HY『366日』を聴いて、思ったこと。
4月8日にスタートしたドラマ『366日』をきっかけに、久しぶりにHYの名曲を聴いてみた。
誰もが一度は耳にしたことがあるフレーズ。しかし、それでもいいと思えるほどの恋をした経験がある人って、どれくらいいるのだろう。
少なくとも、わたしにはない。
学生時代は、「彼がすべて!」というくらいに恋愛にのめり込んだこともあるし、「この人以外、愛することなんてできない」と思う相手に出会ったこともある。
でも、会うことを拒まれて「それでもいい」とは思えない。わたしは、「それならいい」となってしまう。
ああ、この人はわたしのこと大事にしてくれないなぁと察知した瞬間に、せっせと作り上げてきた砂のお城が、ずるずると雪崩ていってしまうのだ。
大学生のころに付き合っていた社会人の彼氏に、「いま、自分のことでいっぱいいっぱいだ」と言われたことがある。何かを相談しても、面倒くさそうな顔をされて、連絡の頻度も減っていった。
自分も働くようになったいまなら、社会に出たばかりはいろいろ大変だもんねと理解をしてあげることもできるが、学生だったわたしは信じられなかった。
その瞬間に、120だった彼への気持ちが一気に0になってしまったのを覚えている。
「もう、本当に好きの気持ちがまったくなくなっちゃったんだよね」と言ったとき、わたしが彼に依存気味になっているのを知っていた友人は、「強がっちゃって〜」と思っていたはず。
わたしも、そう思われるんだろうなと思いながら、「不思議だよね。本当に0になっちゃったの」なんて話していたんだけれど、あの感覚は不思議と今でも忘れられない。固まっていた砂がサラサラと溶けていく感じ。
「それだったらいいや」とすぐに引けることができるのは、恋愛における長所とも言えるのかもしれない。
でも、たまにしか会えなくても、口約束ばかりでも、「それでもいい」と思えるくらい、相手にすべてを捧げられる人が眩しいなぁと思うこともある。