お気に入りの腕時計が止まったら
学生時代に、バイト代を貯めて35000円の腕時計を買った。お金に全く余裕はなかったが、一眼見た瞬間に買わなくてはならないような気がして、分割3回払いで購入した。
ピンクゴールドのボディで、文字盤の位置に小さなスワロフスキーが埋め込んであり、今まで使っていたカラフルな安物とは全く異なる重厚感に、着けるたび大人になったような気分になった。いつかこの腕時計に似合う女性になれるようにと、服装やメイクを意識的に変えていったのを覚えている。就職面接や人生の大事な局面に必ず着けて行き、ま