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文章が書けなくなった

文章が、書けなくなった。
ふとした瞬間に言葉が溢れて止まらない。そんな感覚が、少しずつ薄れている。今では言葉がふと浮かんでくるといったことも少なくなった。

前ほど本を読まなくなったからだろうか。生活する中で私を追い立てるものが多くなったからだろうか。
想像力に貧しくなっている、そんな気がする。

寝る前に薄暗い部屋でノートを開く。ペンを持てば、自然と言葉がノートに落ちていく。そんな感覚に満ちていた数年前。その時と今で、いったい何が変わってしまったというのか。

あるアーティストが言っていたこと。「他にコミュニケーションを取る方法を知らないから、私は音楽を作る。」音楽を作ることが、その人にとってのコミュニケーションなのだ、と。

私も同じ気持ちだった。
分からない、周りの気持ちが、何よりも自分の気持ちが。だから思ったことをありのままに自分のノートに書き連ねる。支離滅裂であろうと、どれだけネガティブであろうと、私のノートは自分の言葉で溢れていた。切実だった。

感情が溢れて前後も左右も無くなってしまった時、訳もわからずに溢れる言葉を紙に落としていく。そうすることで、自分の悩みやわだかまりが少しずつ解けていくような感覚があった。

書くことは、私にとっての救いのはずだった。
他に、救いの手立てが見つかった、ということなのかだろうか。それならばそれで、いいのかもしれない。

分からない。分からない。
分からなくても、いいのだけれど。


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