中国大陸7都市ツアー記8
【2023.7.25 重慶ー成都】(けっこうなハプニング回)
重慶 沙坪垻駅から成都東駅まで
新幹線で一時間。
成都は都会的で、落ち着きも感じる街。
宽窄巷子
自由時間ということで、ひとりで適当にずんずん歩いていたら"宽窄巷子"という、古い建物が並ぶ横町的なところに入り込んだ。
観光地っぽくにぎわっているその横町をたのしく探検する。
日本でいうと、京都みたいな感じなのかな。
建物もひとつひとつ、趣きがある。
楽しくてつい歩きすぎて、
とても暑いし、帰りに同じ距離を歩くのはもうしんどいな、という感じになってきた。
そこいらにたくさん駐まっている"レンタル自転車"を使ってみたい。
そうおもってなんどかアプリを入れてみようとするけれど、路上ではなんだかうまくいかない。
あきらめて、ちょうどお客さんを降ろしたばかりのタクシーに乗り込んだ。
運転手さんに、ホテルの住所をスマホで見せる。
わたしはもう、中国の街でひとりでタクシーに乗れるよ。(スマホがあれば)
ホテルに戻って、さっきうまくいかなかった"レンタル自転車"のアプリをもう一度入れてみる。こんどはうまくいった。(これがのちにわたしを助けることになる)
成都で夕ご飯
夜はゆう子さんと、なにか食べよう、とふたりで街に出た。
しばらく歩いて、ゆう子さんが目星をつけていたお店に行くことに。
人気店のようで、外で待っている人たちがたくさんいる。
整理番号のレシートを渡される。
お店の前で順番を待つけれど、店員さんが呼ぶその番号がなんて言っているか分からない。
店員さんが「!!!!」と番号を呼ぶたびにわたしたちはレシートをみせて、「これか??」と確かめる。
店員さんは違う…と首を振る。
それをなんどか繰り返し、20〜30分くらい待ってわたしたちの番が来たときには、店員さんは直接わたしたちにあななたちの番だ、と教えてくれた。(毎回聞くのでわたしたちの番号を覚えてしまったのだろう)
そうしてやっとテーブルについて、
QRコードでメニューを読み取るところから苦戦する(中国の飲食店はかなりこのスタイルだ)。
スマホを2台駆使してメニューの意味を読み取りつつ、
日本が好きです、と親切に話しかけてくれるやさしい店員さんの助けを借りたりして、なんとか注文成功。(ものすごく時間がかかった)
翻訳機能を使っていろいろ面倒をみてくれる。
そして、外は急に土砂降りだ。(外での順番待ちのときだったら相当ひるんだであろう雨の量)
雨に降られなくて良かったね、と言いながら、
いろいろ充分に美味しく食べて、
21時の閉店までゆっくりして、お店をあとにした。
小心地滑
さっきまでざんざんに降っていた雨はほとんど小降りになっている。よかった。
ホテルまでの夜道をゆう子さんと歩く。
その途中。
わたしは雨上がりのそのツルツルの成都の広い歩道で、
つるんと滑ってみごとに転んでしまった(マンガみたいな転びっぷりだったとおもう)。
つるん!ダン!
尾てい骨を強く打って、
わたしはその転んだままの体勢でしばらく動けなくなってしまった。
ゆう子さんはとても動揺している。
ゆう子さん曰く、隣りを歩いていたわたしが“急に視界からいなくなった“らしい。
わたしは「わー!」とかの声も発さずに、静かに滑って転んで、
そして成都の歩道でまっすぐな仰向け状態で、小降りの雨を顔に受けながら夜空を見上げていた。
(これまでにこの街の路上でこんなにしばらく仰向けに横たわった日本人がいたことがあるだろうか)
ゆう子さんを心配させたくはないけれど、
腰を強く打ったので、すぐには動けない。
「ちょっと待ってね。」
と、仰向けでじっとしながら、これで持ち前のギックリ腰を誘発してしまっていたらこの後のツアーどうしよう、ヤバイなあ、なんて考えていた。
この旅で、中国のホテルのバスルームや駅のトイレなどでよく目にしていた"小心地滑"のプレートが今よみがえる。
滑るから気をつけて。
これは今のこのわたしへのメッセージだったのだろうか。
ともかく数分じっとしてから、おそるおそる起き上がった。
腰はとても痛いけれど、動かないわけにはいかない(ずっと道に寝ているにも限度がある)。
たぶん、ホテルまではたぶん普通に歩けばあと7〜8分くらい。このビリビリ痛い腰の調子だと、ゆっくり歩いて10分強くらいだろう。
腰をいたわりつつ、じわじわと歩きはじめた。
そうしてよろよろと歩きながら、とても重大な忘れ物に気づいてしまった。
さっきのお店に、パスポートとクレジットカードが入ったポシェットを忘れてきてしまったのだ。(スマホと手拭いだけが入っている肩掛け袋を別に持っていたので、その重大な忘れ物にしばらく気づかなかった)
これは、まあまあヤバい。
でも、腰が痛くて、走ったり早く歩いたりするのは完全に無理だ。
ゆっくり歩いてお店に戻ると15分以上はかかりそう。
そんなときに、目の前のレンタル自転車が目に止まった。
これや…
さっきホテルでアプリ取得に成功したレンタル自転車を今、使うときや!!
そして自転車のロック解除に成功。
せっかくなのでゆう子さんにその姿を記録してもらって、
わたしはひとり急いでお店に向かった。
テーブルの下の椅子に置いたわたしのポシェットは、まだそのまま誰にも気づかれずに、そこにあった。
そそくさとそれを取って、閉店後にのんびりしているお店の人たちに苦笑いをみせて、お店を出た。(みんな、?顔だった)
さっき契約したばかりのレンタル自転車アプリが、めちゃめちゃ役に立った。
腰を強く打ったあとでは、“急いで歩く“とか完全に無理だった。
そしてホテルに戻ってひと息ついて、ゆう子さんに無事戻ったことを報告。
レンタル自転車代は、借りた時間が短すぎて、0元だった。(ラッキー)
なかなかにやらかしてしまったけれど、
最終的にはなんとかうまくまとまった成都の夜だった。
p.s.のちに、エネルギーが分かる友人から聞いた話では、尻餅とか転ぶとかは、その土地のエネルギーとのチューニングだったり、強制的な調整の意味もあったりするらしい。(分かる気がする。)
*
この日の移動距離
重慶ー成都 約300㎞
成都東駅ーホテル 約12㎞
計312㎞
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