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日記:新興宗教団体に俺の祈りの儀式を依頼する

はじめに
本記事の真似は推奨していませんが止めもしません。
実行する場合は皆様それぞれ、自身の「ギリギリ」を見極めて引き返してください。
諸事情で一部実際の情報を変えています。
少し長いですが、最後まで読んで頂ければ幸いです。


本編
具体的な団体名は伏せるが、俺は某新興宗教とのコンタクトに成功し、某月某日に俺の祈りの儀式が執り行われる運びとなった。属性でいえば仏教系にスピリチュアルが混ざった感じ。あのゴチャゴチャと横文字が多くて、世界観の設定も色々あって少し面倒くさいタイプだ。地下鉄にサリンばら撒いた宗教団体の関係ではないです。

祈りの料金は6,000円を提示された。「地味に高いな…」と思ったが、神社のお祓いもこれくらい、あるいはそれ以上するし適正価格だろうか。むしろ安く感じる。信者獲得のために最初は敷居を低くしているのかな。逆に「お前は500円!」と言われてもムカつく。所要時間についての情報は無い。30分は欲しいかなあ。

「〇〇へ朝の11時に来てください」と連絡があった。(事前に午前がいいと伝えていた)速攻でgooglemapに記載されていた住所を打ち込み、外観と周辺情報を確認する。

…ゴリゴリの団地(府営住宅)の2階だった。

性質の悪いことに、敷地内に何棟も建っているタイプの団地のため、当該の棟をストリートビューで確認することは出来ない。

開催場所を知って「は?ここで集会してんの???普通にヤバイだろ」と「お、ラッキー!」という二つの感想が同時に浮かんだ。なぜかラッキーかというと、府営住宅に限らず集合住宅であればベランダだけでも当日に様子が確認ができて事前に何かしら情報が得られる可能性があるのと、間取りについても先に把握しておけるからだ。間取りの情報が頭に入っているか否かで緊急時に取れる行動が大きく変わってくる。

また会場は2階だったことも大きい。集合住宅の2階から不通に飛び降りるとケガをするが、一度ベランダでぶら下がって降りる形を取れば、なんとかならなくもない。

実際そういう場面に遭遇すると「なんとか」しないと本当にヤバいのだが、これについては機会があれば書く。

準備を整える。こういう集まりに行くときは財布を持たない方がいい。祈りの料金6,000円は封筒に入れ、予備の現金を幾らか用意して現金だけしか入れていない財布に保管する。それと、ウイスキー(I.W.HARPER)の小瓶180ml、マスク50枚(感染症対策)、カップラーメン1個、本×三冊、スマホの携帯用充電器をリュックに詰める。イヤホンはポケットに突っ込んでおく。身なりについては適当。

最寄り駅に着いた。そこから20分ほど歩けば目的地だ。正直、この時点で心臓は多少バクバクしていた。気になるな~~~俺の後ろを歩いている中年の女。気になるな~~~俺の前を歩いている50代くらいのジジイ。全員祈りの参加者に見える。後ろめたいこと?があったり、統合が失調するとこんな感覚なのだろうか。

団地に到着。いったん団地の敷地内を通り過ぎる。敷地を出たところで、俺はわざとポケットから仕込みのイヤホンを落とした。突然歩くのを止めて、イヤホンを拾う動作をしながらさりげなく後ろを振り返る。誰もいない。さっきの二人は無関係らしい。(全てが敵に見える)イヤホンをゆっくりと拾い、「あれ~おっかしいな~…」な素振りで歩きスマホをしながら当該の建物へ向かう。

やっぱり普通の団地ですわ。え~~と203号室だっけ?ベランダは…一目で特定した。「ヤバい」な。メールボックスも確認して…。

写真は載せられないが、俺が見た中で過去イチでヤバかったことだけは記載する。””これ””と同居してる住民の心広すぎだろと思っている。そのまま普通に2階へ向かう。

ヤバさの総合デパートか???

そもそも集合住宅の玄関の外側(正しい呼称か不明)を装飾するって発想がおかしくないですか?十日戎の飾りをつけるのとはワケが違うだろう。そう思っているのは俺だけ?一軒家の玄関なら分かる。玄関の先は庭で、私的な空間の延長線上だからだ。しかしここは集合住宅だ。玄関の内側は私的な空間だが、外側は公共空間なのだ。

集合住宅の玄関の外側は無意識に「和」を求められ、秩序が形成されるのではないだろうか。秩序と言っても「玄関の外側は控えめに」程度のものだが。

それでも、それにしても…

「ここ」は「全て」が異様だった。

玄関の外側を再確認しよう。…凧?、インド?の神様のステッカー、某政治団体の名刺、ドライフラワー?、おたふくの仮面。極めつけは警察のパトロールカード?
を晒すように重ね貼りしている。ガッツリ警察にマークされてんじゃねーか。やっぱヤバいわこの団体。

持参したウイスキーの小瓶を飲んで、エンジンを掛ける。

おれ「すみませ〜ん。祈りの予約をしていた児玉です!」トントン
おれ「インターホン無いでドア叩いてます!すみませーん!!!」トントン
おれ「すんまっせーん!!!」ドンドン!

玄関を叩いていて感じたことが一つある。この行為は結構勇気がいる。よく漫画とかで借金取りが「金返さんかい!!!」と玄関を叩くどころか蹴り飛ばすシーンがあるが、これはかなり覚悟を決めていないとできない行為だ。完全にこっちアウェーの空間だし。少なくとも二人一組以上の人数か、アルコール摂取した状態でないと無理です。

脱線しました。反応がない。なら、押してダメならなんとやら。

俺は3階に上がり、203号室を見下ろせる位置へ移動した。203号室に誰かが入ろうとしたら、その場で乱入しようとしていた。俺は待った。

待っている間に、もう一つ感じたことがある。団地は生活音がダダ漏れだ。3階の住人が掃除機を掛けているのが玄関越しにもモロでわかる。むしろ掃除機の音しか聞こえない。こういう新しい発見がある度に俺は嬉しくなる。来てよかった。けど、これどうしようかな〜。

老婆「どうしたの?」
おれ「!!!???…あっ!え~…帰省したんすけど~実家の鍵忘れちゃって!今はオカン待ってるんすよ~笑」
老婆「そう~…」
おれ「へへへ!!!すんません!!!」

ビビった。しかし変だ。203号室に誰も来ない。考えられるとすれば、嘘の集合場所だったことだろうか?ただ嘘にしては郵便受けから玄関までぶっ飛びすぎているので考えにくい。分からない。メールを送っても反応が無く、結局待ち合わせ時間の30分を過ぎても進展が無かったので帰った。

その日の夕方、家で酒を飲みながらアニメ(『まちカドまぞく2丁目』2話)を視聴していると新興宗教団体からメールの着信があった。

「児玉様、朝は申し訳ございません。本日、夜の””儀””を始めさせて頂いてよろしいでしょうか?朝と同じ場所へ23時にお越しください。その際にこちらの資料も~」

添付の資料はゴリゴリに怪文書だった。それはともかく、アニメを視聴してキモオタスマイルでいた俺の顔が、一気に真顔になった。

選択肢はもちろん「No」だ。行かない。初対面の人間を夜中23時に招き入れる人(ら)はヤバいに決まっている。もちろん初対面の個人か集団相手に23時に相手のフィールド──今回の場合は団地──へ会いに行く方もヤバいが。勇気ないです。

それに…なぜ朝に指定場所へ俺が行ったことを知っていると匂わせる文章があるのだろう?玄関の覗き穴から俺を見ていたのだろうか。それともあの掃除機の音はカモフラージュで…?。考え直すと、あのイカれた団体の隣で普通の一般市民が住んでいるとは考えにくい。203号室だけが彼らの拠点ではない?

実際に確かめたわけではないので結論は出ません。あくまで仮説です。

俺はここで退くことにした。「ビビってんじゃねーよ」と思われた方はDMください。一緒に23時に突撃しましょう。あるフォロワーさんと遊んだときに「こんなことがあって~…一緒に行きません?」と誘ったら「行くわけねーだろwww」と断られてしまいました。

ちなみに俺は現在、某新興宗教団体から週三で「エネルギー」が「伝達」されている。

一応記載しますが僕のメンタルは平常で正常です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

以上

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