青柳 花音

書き溜め

青柳 花音

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マガジン

  • 現文自主課題。

    創作物への感想文

  • 指でなぞる日常。

    エッセイというか心象メモというか日々。

  • 色とりどりなことばの雫。

    ことばのリズムとか質感とかで紡いだ詩。

  • 嘘を捏ねてできた物語。

    嘘は希望に満ちている。嘘を切り貼りしたり捏ねたりして作った物語。

最近の記事

【感想文】「月と猫のダンス」

声が綺麗って才能だな、とsuisさんの歌声を聴きながら思った。 最初に言及しておきますがこれはヨルシカのライブに行って「ひぇ〜〜、なんちゅうライブや、よすぎ」となった気持ちを書き綴ったものなのでセトリが詳しく書かれているわけでも演出や歌詞の考察が書かれているわけでもないです。ライブの解像度はあまり高くないですが「良!!!!」と思った気持ちと、そこから自分を省みて感じたことを書いています。(ちなみに2023年の「月と猫のダンス」については何も知らないまま追加公演に臨みました)

    • 白木蓮を心に咲かす

      白木蓮が咲いていた。 いつも電車に揺られて出勤しているのだがその時間のほとんどを寝て過ごしている。その日はたまたま眠気に襲われなかったので音楽も聞かずぼんやりと車窓から見える景色を眺めていたときに、白木蓮が目に映った。真っ白な花は早朝の曇天の世界に一筋の煌めきよろしく凛と咲いていて、思わず目を見開いた。 後から調べたら白木蓮の花言葉は「気高さ」らしい。桜より冷たく、孤高な印象を与える白木蓮にぴったりな花言葉だと思った。 明日から新年度が始まる。今年度の日記を見直すと下半期は

      • くたばっていてもいずれ

        いま私はベッドの上でくたばっている。あたまの中でやりたいことがどんどん溢れてきているのに動けずに横たわっている。くるしい。 新しい職場で働き出したのが去年。1年間働ききれて正直驚いている。同時に安堵も大きくあって、大きな迷惑をかけずに働けてよかったと思っている。 日常に忙殺されている間に文章を書く習慣が途切れた。それは私にとって深く考えることをやめたことと同義である。1年前にできていた、こころの深いところで自分自身と対話することができなくなっている。感情の因数分解が苦手に

        • 教育の行方

          図書室で『ケーキの切れない非行少年たち』を借りた数日後、高校生が某チェーン店での迷惑行為を行っている動画がSNSで拡散され、炎上する事件が起こった。その後彼は高校を自主退学したそうだ。 これから巨額な賠償金が請求されることだろうことは明白である。 彼の行動はもちろん迷惑行為以外の何物でもないのだが、教育に携わる立場の私にはとても心の痛い出来事だった。 この一連の流れにもう高校生なのだから自業自得というような声が多く散見されたがそんな簡単な言葉で片付けていい問題だとはどうにも

        【感想文】「月と猫のダンス」

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        • 現文自主課題。
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          18本
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          8本

        記事

          睦月の独り言

          新しい職場に勤めだして約1ヶ月が過ぎようとしている。不眠症が再発してること以外は概ね良好な状態である。ただこの不眠症が厄介で、眠れないだけで情緒がだめになる時があり、訳もわからなくつらくなったり泣いたりしている。 不眠症が続けば生命予後にも影響を与えることもあると最近知ったが、そらそうやと思った。こんな状態、体に負担がかからないわけない。だからどうにかはやく治らないかな、と思っている。ただ原因がはっきりしないので原因を取り除くのは時間がかかりそうというのもうっすら感じている。

          睦月の独り言

          昨年の振り返りと2023年

          2022年は休養に徹した一年だった。何もしないことに罪悪感を覚えないように意識しながら過ごした。眠いときには寝て、眠れないときや何かしたくとも体が動かないときはすこし泣いて、動くことを諦めた。それまで諦めという言葉にはかなりネガティブなイメージを抱いていたのだけれど、カウンセラーの先生に「何もしない時間のことを無為と呼んでしまうの?」と訊ねられたときから諦めへの印象は徐々に変化していったように思う。 目標を持たずに生きることが怖かった、休みの日も自分を律して過ごしたかった、そ

          昨年の振り返りと2023年

          【感想文】『ドライブ・マイ・カー』

          というツイート見かけて、めちゃくちゃわかる、と思った。 私はハルキストなのだろうか。わからない。私が村上春樹を読み出したのはここ一、二年で、彼の作品の全てを読んだわけではない。ただ、人に勧めてもらった何作品かを手にとってみて、彼の書こうとしているものにとても惹かれた。だから彼の女性の描き方より(そこに問題があることには強く同意する)その向こうにあるものが読みたくてページをめくっている。 『ドライブ・マイ・カー』の原作である『女のいない男たち』も友人に勧められて読了したとこ

          【感想文】『ドライブ・マイ・カー』

          【感想文】『同志少女よ、敵を撃て』

          戦争をテーマにした作品はその陰惨さゆえに中々手を伸ばせない。『同志少女よ、敵を撃て』が独ソ戦争の女性狙撃兵を主人公にしていることは読み始める前から知っていたので、評判の良さから読みたいと思いつつ、気が重くて読み始めるまでにかなり時間がかかってしまった。最初、数ページを読んで思ったのは「三人称の小説でよかった」ということだった。一人称小説より心の摩耗量が抑えられるという目算からの感想だった。しかし、その最初の安堵はページをめくるにつれて覆されることになる。 そこに描かれていた

          【感想文】『同志少女よ、敵を撃て』

          汚ねえ足と明日のこと

          わたしの様子がおかしいとカウンセラーの先生から連絡がきて青ざめた顔の両親が郷里から駆けつけたのが先週。 ずっと最悪だった、苦しかった、泣きたかった、許されたかった。何もかもがぐちゃぐちゃでかなしくて歯を食いしばりながら傷だらけの足を睨みつけた。 なにがトリガーになったわけじゃない、ジワジワ追い詰められていたものがもう無理だって、助けてくれってこころを千切ろうと突然暴れだした。気分の波が激しく唸り酔って気分が悪かった。まなこに写る世界では眩い太陽に向かって植物は両の手を広げ

          汚ねえ足と明日のこと

          支離滅裂な?

          かなりしんどい、助けてほしいと思う。だけど自分しか自分のことを助けられないとも思う。 気持ちがかなり落ち込んでいる。体調が良くないのも関係しているのだろう。目を閉じて横たわる時間が長い。考えることもうまくできてない感覚がある。 でもどうせ、と思っている。どうせ、これは私の甘えなのでしょう。そんなことないよと言ってほしいわけじゃない、私が現実をそう認識しているという話。 大丈夫、大丈夫、深く考えない、他人の言葉に振り回されない、これは私に向けて発せられてない、気楽に過ごそう、

          支離滅裂な?

          日々の証

          書きたい気持ちが溢れ出て止まらないけれどそれと同じくらい本も読みたくてアニメも映画も観たくて音楽にも触れたくて、時間が間に合っていない。 色んな作品をめちゃくちゃに摂取して自分も書きたいという気持ちが爆発して、感情がめちゃくちゃになっている。本当にめちゃくちゃなので結果うまく書けない。感情の糸が絡まっているというより様々な色の絵の具を塗り重ねて真っ黒になっているという状況に近い。 混沌としたこころの中で色んなものをこぼさないよう涙ぐみながら生きている。 感情が制御できないと

          寝苦しい夜

          子どもの頃思い描いていた大人にはなれませんでした、これからもなれないと思います 必死に抱きしめた人は砂のように零れていなくなる あたしが抱きしめなきゃいけないのはあたしでした 太陽のあまりの明るさに目が潰れそうになる その光とともに嬉しそうにピカピカ輝いている向日葵とか稲とか見てると腹が立って仕方なくなる、あたしだって笑いたい、幸せを知りたい 自分を抱きしめる方法がわからなくてここまできてしまいました、でも誰のせいでもないのだ、これはあたしの問題なのだ 装飾的な感受性を殴

          寝苦しい夜

          奈良の曽爾高原

          奈良の曽爾高原

          10日も連続投稿してるらしい

          ゆるーく、添削もしない文章をnoteに載せていたら10日連続投稿していた。連続投稿は3日が最長だったので記録更新である。うれしい…?まあ、複雑だ。毎日頑張っていて記録更新したらまだしも力の抜けた文章ばかり載せていたのだからうれしー!とはならない。 それはそうとして最近noteのタイムラインがあまり動かなくなったように思う。私はフォローしている人数が少ないし有料の定期購読もしていないということもあるのだろうがcakesのサービス終了も関係しているのだろう。 cakesのサービ

          10日も連続投稿してるらしい

          抱きしめて、愛

          誰かのいちばんになりたい、唯一無二になりたいのに「誰か」という言葉を使ってる ずっとずっと愛で悩んでる 理想を嘯くこころと本音を叫ぶ頭が体を分裂させた あたしの愛と君の愛は違うこと、エゴと愛は違うこと、わかってる知ってる理解してる 届かない星の光に手を伸ばすように光を反射して揺蕩うほこりを握りつぶすようにあたしはこころの奥底で喚いている何かを無視しつづけている 愛のことがわからない、わからないというより実感が伴わない、ずっとずっと悩んでる、愛し愛されたいことがこんなに難し

          抱きしめて、愛

          【感想文】『約束された場所で under ground 2』

          好きな考え方や印象に残った文章、心に響いた短歌なんかを自由に書き留めるノートがある。村上春樹『約束された場所に』を読み終えるころ、そこにはかなりの言葉が書き写されていた。 衝撃的な作品だった。読み進めるのが息苦しく感じるほど。 オウム真理教事件について私は恥ずかしいほど無知で、オウムがどこの宗教の流れを汲むものなのか、麻原彰晃が何を目的として活動していたか、なぜ地下鉄にサリンをまいたのかについてほとんど知らなかった。今もまだわからないところがある。 元/現信者へのインタビ

          【感想文】『約束された場所で under ground 2』