”第三の居場所”の提供を担うさくらリビング


桜木町に青少年の活動、交流支援を行う場所がある。
ダンスや演劇、音楽の練習など気軽に使える活動の場、そしてひとりでもみんなと一緒でも、いつでもふらっと立ち寄れる交流の場、そんな青少年のための「スペース」がさくらリビングだ。

中高生から24歳までの青少年を主な対象とし、さまざまな人や考え方、体験との出会いを通じて社会とのつながりや社会で生きる力を育むことを目的としたさくらリビングでは、フリースペースの提供や相談支援に限らずボランティア体験事業や社会体験、就労体験事業なども行っている。

さくらリビングの利用者は年代別で見ると圧倒的に高校生が多く、地域の子供たちや沿線の学校に通う学生たちが主である。青少年に対する傾聴及び相談事業を行ってはいるものの、利用者は課題を抱えた子供とは限らず、現時点では課題が現れていない子、課題を抱えていない子供も含め様々な青少年がその場所を利用しており、年間約7万人の利用者がいる。


さくらリビングの注目すべきところは、単なるフリースペースの提供に留まらない点だ。

前述したボランティア体験事業では月に一回のゴミ拾いのボランティアや横浜マラソンの給水ボランティア、社会体験事業では横浜地方裁判所の見学ツアーや野菜販売体験、農業体験などが挙げられ、青少年の社会参加に貢献している。

なかでも青少年チャレンジ事業では青少年が主体的に活動する場の提供や、青少年が気軽に新たな活動にチャレンジする機会作りを行っている。具体的には、横浜で第七回アフリカ開発会議が開催された際にはアフリカにルーツをもつ青少年とさくらリビングの青少年の交流会を企画した。

また、さくらリビングの提供する音楽スタジオにおいて、さくらリビングの前身団体出身のボランティアを指導者としてドラム教室のイベントを行うなど、その活動の幅が広いことが窺える。

学校でも部活でも塾でもない第三の居場所を提供し、単なるスペースの開放だけでなく、青少年に様々な体験の機会を与える役割を果たしているさくらリビング。その活動は多岐に及んでおり、周知活動をより積極的に行えば利用者も増え、なかなか体験活動を行うことができない青少年へも届くのではないかと思われた。


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