偏食なアニメ好きは語りたがり

アニメオタクというには程遠く

 個人的にだが、アニメオタク=年間を通して多くのアニメを見る人というイメージがある。そのため、アニメオタクと名乗ることはできないと勝手に思っている。私は年間しっかりと全話見るのは1、2作品くらいだ。サブスクで見るので、リアルタイムで放送されているアニメを見ることはほとんどない。偏食なので1話見てやめてしまった作品もたくさんある。そんな私が好きなアニメについて語ろうと思う。

タバコと働く大人達 ACCA13区監察課

13の自治区に分かれたドーワー王国。その平和は巨大統一組織“ACCA(アッカ)”によって守られていた。ACCA本部監察課副課長ジーン・オータスの仕事は、13区を不定期に廻り、不正がないか視察すること。だがある日、ACCAトップの5長官により、監察課の廃止が告げられる。平和な時代が続き、存在意義を失いつつあることが理由だった。そんな中、ジーンはファーマス区の視察に向かうが……。

https://acca-anime.com/story/episode.php#/1

 物語は比較的穏やかに進む。しかし、主人公ジーンが各自治区を周る中、彼が少しづつ不穏な空気に巻き込まれていくのが明確にわかる。だが、その正体が靄のように掴めない。誰が味方で、誰が敵なのか。彼がACCAで働く意味は何なのか。このアニメはその穏やかさに反して、常に疑問を提示してくる。ホント、最高なアニメだな。
 このアニメの特徴はお洒落がすぎるところである。オープニングは曲も映像も感動するレベルのお洒落さ。アニソンといえばみたいな人でなく、このアニメに合う人を抜擢したが丸わかりである。あと、キャラクター達が同じACCAという組織で働いているのにも関わらず、それぞれがそれぞれの目的のために働くのがものすごくリアルな感じで好きだった。主人公の悪友であるニーノが、自分自身の仕事の意義を問うシーンが印象的だった。あと、朗読劇もおすすめ。めちゃくちゃかっこいい下野紘がそこにいる。

3次元に干渉してくるR18アニメ オッドタクシー

平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。
身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。
趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。
一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。
彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。〔中略〕
何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。

https://oddtaxi.jp/anime/

 登場するのは可愛らしい絵柄の動物達だが、内容は金曜夜10時枠ミステリードラマだと思ってくれて構わない。アイドルの追っかけ、ゲーム中毒者、売れない芸人etc.オッドタクシーは人間の悪いところの縮図みたいなどろどろアニメである。「お前の周りにこんな奴いるよね?」という無言の圧力。良い意味で、ターゲットに18歳以下が含まれていない。現代社会で生きる大人に向けたアニメだと思ってる。
 オッドタクシーはアニメ以外の作り込みがすごい。YouTubeでモブキャラの自主ラジオという体のラジオを配信している。本作には少ししか出ないモブキャラがあることについて話すラジオである。正直、私のアニメのこういうラジオに対しての期待値はものすごく低かった。好きなアニメを勧めるときに、わざわざラジオまでは勧めないし。しかし、オッドタクシーのラジオは違った。アニメとこのラジオで、オッドタクシーの本当の面白さを理解できる。アニメの伏線をラジオで回収しているようにも感じる。登場キャラのツイッターアカウントもあるので是非、見て欲しい。3次元に干渉しすぎて、リプ返している人がいるのも面白い。
 強いていうならアニメ終わってからの動きがあまり好きじゃなかった。(映画は正直イマイチだったし、舞台化に関しては冒涜だと思ってる)

原作から800年の時を経てアニメ化 平家物語

《祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす》
平安末期。平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた。
亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、「お前たちはじき滅びる」と予言される。
貴族社会から武家社会へ――
日本が歴史的転換を果たす、激動の15年が幕を開ける。

https://heike-anime.asmik-ace.co.jp/story

 このアニメは私の中で平家物語を史料から物語へと昇華させた。平家といえば、織田信長くらい結末が知られている作品である。平家物語はバッドエンドまでの物語である。しかし、私はどうしても史料としか感じられなかった。似たような名前の登場人物、馴染みのない言葉。物語として読むのは、かなり難しかった。しかし、それをアニメにすることで、登場人物の心情が理解できる物語となった。
 夢中になれた要因の一つはびわの存在である。作中に琵琶法師のびわという少女が登場する。びわは未来を視る目を持つ。しかし、未来を変えることはできない。びわは中心人物でありながら、ある意味物語にほとんど干渉していないキャラクターだった。そのため、びわは現代を生きる我々の写し鏡であった。びわや私が、どれだけ登場人物に共感し、生きて欲しいと願っても、物語はバッドエンドに着実に進みゆく。無常なんですよ、今も昔も。
 あと、個人的には徳子がもの凄く好きなキャラクターだった。

偏食歴を晒してみて

 正直、今回紹介した作品は万人受けする作品ではないと思う。それでも、私のようなファンがいるよってことを何かしらの形にしたかった。ヒットしやすいのは、派手なアクションシーンがあるアニメや涙するほど感動するアニメかもしれない。でも、その要素が無くても、私のように長年愛している人がいることを知って欲しかったという私のエゴだ。
いつだって、最高のアニメを作ってくれた全ての関係者様に感謝してるよって話

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