに楽しいし、
会社に入ったからできたこともあったし。

だから、自分の好きをたくさん見つけて、
いろんなことやってみたらいいと思うよ。




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