たった3ヶ月、されど3ヶ月
離島して早1週間。
大阪の雑踏を掻き分け、やっと帰路に着こうとしています。
島にいる前は華やかな世界の方がキラキラしていると思っていた。
けれど、島から外へ出てみれば、あれほどキラキラした世界はないとさえ思うのです。
キラキラしていたはずの世界。
そこはもう私にとってキラキラはしていなくて。
そこにいる人混みは全て私の敵にさえ感じるのです。1人1人の表情がまるで違う。
お互いがお互いに興味を示さず淡々と歩く。
誰がその場にいるのか、何者なのか、興味などない。興味を示す様子さえない。誰1人として目が合わない。
その「無関心さ」が恋しかったはずなのだけれど、あまりのギャップに落胆している自分がいます。
島にいる頃は相手が自分に興味を持ってくれたし、隣にいればすぐ声をかけてもらえる。逆に相手が何者であるか、わからなければすぐ聞ける、会話できる環境がありました。そうやって興味を持った相手、興味を持ってくれた相手とコミュニケーションをとれることが嬉しくて、私は「隣が誰かわかる」環境が大好きでした。
いざ都会の華やかな世界に出てみればそういった環境とは無縁で。相手からの興味を一才感じないのです。興味を持たれないならこっちから持つはずもなく。
ああこうして私は現実世界に染まっていくんだな、あの頃の私と離れていくんだな、そう感じた今日この頃です。
島にいた自分が好きでした。だからたとえ環境が変わっても、その自分を保つために、私はあの頃の記憶を、心を、感情を、思い出します。良い意味で「変わらない」ために。
逆に良い意味で「変化した」記録をここに記します。忘れたくないから。
大好きな大好きな仲間たち。
こんな見事に皆揃って笑顔の写真があるでしょうか。何回も何回も見返して毎回毎回涙が出そうになります。
私にとっての島体験は、間違いなく「仲間」なしには語れません。
こんなに短い期間で相手と、自分と、本気で向き合ったことはこれまでも、これからもありません。
元来私はこんなに多くの人と関わるような人ではありませんでした。色々な人に興味はありつつも、「広く浅く」の友だちが多くいるだけで、大抵遊ぶ時は特定の仲の良い友人ばかりでした。
相手に持っていた「興味」を本気でぶつけた2ヶ月半。あなたが見てきたもの、経験してきたものを私にも見せてほしい。そういう思いで相手と「対話」を繰り返した2ヶ月半でした。
あなたの見てきた世界が見たい。そういう思いでたくさん相手の世界に踏み込みました。お邪魔しました。
相手の価値観や世界に触れた時、同時に嫌でも自分の世界が見えてきます。自分が問われます。
私は何に幸せを感じるのか。自問自答し、自己内省を繰り返した2ヶ月半でした。
自分のことをよく分かっている仲間に刺激を受けまくり、私も自分と向き合いました。相手から私がどう見えているのか、助言を受けながら、前より「自分」というものが見えてきたように思います。
私は仲間や人の笑顔や笑い声、表情を見るのが好きです。福祉施設で働かせていただいて、おばあちゃんとたくさんお話をしました。何を言っているかわからない時ももちろんあったけれど(笑)、おばあちゃんたちが昔を回顧して話してくれる様子が大好きでした。
私よりも何十年も多く生きてきたおばあちゃんたち。私がまだ生まれていない時代に生きて、私が見てない景色をたくさん見て、色々な苦労や喜びを味わってきたおばあちゃんたち。
その「瞳」を見ていると、彼女たちが経験してきた世界が映っているような気がして、私は「瞳」を見るのが大好きでした。
おばあちゃんたちに限らず、皆が見てきた景色、世界を私も見たい。相手の瞳を見ていると少し見えるような気がして、だから私はよく人の「瞳」を見るのだと気が付きました。
そしてもう一つ。私は昔からずっとおばあちゃん子でした。急に亡くなったおばあちゃんにしてやれなかったことを目の前のおばあちゃんたちにしてあげたかったのかなと思います。
こんなに目の前の人に愛情を注ぎたいと思うのは、過去に自分がしてあげたいと思いつつできなかったその反動で、想いが爆発しているのかなとも思います。
皆と関わる中で、「ああ幸せってこんなに身近にあるんだ」と気が付きました。
幸せのハードルが低くなりました。
喜びも悲しみも悩みも葛藤も楽しみも、全部全部分かち合ったこの2ヶ月半。私のやったことで笑顔になってくれる人がいて、相手がいることで笑顔になれて。気がつけば私の生活に「仲間」は必要不可欠で。いつしかエネルギーチャージが「仲間」に変わっていました。
島にいた自分はずっと笑っていたな〜。
何をするにも幸せで、こんなに「幸せ」を心から感じた日々はありませんでした。
心から出会ってくれた皆に「ありがとう」。
間違いなくかけがえのないものとなった3ヶ月。
海士町で「何かをしたの」ではなく、「与えてもらった」という印象が大きいです。
私に何かできるとは思っていません。それでも何か与えてもらった地に恩返しがしたい。やっぱりやりきれなかった何かがある。何か自分の足跡を残したい。そう思います。
だからいつか私は海士町でリベンジします。
たくさん笑い合った仲間と昨日のようにまた笑える日が来るまで。
その日を楽しみに私は次のステップへ進みます。
ありがとう!そしてまたね!夏に会おう!
大好きだ皆!!!心から愛!!!ビッグラブ!!!
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