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リードオブジェクト不使用のすゝめ

皆さんこんにちは。
突然ですがリードオブジェクト使ってますか?
リードオブジェクトって不思議なオブジェクトですよね。
Saleforceを触りたてのころ、リードの取引開始?なんで取引先責任者と分かれているんだ?と戸惑ったものです。

リードオブジェクトって何だ

そもそもリードとはなんでしょうか。
Trailheadを眺めてみるとリードについての説明がありました。

リードとは、潜在的な顧客として認識された人や会社です。
Salesforce では、リードに関する情報はリードレコードに保存されます。

リードを使用して潜在的な顧客を追跡する

つまり潜在的な顧客(見込み客)=リード。
そしてSalesforceではこのリードを管理する箱がリードオブジェクトのようです。

リードオブジェクトを使用するメリット

リードオブジェクト不使用をすすめる前にリードオブジェクトを使用するメリットをあげておきます。

Salesforceではリードを使用する前提で機能が開発されています。
そのためリードオブジェクトを使用しないと意味がない機能もあります。

メリット1 Einsteinリードスコアリングが使える

出典:https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sf.einstein_sales_lead_insights.htm&type=5

Einsteinリードスコアリングは、どのリードが取引開始しやすいかをAIが自動でスコアリングしてくれる機能です。インサイドセールスがどのリストにアプローチするかなどの優先順位をつけるのに役立つでしょう。

メリット2 キャンペーンの集計に役立つ

キャンペーンもリードオブジェクトを使用する前提で機能が開発されています。キャンペーンメンバーのうち何人がリードで、何人が取引開始をしたかなどを集計できます。キャンペーンが取引開始にどれだけ貢献したかを集計するのに役立つでしょう。

メリット3 リードの割り当てルールが使える

リードが入ってきたときに誰に割り当てるかを自動で行う機能ですね。
人間が一件一件確認して割り当てる必要がないので便利です。

とまあぼちぼち便利な機能は存在します。

リードオブジェクト使用で起こる問題

じゃあ素直に見込み客の管理にリードオブジェクトを使おう!となるには早計です。
リードオブジェクトを使用することで問題が起こることを、おたくは知っています。これらの問題を知ってから使用するかどうか判断しても遅くはないでしょう。

問題1 一度、リードの取引開始をしてしまうと元には戻れない

例えば、リードの取引開始の条件を商談発生とします。(従って取引先責任者オブジェクトには商談した人しか存在しないことになる)

しかし、商談が実際には行われずにキャンセルとなった場合、もうリードに戻すことはできません。

そうなると取引先責任者オブジェクトには商談した人だけが存在するというルールから外れてしまいます。

問題2 最初にリードに入るため既存顧客を判別できない

すでに取引のある企業が取引先に存在していたとします。

その後、取引先責任者には存在しない同一企業の別の人がリードに入ってきた時、リードと取引先は繋がっていないため、既存顧客かどうかを判別できません。(参照関係項目や検索などで頑張ればできるもののかなり面倒)

これでは誤ったコミュニュケーションをしてしまう可能性がありそうですね。

問題3 複数商材、複数事業所の管理が難しい

リードには商談をしていない企業、取引先(取引先責任者)には商談をした企業を登録するというルールで運用。

一見これで問題ないように思えるのですが、別の事業所の人はどっちに登録するか?別商材ではまだ商談していないぞ?

見込み客として管理したいのでリード?
でもすでに商談済みの取引先だから取引先責任者では?
のような疑問が発生します。

問題4 集計が難しい

上記のように様々な問題がありますが集計もそうですね。
見込み客に対しての活動数をレポートで集計したいと思いリードと関連する活動のレポートを使用。
しかしリードの取引開始をされてしまうと取引先責任者に昇格し該当のレポート上からは消え、見込み客に対しての過去の活動件数を集計できない状況となります。

などなど、リードオブジェクトを使用する問題をあげたらキリがないかもしれません。もちろん運用によってはうまく利用されている企業さんもいることでしょう。

じゃあどうすればいいの?


おたくとしてはリードオブジェクト不使用をすすめます。
リードを使わずに取引先責任者ですべて管理する運用です。

取引先責任者であれば取引先の情報を参照できるので、商談状況や取引先に関連する取引先責任者の数なども綺麗に集計できます。契約情報などもほとんどの企業さんでは取引先に関連するように設計しているのではないでしょうか。

ちなみにパスも取引先責任者に設定することができますよ。

取引開始の課題

リードオブジェクトを使用しないとして、どのように取引先責任者に集約していけばいいのか。いくつか選択肢の候補をあげておきます。

選択肢1 リードに入ったものをすべて手動で取引開始

リードを使わないといっても仕様上Web-to-リードなど、必ず一度はリードに入ってきます。そのため一度入ってきたリードをすべて確認し手動で取引開始してしまう運用です。

人間が目視で確認するので不要なリードであれば取引開始せずにそのまま残してしまってもいいかもしれませんね。

選択肢2 Pardotのリバース同期で直接取引先責任者に

Pardotの機能にリバース同期があります。
これはPardotとSalesforceの同期時にリードではなく取引先責任者を作成するといった機能です。(有効化はサポートに連絡)

取引先責任者を作成するときに、取引先項目がNullで入ってくるので手動で入れるか、法人番号、メールドメイン一致を条件に自動化を組むことを推奨です。

選択肢3 サードパーティツールで自動取引開始

サードパーティツールで自動取引開始できるものがあります。
おたくが開発しているEasy Convertもその一つですが、FORCASさんの機能の一部にもあります。

最後に

おたくのスタンスとしては、リードオブジェクト不使用をすすめます。
しかし企業さんによっては既存の運用を変更できないなど、それぞれ課題があるかと思います。

ただこれからSalesforce運用するよ、という企業さんはこういった問題、運用方法があることを認識しておいた方がいいのではないでしょうか!

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→ Salesforceおたく




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