【臆病を叱ってくれ】

言いたいことをズバズバ言える人が羨ましい。嫌味とかではなく、今の時代自分の意見に自信を持って発言できることの勇敢さに憧れる。

コンプライアンスの厳重化により、父性愛のような叱責は確実に減少している。生徒に嫌われている先生というのは、凡そ生徒を叱る。私は大学に入って「もうそんな講師は見られない」と思った。学生は皆成人しているのだから。

しかし、いたのだ。学生にわざと嫌われにいっている講師が。もちろん、その講師は多数の学生に嫌われるようになった。テストの採点も厳しく、たとえその問題の答えが合っていたとしても、語句の言い回しが少しズレているだけで減点をくらうこともあった。

私はそんな講師を密かに尊敬していた。ただ叱責しているだけではないと、肌で感じとった。私が通っている大学の講師は正直に言って甘い。甘いからこそ、自分で自分を分析し、物事の判断能力を自身で身につけなければならない。そのような自己管理が不得手な人は、どんどん自分に甘くなる。私である。

だから、叱ってくれる講師は、私にとって有益であると感じている。といっても、私は叱責されるのを恐れて学校ではダンマリ平凡生になっているため、怒られることがない。本当に臆病だ。

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