院試体験記(2)

続きです

前回の続きです。
ここでは、学部生としての生活院勉願書提出について書こうと思います。

学部生としての生活

分野変えをするにあたって一番大変なのが、おそらく受験科目の勉強です。受験科目は、自分が学部生で勉強した科目と違うことが多いです。

私は物理学科ですので、学部での勉強は主に数学と物理学しかやっていないわけであります。しかし、幸いにも、私の受験科目は過去に基礎科目として受講したことのある科目でしたので、対策はそんなに難しくありませんでした(具体的には、線形代数学、解析学、複素関数論、確率統計学でした)。

とはいえ、ほとんど授業に出ていない科目もありましたので、昔買った教科書を引っ張り出してきて、勉強を改めて始めました。大体勉強を始めたのが、試験3~4ヶ月前で、ちょうど新学期が始まるときでしたので、あまり多くの時間を割くことはできませんでした。しかし、私はどうしても時間を作りたかったので、次のような手段を取りました

まず、4年生の研究室配属で一番楽だと思う(時間の拘束がほとんどない)研究室に所属しました。物理学科には大きく分けて、理論系と実験系があるわけですが、時間拘束がほとんどなく(週2回の2~3時間のセミナーだけ)卒論も卒研もない、理論系に進みました。勉強自体の難易度は高いため、苦労しますが、手を抜けば時間が相当練成されるのでお勧めです(先生方、悪い子で大変申し訳ありません)。

次に、上と同じような感じですが、授業をひとつも取りませんでした。3年生までに卒業単位を取得しておくと、4年で時間が作れるので大変お勧めです(これはガチ)。

このようにして、学生としての最低限度の生活を営みながらも、勉強のために十分な時間を生成することに成功しました。

院試勉強について

さてここからは具体的な勉強についてのお話ですが、私は受験のプロではありませんので、自分のやったことをまとめる程度に書きますが、読み飛ばしていただいてかまいません。

まず、私の受験科目と配点割合を書いておくと(あまり具体的に書くと特定されそうなので控えめに書きます)、基礎数学(線形、解析)が1/5、専門(複素関数、確率統計)が2/5、英語が1/5、面接が1/5くらいでした。

私の基本的な勉強方針は基礎事項はある程度満遍なく勉強する、得点率の高そうな科目から取り組むということなので、とりあえず過去問を見ながらどんな問題が出るのかをリストアップしていきました。この際、当然未知の単語と出会うことがありますが、無視してやっていきます。すると、出題傾向が目に見えてくるので、こうしたら手元にある教科書をざっと読みます(教科書を持っていなかったら買いに行きます)(普通の大学院試験の1科目であれば、おそらく普通のレベルの本1冊あれば網羅できると思います、しらんけど)。こうして、大まかにどこまで深い内容が出るのかを把握し、時間がかかりそうなものからはじめます。私の場合、確率統計がやばそうだったので、これを一からはじめました。

基礎事項の勉強が終わったら、次は問題集に取り掛かりました。私が使用した問題集は演習大学院入試問題[数学]Ⅰ、Ⅱです(例の黄色いやつです)。この二冊で基礎数学、専門科目はほとんど網羅されていたので良かったのですが、何しろ誤植が多すぎる(約1誤植/問題、問題と解答が一致しないものもある)ので、皆さんも手を出す際は気をつけて下さい。

問題集が終わったら、過去問を解き始めました。過去問の入手方法は各研究科、専攻によって異なりますが、HPにあがっている場合と郵送とかで取り寄せる場合があるようです。私の場合前者でしたので約10年分をコピーして解きました。

少し失敗談を書いておくと、私は過去問を解く順番を間違えてしまいました。とりあえずある分だけやろうと考えて私は最古の過去問から手をつけ始めました。しかし、やっとのことでたどり着いた3年前のものから出題傾向と難易度が随分変わっていることに気づきました。問われている内容も(とても大きく変わったわけではありませんが)より高度な内容になっており、驚かされました。やはり、過去問は近い数年分をとりあえずやってみて、そこから昔にさかのぼっていくというのがいいみたいですね。

こんな感じで、教科書、問題集、過去問が大体終わったのが、院試2週間前だった気がします(正確には覚えていません)。この後は、教科書をもう一度読み直しました。意外と定義とか同値関係とか、定理の証明方法とを頭に入れておくといいと思います。

最後に英語の話をしておきます。

結論から言うと、英語はノー勉で突っ込みました。というのも、例年の入試ではTOEFLを使うのですが、今年は新型コロナの影響でTOEFLを無理に受験する必要がなくなり、その代わり特別に大学が作成した試験を受けることになったのです。そのため、この世に過去問というものが存在せず、対策のしようがありませんでした。その結果、試験は散々なものになってしまいました。皆さんはしっかり勉強してくださいね()

願書提出

願書の提出は大体院試1ヶ月強前に行います。基本的にはフォーマットにしたがって書くだけですが、特筆事項は志望理由書でしょう。

志望理由書はその名のとおり、志望理由学部生のときの専攻、また大学院でやりたいことなどを書きます。分量や形態はその選考によってまちまちですが、私の場合はA4用紙、2枚という指定がありました。

やはりここで大事なのは、身近で自分のことを知ってくれている先生に依頼して添削してもらうことです。私も、もちろんある程度しっかり書きましたが、研究費を取ったりいろいろな論文を執筆しておられる先生方とは経験値が段違いなので、そのような先生を頼らない手はないと思います(断られることもあるかもしれませんが、学生のことを良く考えてくれている先生なら、あまり断らないでしょう)。

あとは、あまり文字を小さくしすぎないことです。よく言われることですが、読まれる先生方が老眼である可能性があるので、誰でも読めるような大きさで書きましょう。

次回に続く

以上で院試の勉強や学生生活については終わりですが、最後に面接の話とかを少しまとめたいと思いますので、次回に続きます。

つづく

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