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人−愛=?

私を大きく揺るがすものの一つがこれ、

"恋愛的感情"である。


 私は、作品と呼べる程の美学がそこにあるかは到底自信は無いが1人の表現者である。偉人が残した作品を演奏という形で伝承するタイプではなく、自分の中で溢れ出す「定まりなきもの」に何らかの美学を構築、投影するタイプのそれだ。

作品を作る中で重要なのは自分の内に秘める感情イメージなわけだが、どうしてそれらが「喜怒哀楽」の4つなのかを疑問に思うのだ。そう、「愛」が何故無いのかと。


 私は自分の心の中に、愛によって生まれたエネルギーがなければひらめかない。つまり、音楽や美術を語るにおいて愛は私の原動力なのだ。皮肉なことに、愛による「幸」だけでなく「不幸」も原動力になるわけだが、では愛が無い私は一体どうなるのか。

自分が女であることにある種の嫌悪感や否定的感情を抱き始める。

 例えば、人の性が男と女の2つの天秤にかけられているとしよう。私は外側も内側も女であるため、女の方の量りに天秤が傾いている状態を想像するであろう。しかし、私にとってその傾きは「動物的で本能的だ」しまいには「非人間的だ」とまで考えが飛躍してしまう時がある。本来ならばこの傾きこそが真の「人間的」であり、生物学的な存在であることを実感させる事象なのにも関わらず、私はそんな自分の一面が受け入れられないのだ。したがって、傾きに気づき始めた私は天秤を水平に保とうと生物学的な性を排除した存在であること(私にとってそれは偶像、本来のアイドル的な意味合いを持つ)を理想する。そしてそこへ向かう。



 愛とは現象なのか感情なのか。
もっと噛み砕くなら形あるものなのか、無いものなのか。



我々を愛と切り離すことができるのか。



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