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東海道新幹線から特急しらさぎ号へ、スマートな乗り換えを追い求める 〜新幹線回数券を添えて〜

現在担当しているお客様のお仕事で、福井県へ出張することとなり、生まれて初めて北陸の地へ足を踏み入れた。

交通費は基本立て替え・月末清算になるのだが、お客様の配慮で東京-米原間の新幹線回数券を現物支給いただく流れとなった。これにより、新幹線料金の立て替えは発生せず、米原-福井間の特急しらさぎ号の切符を別途購入することとなる。

(回数券だと乗車券が分割で計算されるとか、新幹線-特急の乗継割引が効かないだとか、そういう些末な問題はここでは考えない。立て替え額を減らすことを最優先とした措置をとっていただいたのである。)

この時の米原での乗り換えに大変苦労したので、のちの人のために記録を残しておく。


①しらさぎ号の切符を米原で購入する作戦 

[結論:Bad 時間がギリギリ]

乗車券類の内訳:
【支給】新幹線回数券(東京〜米原)
【米原駅で購入】乗車券(米原〜福井)
【米原駅で購入】特急券(特急しらさぎ 米原〜福井)

はじめての新幹線回数券利用。私は、東京-米原の回数券だけを握りしめ、東京駅から東海道新幹線ひかり635号に乗り込んだ。米原から先、特急しらさぎ5号のきっぷは米原駅の乗り換え時に購入すれば良い、と考えていたのである。

結果から言えば、この考えは大変甘い。絶対にお勧めしない。

まず、米原駅の新幹線-在来線乗換改札の新幹線側には、券売機の類が一切ない。見落としただけかもしれないが、乗車券類を購入できる設備や窓口は見当たらなかった。

仕方なく有人改札に相談したところ、回数券に無効印を押した上で、在来線側に通され、その先にあるJR東海の窓口へ案内された。そこで米原より先の切符を購入できるらしい。

在来線側にあるということは、基本的には在来線から新幹線に乗り換える人のための窓口であろう。乗り換え先の改札内から切符を購入させてもらえるという柔軟な対応に一瞬は感心したのだ。

しかし実際に行ってみると窓口が2つしかない。どちらの窓口も対応中で、さらに私の前には3人が並んでいる。

ひかり635号からしらさぎ5号への乗り換え時間は、たったの9分しかないのに、窓口に並ばないと切符が買えないというのは大変リスクが大きい。この時はたまたま間に合ったが、あと1人並んでいたら乗り遅れており、1時間後の特急を待つより普通車で行く方が数分早い状況となるところであった。

「米原より先の乗車券を持っていないのだから、一回改札外に出て切符を買うべきだ」と思われるかもしれない。至極その通りである。

だが、そちらを通ったことがないのでそのルートの道のりがどの程度なのかもわからないし、時間もなく遠回りもしたくないので、目の前にある乗り換え改札に惹かれてしまったのだ。

(この一件以降、米原駅で切符を購入したことがないので、「改札外に出れば乗り換え9分でも混んでても全然余裕だよ✌️」とかそういう情報があればこっそり教えてください。)


②東京駅でしらさぎの切符を購入

[結論:Good 乗り換えはスムーズ]

乗車券類の内訳:
【支給】新幹線回数券(東京〜米原)
【東京駅で購入】乗車券(米原〜福井)
【東京駅で購入】特急券(特急しらさぎ 米原〜福井)

米原駅の乗り換え改札にいる駅員さんはJR東海の駅員さんで、これから乗りたいしらさぎ号は乗車する全区間がJR西日本のものである。もしかしたら、案内してくれた駅員さんの所属するJR東海に都合の良い購入場所を案内されただけで、JR西日本側の用意したもっと上手で正しい乗り換え方法があるのではないかと思い、JR西日本に電話で聞いてみた。

その返事はこうだ。

「米原まで有効な乗車券を提示すれば、その先の切符は東京駅の窓口で購入できます

想定外の返事に腰を抜かしてしまった。「発着駅でもなく、JR東海・JR東日本の区間を含まないものは、東京駅などでは購入できない」と、そう勝手に思い込んでいた。どうせ東京駅へは早めに行くことだし、そこで切符が手配できるならありがたい。

切符さえ先に発券してしまえば、東京駅では回数券を、米原ではそれに加えて米原より先の乗車券と特急券を改札機に突っ込めば良いだけなので、めちゃくちゃ楽である。

疑ってごめんなJR東海。


③チケットレス特急券 + SF残高

[結論:Excellent 最&高]

乗車券類の内訳:
【支給】新幹線回数券(東京〜米原)
【SF残高で支払い】交通系ICカード(米原〜福井)
【e5489で購入】チケットレス指定席特急券(特急しらさぎ 米原〜福井)

さらに調べたところ、JR西日本には「e5489」という、インターネットで切符を予約・購入できるシステムがあり、JR西日本・JR四国・JR九州の特急券の類をチケットレスで購入できるらしい。また、米原〜福井の間は全区間がJR西日本の管轄であるから、越境することもないので、自動改札機のみで交通系ICカードのSF残高が利用できる。したがって、乗車券も購入が不要である。

乗り換え改札ではトラブルが発生しやすいので、東京から乗車した新幹線回数券を使って一回出場する。この時点で有効な物理乗車券は全て手放すことができる。そして、在来線改札に回り、モバイルSuicaの入ったiPhoneをタッチする。

そのまま、ホームでお出迎えしてくれている特急しらさぎ号に優雅に乗り込む。検札があれば、e5489で購入したチケットレス特急券の画面を涼しい顔でスッと提示する。

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チケットレス特急券の検札時提示用画面
(本記事での議論と逆方向のものなのは許してほしい)


乗車してから1時間10分ほど、福井駅に到着し、改札を出るときも、iPhoneを改札機にタッチするだけである。

画像2

福井から米原のモバイルSuica乗車記録
(本記事での議論と逆方向のry)


実にスマートである。しらさぎの切符の煩わしさの影に隠れていた「新幹線回数券を改札機に投入すること」の煩わしさが浮き彫りになってしまう点を除けば、最高にスマートで快適である。

注意点・問題点としては、米原〜福井の特急券は指定席特急券でなければならないことだ。自由席特急券ではこのサービスは利用できない。

ただし、チケットレス特急券は割引が効くので、通常¥1,930の米原〜福井の指定席特急券が、¥1,530で購入できる。紙の自由席特急券が¥1,200なので、+¥330で指定席が利用できる計算である。

時間にもよるが、特急しらさぎの自由席はそれなりに混雑するので、これは大変ありがたい。

ネットで発車時刻の2分前まで購入・変更が可能なので、新幹線に乗ってから落ち着いて購入できるのも嬉しいポイント。(逆に特急しらさぎに先に乗るときは事前に買っておこう。)


結論:紙のチケットは必要ない?そう、iPhoneならね。

別にiPhoneじゃなくてもいいけど。物理/モバイルのいずれかの交通系ICカードと、e5489のチケットレス特急券が表示できる環境があればなんでも良い。

・JR他社の切符でも、発駅まで有効な乗車券があれば、その先の乗車券類を東京駅で購入することができる
・交通系ICカードのSF残高で新幹線から在来線へ乗り換えるには、切符を入れてから交通系ICカードをタッチする(SF残高で支払おうとする区間でエリアまたぎが発生しない場合に限る)
・JR西日本の在来線特急列車の指定席特急券はe5489が便利

東海道新幹線のスマートEXなどを併用すれば、完全チケットレス乗車も可能なはずである。もし機会があれば完全チケットレス乗車にも挑戦してみたいものだ。

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