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露宇戦争の行方を考えてみる

今日は政治色の強いことを書こうと思ってる、ども、雷兎です。
もう2カ月以上経過したわけですが、

当初の自分の予想としては、・・・

  • 3日以内に首都キエフ(僕はあくまで「キエフ」と言う)包囲完了

  • 2週間以内にウクライナ政権崩壊

  • 即時、親露政権樹立及び一時地域の独立

で、結実すると見込んでいた。
ウクライナの方々には失礼だが、戦前の軍事力を見るとそれも難しくない結果と思ってた。
しかし、1カ月、2カ月と経ち、事前の先入観と言うか、予測が全くずれていることに気が付いた。
いや、気がついたというより、実際はなんとなく感じていたのだ。

戦争とは、軍事力がすべてではない

軍事力だけが戦争の決定的なパラメータではない。
それだけなら、ベトナム戦争とか過去の戦争を考えると、近代の戦争では、「アメリカ側の一方的な勝利」しかないんですよ。

いろいろと言いたい方々はいらっしゃるとは思いますが、
アメリカが本気で何やっても良いなら、世界を敵にしてもだいたい勝ちます。戦争に関しては、なんだかんだ一番研究して、一番資金を投下しております。トランプ政権になるまでは、どうでもいい紛争にさえ、顔出してちょっかいだすときもありました。
ある意味、戦争狂です。(と言っても、アメリカは好きですよ(笑))
ただ、アメリカ自体は近代以降「侵略戦争」はほぼしておりませんが。
イギリス領から独立したアメリカは、どこかの領土を奪う意識は低い、と言うか、自由な国だからそういう政治的思想はないんでしょうね。

ま、脱線しました。
軍事力だけで言えば、かつては、アメリカ、ロシアの2トップに、中国が肉薄しつつあるという感じでした。
なので、ロシアがウクライナに苦戦するはずがない。と言う見方だったでしょう。しかし、この2トップには軍事力において、決定的な違いがあります。

ロシアの核兵器ドクトリン

ドクトリンと言う言葉が難しいかもしれませんので、今後は使いませんが、簡単に言えば、戦術的な教義・方針となります。
つまり、ロシアの戦略は「核兵器」ありきなのです。だからプーチンは事あるごとに、核を匂わせ、恫喝的な対応です。そんなことない?
落ち着いて考えてみてください。他国が、ロシアを恐れる点を挙げると「究極的に核兵器があるから」じゃないですか?
大量の兵士がいるからロシアが強いってわけではありません。広大な領土を持つロシアです。簡単に全地域の兵士を集結させ、軍事行動をとることは、ある意味、最終決戦くらいじゃないと決断しません。

一方アメリカは、いろんな戦況に合わせた兵器を開発し、核兵器に頼らない戦術が実践できますし、4つないしは5つの軍隊が各々活動できるように配備されております。そう言った点でも、ロシアは数世代分、アメリカに勝てません。

ロシアも当然最新の兵器を開発しておりますが、ミクロ、ニッチ的な部分で秀でた部分もありますが、マクロ的な視点で見ると、アメリカや世界で最先端なものはほぼありません。
例えば、寒冷地が殆どですがから、簡単に製造でき、かつ頑丈でどんな環境でも動作するロシアのカラシニコフやトカレフなどは有名ですが、今ではテロや貧民国家でしか使われておりません。ま、今回のテーマからずれてきますので、話をまた戻します。

戦争の意義

戦争って言うのは、一方的に始めることは出来ません。
あまり考えられないことではありますが、戦争を始めるにも何らかの理由付けが要ります。原始時代は当てはまるか知りませんが、中世以降はこの理由を作る為に何らかしらの難癖をつけてからの戦争となります。

開戦事由

昨年末からアメリカは、年明けにロシアがウクライナに進駐すると見込んでいた。衛星でロシア軍の移動・配備の変化をチェックし、彼らなりの経験・考察でそう予測していたのだろう。これだけ見ると、アメリカは事前に戦争があると分かっていたのに止めなかった「ならず者国家」に見えるかもしれないが、有事の為、いろんな対応しているだけである。有事になってから対応しているようでは「遅い」のである。「9条があるから平和維持できている」と勘違いしている方々には永遠に理解できないと思うが・・・。

ロシアの思惑通り行かなかったから戦争に至ったわけであり、ロシアも侵略したくて始めた戦争ではない。元より、この戦争の発端になる自由は、ウクライナにも少なからずある。だからと言って、侵攻していいかは別だ。

そしてロシアは、「平和維持」を目的に、ウクライナに侵攻した。平和維持だけなら、東部だけでいいのだが、それは建前である。ちゃっかり、キエフ付近まで侵攻しているし、今となっては「何でもあり」、である。

現在の戦況

この点において、僕はあまりチェックしていない。
と言うのは、しばらく、決定的な手をどっちも打たない・打てないと思っているからである。
ロシアが本気でウクライナ侵攻をするなら「出来るはず」である。その手段は、数の暴力か、核の圧力か、だと考える。
一方、ウクライナがこのまま攻勢を維持できるても、その次が無い。そのままロシアに攻め込むまでは名目上、行わないからである。押し返して終わり。それで、講和できればいいが、ロシアは面目上、ウクライナに敗北のまま講和など応じない。

停戦の事由

ロシアにとって、この戦争の結果は、勝つにしても負けるにも、プーチンの面目を保てるものじゃないといけない。
敗北の場合、ウクライナ単体に負けたわけじゃない、対ロシア連合国などの大軍に攻められる可能性が非常に高い又は軍事活動があったから、と重しを付ける必要がある。
勝つにしても、名目の平和維持活動の成果だけでなく、戦争中に被った経済被害以上の成果を上げなければいけない。またルーブルが値を戻しているというが、それは正直一時的なもので、戦後のロシアは世界の経済活動に制限がかかり、今以上に苦しくなると思う。

ロシアとウクライナでどんな停戦協定が行われているか知らないが、どちらもイバラの道である。さっさと停戦して欲しい「ウクライナ政府」と、プーチンに怒られたくないから停戦せず長引かせたい「ロシア交渉団」と言う構図。
プーチンは「戦争終わらせたくない」とは考えているか知らないが、もう後には戻れないとは分かっている。だから、長引けば長引くほど、交渉団にはもっといい成果をあげろと思っているだろう。
このねじれから、二か国での講和はまずありえない。ミンスク議定書みたいに、またイギリス・フランスやトルコを含めた講和がないと難しいだろう。
※この国家が入ってくるのは、それ以前(19世紀)のパリ条約の流れものあるだろう

停戦するのにも、それぞれの思惑やらで、簡単にできないのが現代社会である。勝つ側にも負ける側にも面目を保つ必要がある。無条件降伏なんて、そう多くないですから。

が、しばらく講和も進捗しない可能性がある。
中国が介入して、変な結果になることもあるだろうがそれがロシアにとって最悪のケースになると思う。

僕の予測

僕が、この戦争の結末として二つのケースを考えている。
その前に、認識して欲しいのが、世界のパワーバランスと国連である。
先に国連の常任理事国は、現在、アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアである。
そして、世界の軍事バランスとして

1位:アメリカ(NATO)
2位:ロシア
3位:中国
4位:インド
5位:フランス(NATO)
6位~10位:日本(親NATO)、イギリス(NATO)、韓国(親NATO)、トルコ(NATO)、ドイツ(NATO)

親NATOってものはないが、パートナーシップ協定?してたので、そのように表現している。

つまり、ロシアがこのまま国家を維持できなかったら、NATOと非NATOのパワーバランスは崩れてしまう。
インド自体は、ロシアともアメリカとも連携取っているだけで、親中国家でもない為、ロシアがなくなったらと言って中国と仲良くなるってわけじゃない。

一帯一路政策とNATOは別物である。もし中国が軍事的活動を強めたら、後方支援してくれる後ろ盾がないのが実情である。
だから中国は、今ロシアを陰ながら支援もしているが、表立った支援もできない。しかし、ロシアには簡単に消えて欲しくない。
こういう時の中国のずる賢さを知ってる方は予測できると思う。「どっちに転んでも中国の得になれば良いのだ」と。

クーデター結集

とある国が、プーチンを排除しようとします。
成功してもしなくても、自分の国がやったと分からなかったらOKです。
成功したら、親中政府を樹立させて、今のロシアからスライド出来たら万々歳。資源が豊富なロシアの大地をゲットできたら一帯一路の上位互換の出来上がりです。これが中国の、この戦争の最大の成果となります。
中国は日本や台湾より、ロシアを手に入れればいろんな問題解決しますから。表向き別国家ですが、ね(笑)
考えてみてください。ロシアが戦争で負けて、NATO寄りの国家や、今とは別体制の政権が出来たら、味方になるか微妙なところです。だって、プーチンだから何とか治めていたロシアです。それ以外の人が簡単に統治できるわけではありません。弱体化されても困るんです、中国には。
世界のパワーバランスが、一気に偏ってしまいます。発言力も低くなります。このまま経済力で圧倒し続けられるわけではないですし。
だったら、こっちから仕掛けようってのがクーデター案です。プーチンという悪の象徴を倒すわけですから、正当化しやすいですしね。

ロシア分裂

今回の戦争の起因というのは、ソ連時代から引き継いだロシアはあの一帯の国家や領土は未だに自分たちの公領と認識しているからです。だからクリミアとか、ジョージア(グルジア)とかにもちょっかい掛け続けるのです。
だから、もうロシアを4つや5つに分裂させてしまうのが、他国にとっても安心するでしょう。ま、この場合核兵器とかすべて没収しなきゃいけませんけど。ただ中国にとっては、これはやっかいなものです。
こういう分裂は、朝鮮半島とかのように緩衝地域が自国家の周りに出来るだけで、中国包囲網が構築されてしまいます。
東は日本・韓国、南はフィリピン・台湾、西は中国、北は・・・親NATO国ってなれば、いざ戦争の際、全方位に注目しなければいけません。それを網羅するため、中国共産党は更に資金が必要となります。(中国の軍は、すべて国家の軍人というわけではありません。だいたいが中国共産党の軍隊です。)

さらに、ロシアがそこまでグダグダなのは、腐敗が続き、報告されていた内容と実情に乖離があった為かと思います。これについては、中国も似てます。習近平が「今年度はアメリカの経済勢力を抜く」と言ったので、今年は中国はアメリカを抜くでしょう。
で、それを鵜呑みにしてしまうのが日本人であります。根が真面目ですから、報告にあった数字が本当と思ってしまうのです。中国の軍も実際そこまで強いかなんて、実際分かりませんよ。また脱線しました。

ロシア分裂した際、ロシア後継政府の力はなお一層弱まりますし、中国にとって後ろ盾を失い、その一方で、NATO国家と隣接してしまう可能性が出てきます。今のロシアのように過剰に反応してしまうかもしれませんね。
だから、そうなる前に中国はロシアに進駐して、独立国家を作ってしまうかもしれませんね。極東ロシアを傀儡政権にできたら、日本を回避して、アメリカまで侵攻しやくなりますから。

最後に

いろいろ、ずらずらと書いておきましたが、どの結果でも中国は漁夫の利を狙っていると思います。それが賢いなと感心する点でもありますが、恐喝的なあの政党は一切好きにはなれませんです。

ロシアも中国も、単体の国家では実はロクなもの作れる技術力ないところありますから、粋がるのもやめて欲しいってだけです。

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