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『プリンセスチュチュ〈全26話〉』感想メモ

見出し画像出典:プリンセスチュチュ(dアニメストア)

こんな感じの話

・物語と現実が入り混じる世界でバレエを題材に物語が進行する

・心を失った王子様の為に主人公が変身し心の欠片を取り戻していく

・物語の登場人物たちが自分の運命と向かい合う

感想のようなもの

「むかしむかし、ひとりの男が死にました。」というナレーションから始まり、ドキッとさせられる。今の女児向けアニメではないのだ。覚悟を持ってみろ。と語りかけているかのようだった。

メルヘンな世界観に行き過ぎたおっちょこちょいな主人公あひるという演出に気持ちがついていけていないという不安を抱えたまま観進めていったが、3~4話あたりで世界観やキャラクターをいつの間にか受け入れていたような気がする。

毎話オープニング前にナレーションにてその話のベースとなるナレーションが入るが、物語を理解するうえで大きなヒントとなり、時折見返した。

主人公はプリンセスチュチュに変身し、ひとつひとつの事件を解決しながら王子の心を取り戻していくわけだが、主人公は王子への想いを言葉にすると死んでしまうことを運命づけられている。王子を救うことが自らの愛の成就につながらないことを知りながら進む物語に、ほんのりと薄暗い気持ちにさせられた。

そうこうしていくうちに大筋の物語が進行し、後半へと続いていく。

後半には敵のプリンセスクレールが王子を操り事件を起こし、解決していくという展開にはなるが、全て作者ドロッセルマイヤーの悲劇へと導く筋書きであるということが判明していく。

作者ドロッセルマイヤーの存在と、物語の登場人物であるということを認識してストーリーを進めていくキャラクターは、悲劇で終わらぬように動き始める。

ーー大好きな人たちの幸せを願い、本当の自分を受け入れる。--

物語をハッピーエンドへ導きつつも、自分の運命を受け入れる主人公の姿にいつの間にか涙していた。

美しく作られた世界観に個性あるキャラクター。トリックの多いストーリーにに予想のつかない展開。こだわりの感じられる演出。すべてがこの作品を面白くしている。

正直に言うと、自分の趣味に合っている作品ではない。

けれども心に残る良い作品だと思った。

好きポイント

・作りこまれた世界観と複雑なストーリー

・物語に逆らい、自らの役を見つけていくキャラクター達

・音楽と踊り、細かく描かれる表情やしぐさ

こんな人におすすめしたい

・大円満ハッピーエンドじゃなくても許せる人

・物語の謎を読み解くのが好きな人

・心に残る作品を観たい人


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