#35

2021.7.14(水)
M-1グランプリ2016年決勝を観た。自分は「◯◯ってカッコエエよな」「じゃあそれここで練習してみよか」的な漫才があまり好きではない。いわゆるコント漫才というやつなのだけど、M-1でも結構なコンビがコント漫才を採用している気がする。2016年の場合は以下の通り。

(ネタ披露順)
アキナ コント漫才
カミナリ しゃべくり漫才
相席スタート コント+しゃべくり漫才
銀シャリ しゃべくり漫才(歌ネタ)
スリムクラブ コント漫才
ハライチ コント漫才
スーパーマラドーナ 一人だけコント漫才
さらば青春の光 しゃべくり漫才
和牛 コント漫才

9組中、コント的要素(何かの役を演じている)ネタは半数以上の6組。この内、スーパーマラドーナと和牛は最終決戦に進んでいるので、有効なんだなぁと思う。因みに最終決戦はこんな感じ。

(ネタ披露順)
スーパーマラドーナ コント漫才
和牛 コント漫才
銀シャリ しゃべくり漫才

ここで優勝したのは銀シャリ。王道なしゃべくり漫才。結局のところネタの作りやすさというか、ブームというか、、面白いコント漫才は勿論ある。あくまでも漫才というフォーマットでコントをやるわけだから、ちょっと演劇的にもなってくる。演劇は見えないものを想像させる娯楽で、例えば客席の向こうを指差して「海が見えるよ!」と言ったりする。台詞が放たれた瞬間、その世界の現実になる。コント漫才も同じだと思う。和牛はそこを突くのが上手い。夏祭りデートという設定のなか、漫才師としての二人はただの衣装であるスーツ。彼女演じる河西が、「この浴衣どう?」と言う。すると彼氏演じる水田は「おれは迷彩のセットアップやけどね」という。ここで初めて、観客は彼氏が迷彩のセットアップで夏祭りに臨んでいると知る。ネタ中も、射的をやろうという水田に「あんた迷彩の服で銃もってんねんで」と河西がツッコミ、ああそう言えばそうだったと思い起こさせるのが良い。だから、コント漫才が苦手な自分でも和牛は面白いなぁと思う。

とは言え、やっぱりしゃべくり漫才がもっと見たいなぁと思う。過去のM-1を観て、しゃべくり漫才とコント漫才の比率がどう変化していっているのか、みてみたいな。

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