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【花様年華BU】7人があかした学生時代のエピソード Pt.2 【BTS Universe Story編】

本編にはさほど食い込んでないけど彼らが劇中であかした学生時代の珠玉のエピソード、第2弾!

前回は花様年華THE NOTES1と2の小説版からまとめましたが


今回はゲーム版であるBTS Universe Storyからお届けします。

とはいってもご承知おきの通り、ローンチから約3年たった9月22日12時にこのゲームはひっそりとサ終を迎えました。

現時点でBUクレジットがついた最後のコンテンツでした。
タイトルは【花樣年華 <I'M FINE> 一緒にいられて幸せだった僕たちの時間

ゲーム版は小説版よりも詳細な情景描写が多く、学生時代にソクジンが撮った写真や動画を実際に見るシーンもあり、物語の解像度がかなり上がりました。
あとソクジンの一人称がゲーム版だけ俺だったな〜。

公式サイトも閉じてしまったので、いまかろうじて見られるのはXとインスタのみ。
かなしい。

しかしこのままかなしみに暮れているわけにはいきません。BUオタクとしてここに珠玉のエピソードを残そうと思います。

目次を見るとユンギが多く感じると思いますが、これは物語のなかでソクジンがユンギのことを知るために学生時代に撮った動画を見るシーンが多いからです。どんだけ記憶に残ってないんだよ。


今回も花様年華やったことないひとはなんのことかわからない内容かもしれません。申し訳ございません。

心よりお詫び申し上げます



ナムジュンをからかうソクジン

プレハブ教室には誰もいなかった。
待ち合わせしていたわけではなかったが、いつもここに集まって騒いでいた。
こんな日は珍しかった。
誰もいないかと思いきや、よく見るとナムジュンが隅の方に座っていた。

ソクジン「ナムジュン?」
よほど本に集中しているのか、呼んでも返答はなかった。
ソクジン「ナムジュン、何を読んでるんだ?」
ナムジュン「..あれ?兄さんいつからいたんですか?」
俺が近付くと、ようやく存在に気付いたナムジュンが口を開いた。

ソクジン「邪魔しちゃったか?」
ナムジュン「いえ、そんなことありません」
ナムジュン「兄さん、ここにどうぞ」
ナムジュンは机の上に積み上げていた厚い本を片付けた。
ソクジン「何だその分厚い本?大百科事典か?」
ナムジュン「そんなに分厚くないですよ」
ナムジュンが手に持っていたのはいかにも難解そうなタイトルの本だった。
ソクジン「体調悪いのか?」
ナムジュン「...え?」
ソクジン「どこが悪かったらこんな本を読みたくなるのかなって」
俺はナムジュンの額に手を当てる真似をした。
ソクジン「まともな状態で読むような本じゃないと思って...」
俺の冗談を聞いたナムジュンが大きく笑い出した。
ナムジュンの機嫌がよくなったようなので、俺は以前から気になっていたことを尋ねてみた。
ソクジン「ナムジュン、前から気になってたんだけど...。どうしてそんなに必死になって読んでるんだ?」
ナムジュン「どうして本を読むのかってことですか?はは、どうでしょう..」
ソクジン「ただ勉強のために 読んでるわけじゃなさそうだし...何か理由があるんじゃないかって思ってな」
ナムジュンは突然の質問に困惑しているようだった。
俺は答えを聞くためにじっと待った。
ソクジン「何ていうか、心の糧?人生の友?」

やがて、ナムジュンが考えをまとめたのか微笑みながら口を開いた。
ナムジュン「本を読む理由は...ただ読みたいからです。読書って楽しいじゃないですか。余計な考えがどこかに吹き飛んでいくし」
ナムジュンが分厚い哲学書を撫でながら言った。
ナムジュン「集中している間は他のことを考えなくていいし。本を読んでいると癒されるんです」

予想外の答えを聞いて、俺はただ頷くことしかできなかった。
ソクジン「..そうなんだな。俺も読んでみたいからどれか貸してくれないか?」
その時ナムジュンが何て返答したかは思い出せないけど、どうしてその出来事を今まで忘れてたんだろう。

手を差し伸べる方法  5.耐える方法

良質なナムジンエピソードだ!ソクジンもこのころは冗談言って楽しそうにしてて安心した。でも校長のスパイやってるだけあって、ひとの顔色伺うとこあるよね…(闇)。
あと実際はナムジュナって呼んでるはず。

ゲーム内の選択肢は『からかう』か『褒める』かの二択でした。
上記はからかうver、褒めるverはこちら。

ソクジン「どんな内容なんだ?ツァラトゥストラ?誰だ...?」
ナムジュン「まだ読んでる途中です」
ソクジン「俺は1ページ読んだだけで眠くなりそうだ...さすがナムジュン。できる男は違うな!」
ナムジュン「からかわないでくださいよ」

手を差し伸べる方法  5.耐える方法

『褒める』を選択しても「からかわないでくださいよ」て言われちゃうの、なんやかんやナムジン尊い。


語尾がピザ

校内で時々見かけたジョングクは同級生と馴染めずに1人だったりどこか元気がない様子だった。ところが...
テヒョン「ジョングク、今日ソクジン兄さんがおいしいものおごってくれるって!」
ホソク「何食べたい? とんかつとかどう?」
テヒョン「何でとんかつなんですか。ジャージャー麺にしましょうよ。ジョングク、お前もジャージャー麵だよな?」
ジョングク「えっと...僕は...とんかつ...ピザかジャージャー麵ピザで」
ホソク「とんかつだと思って期待したのに!」
テヒョン「ジョングク...結局ピザがいいってことだな」
ソクジン「ピザにしよう」
俺たちといる時はふざけることもあったしよく馴染んでいた。

境界上の少年  1.出会い

語尾にピザつけちゃうほどピザが食べたいジョングクかわいい〜!
やっぱりソクジンから見てもジョングクはひとりで元気ない印象だったんだ。
あとフツウにサラッと読めちゃうけど、兄さんたちがごはん誘ってくれて、さらに食べたいものをきいてくれて、ジョングクはすごいうれしかっただろうな。


7人の出会い

19年3月3日
ソンジュチェイル高等学校始業式

生活指導の教師「お前ら!初日から遅刻か!?」
ジョングク「...」
生活指導の教師「しっかりしろよ!」
ユンギ「...」
生活指導の教師「それにあいつは何だ? 早く来い!俺に捕まったのが運の尽きだな。今月はずっと校内のボランティア活動を......あれ?キム・ソクジン?」
ソクジン「はい」
生活指導の教師「お前...。初日だから今回は大目に見てやる!授業が終わったらまたここに集合だ。別館の掃除をしてもらう。綺麗にできれば今日で終わりだが、できなかったら罰を追加する。分かったな!?」
生徒たち「はい...」
生活指導の教師「それからお前。ミン・ユンギ。お前はちゃんとした学校生活を送れ」

テヒョン「ふう...あやうく1ヵ月やらされるところだった」
ホソク「たかが1回遅刻しただけで校内のボランティア活動までさせるなんてひどいよな。この学校は厳しすぎる!」

境界上の少年  1.出会い

これが7人の出会い、マンガ版にも同様のシーンが出てくるけど、始業式のここまで詳細なエピソードは初登場。

ピンポイントでユンギを注意する教師はやっぱり不気味。

始業式の日に遅刻した罰として俺たちは校内のボランティア活動をしていた。
ありったけの力を込めてモップをかけていたホソクが突然座り込んでつらそうな声を上げた。
ホソク「うう...腰が...これくらいでいいんじゃないかな?」
テヒョン「友達が言ってたんですけど、あの先生ってすごく細かいらしいですよ。手袋して窓枠まで指でなぞってチェックするんですって」
ホソク「ええ...想像以上だね」
ナムジュン「一度で終わるように頑張りましょう」
ジョングク「...別に一度で終わらなくてもいいけど」
テヒョン「え、お前って掃除好きだったっけ?」
ジョングク「いや、そうじゃなくて...」

テヒョンの言葉にユンギが笑い、ホソクも笑みを浮かべながらいたずらっぽく言った。
ホソク「兄さんたちと一緒にいると楽しいだろ?」
その日以降、俺たちは約束でもしているかのように時間ができればその教室に集まった。

ある者はダンスを踊り、またある者はピアノを弾き、俺たちはそれぞれしたいことをしながら共に時間を過ごした。
ジミン「ホソク兄さん!すっごくダンスうまいですね!」
ジョングク「ユンギ兄さんのピアノもよかったです!」
最も幸せな時間だった。
ただ一緒にいるだけでよかった...

境界上の少年  1.出会い

あまりにも青春真っ盛りなエピソードで泣いちゃう。こういうのでいいんだよこういうので。

テヒョンの「友達が〜」て話すとこが良い。テヒョンて普通に友達多そうだもん。

「ユンギ兄さんのピアノもよかったです!」て言い放つジョングク……なんかグッときてしまった。この感情はなんだろう。

花樣年華 Pt.0<SAVE ME>(1話)より
花樣年華 Pt.0<SAVE ME>(1話)より


ジョングクが手を広げて歩く理由

岩がないという言葉を聞いて元気がなくなったのは僕も同じだった。
それでも、兄さんたちほどがっかりはしていなかった。
一緒にこの道を歩いてきただけでも十分だった。
僕は兄さんたちの隣に座らず、埠頭の手すりに上った。
いつも手すりの上に乗って歩いたり、描かれた線を踏んで遊ぶのが好きだった。
バランスを取ることに集中していると他のことを考えずに済むし、どこにも属していない境界線が僕の居場所のような気がしたからだ。
僕が手すりの上を、ふらふら歩いていると誰かが腕を引っ張ってきた。
ユンギ「...」
ユンギ兄さんだった。
ジョングク「兄さん、どうかしましたか?」
ユンギ「やめろ」
ジョングク「落ちたりしませんよ...」
ユンギ兄さんは僕が手すりに乗って遊んでいるとよく腕を引っ張った。
兄さんがそうするのを見て、他の兄さんたちも注意してくるようになった。
僕はその手が嬉しかった。
そこはお前の居場所じゃないからこっちに来いって言ってくれてるような気がしたから。
もしかしたら、その手を楽しみにしていたから手すりの上を歩いたのかもしれないという考えが頭をよぎった。

境界上の少年  3.海辺の思い出 

初めて海に行った日の出来事自体は割愛しましたが、なぜジョングクは手を広げてバランスをとりながら手すりの上を歩くのかがあきらかに!

『バランスを取ることに集中していると他のことを考えずに済むし、どこにも属していない境界線が僕の居場所のような気がしたから』だったのに、この日ユンギがやめろって腕を引いてくれたら『そこはお前の居場所じゃないからこっちに来いって言ってくれてるような気がしたから』に変わった…………『その手を楽しみにしていたから』だって、、、ヒョンがやめろと言ったから6月12日は手すり記念日?

毎回思うけどこのペアだけキャラのディテール攻めてると思いませんか。こんなんどうあがいても拗らせちゃう。

とはいえ埠頭の手すりにのぼるってかなり危ない。「落ちたりしませんよ」って言いながら結局屋上から落ちるし。伏線回収すな!


その日は1日中浮かれていた

20年6月11日
その日は授業参観日だった。 
教室にいたくなかった僕は後先考えずに、「あそこ」へ向かった。
プレハブ教室の外でもピアノの音が聞こえてきた。
(ユンギ兄さんだ)
僕は扉を開けて静かに座った。
(心地いいな)
僕が入ってきたことに気付いているはずだが、兄さんはそのまま演奏を続けた。
それはまるで僕がここにいてもいいという許可のように感じられた。
僕は兄さんのピアノの音が好きだった。
兄さんの演奏を聴いていると何だか気持ちが穏やかになるから。
そんなはずはなかったが、ユンギ兄さんが僕の気持ちを知って慰めてくれているような気がした。
そうしてしばらく聴いていると、
扉が荒々しく開かれ、演奏が止まった。

生活指導の教師「おい!こんな所で何してるんだ!」
扉の方に目を向けると、怒りを爆発させている生活指導の教師が中に入ってきた。
生活指導の教師「お前たち!授業にも出ないで...!」

僕は有無を言わさずに頬を殴られ、その場に倒れた後は 上から暴言が浴びせられた。
その時だった。
ユンギ兄さんが教師の肩を押して僕の前に立ちふさがった。

生活指導の教師「お前、今...先生に手を出したな?ミン・ユンギ、覚悟しておけ」

教師は意味深な言葉を残して教室を出ていった。

ジョングク「兄さん、僕のせいで...」
ユンギ「大したことじゃない」
ジョングク「...」
兄さんはどうして僕を助けてくれたんだろう。
誰かにかばってもらったのはその時が初めてだった。
その時に見た兄さんの背中はずっと忘れられない気がした。
なぜか笑みがこぼれた。
頬が腫れているのか、顔がずきずきと痛んだ。

ユンギ「どうして笑ってるんだ?」
ジョングク「分かりません...」
痛みの走る頬に手を当てても僕はずっと笑っていた。
そんな僕を呆れた顔で見ていた兄さんがやがて笑顔を浮かべた。
ジョングク「兄さん、授業に戻るんですか?」
兄さんは答えずに 僕の隣に座り込んだ。
僕たちはしばらくの間そうして無言で座っていた。
兄さんともっと近くなれた気がしてその日は1日中浮かれていた。
ところが、翌日からユンギ兄さんは学校に来なくなり、
2週間後、退学処分を受けた。

境界上の少年  5. それぞれの場所

うぅ、う、うう(咽び泣き)、言葉が出てこないので、こちらを参照してください。


手書き楽譜で作曲するユンギ

ホソク「あれ、ジミンはどこに行ったんだろう?」
テヒョン「ジミンならトイレに行きましたよ」
ホソク「そうなの? それじゃあみんなで... いたずらしてみようか?」
ユンギ「あんまりいじめてやるなよ」
ホンク「いじめじゃないですよ〜ただの愛情表現ですって」
楽しそうなテヒョンとホソクを撮影している画面の片隅にユンギの姿が映った。
ユンギは皆の後ろで夢中で何かを書いていた。
ソクジン「紙に何を書いてるんだろう?楽譜かな」
プレハブ教室でユンギが演奏していた曲の中には自作曲もあったが、ユンギは新曲を作るたびに楽譜を手で直接書いていた。

視線の先  1.感覚の残留

動画を見て回想するエピソード。こういうなにげない会話がのちのち思い出に残るよね。
テヒョンとホソク仲良しだし、作曲に集中してそうでまわりの話きいてるユンギも愛(イト)。あと楽譜手書きなのも解釈一致。


結局全員一緒に眠ってしまった日

テヒョン「あ、ナムジュン兄さん!」
ユンギ「珍しいやつが来た」
テヒョン「何だか疲れてません?」
ナムジュン「まあ...寝不足でな」

画面のナムジュンの疲れた顔を見てこの映像を撮影した日を思い出した。
眠ったナムジュンの邪魔をしないように静かにしていたが、結局全員一緒に眠ってしまった日だった。

テヒョン「机くっ付けましょうか?」
ナムジュン「いや、いい」
テヒョン「どうしてですか。横になった方がぐっすり眠れますよ!」
テヒョンとナムジュンがもめていると、
ユンギ「ほら」
ユンギが先に机を並べてナムジュンを呼んだ。
ナムジュン「突っ伏して寝るだけでいいのに...兄さん、ありがとうございます」
テヒョン「ユンギ兄さん、僕も!机でベッドを作ってくださいよ」

視線の先  1.感覚の残留

こちらも動画。ユンギがナムジュンを見るなり「珍しいやつが来た」と言うので、ナムジュンはバイトが忙しくて空き教室にはあまり頻繁には顔出さなかったかのかな。

疲れて寝たナムジュンを気遣ってたらみんなで寝ちゃってたなんて平和すぎるエピソード。


やれやれ系ユンギ

映像はずっと続いていた。
カメラは眠っているナムジュンの向こうにいるテヒョンとユンギに向けられていた。
テヒョン「ここにあることは秘密ですよ。いいですね?」
ユンギ「...まったく」
「秘密って何のことだ?」
俺の問いかけに、ピアノの方に立っていたテヒョンとユンギが同時に振り返った。
テヒョン「いや〜? 何でもありませんよ?」
ユンギ「何を隠してる」
テヒョン「兄さん、シッ!」
映像はテヒョンがユンギの言葉を慌てて遮る場面で終わっていた。

視線の先  1.感覚の残留

なにか重大な秘密に違いない、、ってソクジンは必死に探すけど、隠してたのは[1年数学氏名:キム・テヒョン12点]というテヒョンの数学の解答用紙だった。
高校生で答案用紙隠すって発想かわいすぎる。
他校生とケンカしちゃうほど素行不良テギだけど、テヒョンの前ではやれやれ系なユンギが垣間見れて良。


窓際

窓際はジミンが好きな場所だった。
机の上でうつ伏せになって陽射しを浴びていたジミンの姿が鮮明に浮かんできた。
昔はここにホソクの植木鉢があった。
ホソクが持ってきたのだろうかと推測するだけだった。

視線の先  2.かすかな記憶

窓際でうつ伏せで日差しを浴びるジミン…猫?のんびり過ごしてたんだなぁ。
ホソクの植木鉢は卒業後もおうちで世話して白い花を咲かせてました。

やっぱりホプミンは一服の清涼剤な存在。


ミン・ユンギの指定席

ホソクが「ミン・ユンギの指定席」と呼ぶほど、
ユンギはいつもピアノの近くにいた。

ユンギはどんな曲を弾いてたっけ。
ジョングクにも時々教えてたのに。

椅子の上に並んで座っていたジョングクとユンギの姿が見えるような気がした。

視線の先  2.かすかな記憶

ふーん、ヤンコチはふたりまとめて思い出されるんだ……。そか………。


背が伸びますように!

俺たちが座ってた机も残ってるかな?
その時、古い落書きを1つ発見した。

背が伸びますように!

みんなと身長の話をたくさんしたな。
同じくらいの身長のジョングクとジミンが
互いに背中を合わせてどちらが高いか比べていたことを思い出した。

視線の先  2.かすかな記憶

身長の話たくさんしたの?!?そんで落書きまでしたの?!ほんとに7人て他愛無い話で盛り上がってたんだね。かわいすぎ!

BUの世界線でもジョングクはジミンの身長を追い越したかな?


ユンギの"居場所"

何となく家に帰りたくない日があった。
(...家に帰ったところで...)
会話など1つもない。
普通は家が最も落ち着ける場所なのだろうが、
俺は違った。
学校でも特にやることなどなかった。
あの教室に行くこと以外は....

(....誰もいないな)
俺は教室の中を見渡した後、ピアノの方へ向かった。
いつもと違って静かな教室はあまり慣れなかったが、嫌ではなかった。
(....)
俺は楽譜を1つ手に取って譜面板に載せた。
演奏に合わせて踊ると言ってとにかく速い曲を注文してくるやつも、知っている歌を弾いてくれとねだってくるやつもいなかった。
ジョングクが隣に立ってじっと見つめていた姿を思い出した。
(....)
なぜか鍵盤の上になかなか手を置けなかった。

視線の先  3.外れた本心

ユンギは退学になるまで倉庫の教室で自由にピアノを弾いて作曲もしてた。ユンギにとってもここは大切な居場所だった。

このエピソードからわかるのは、みんなが弾いてほしい曲をユンギにリクエストしてたこと、そしてジョングクがユンギをじっと見つめてたことを本人も把握してた事実。あーーーー。


気まずくてSINどい

(疲れたな)
校長に呼び出された理由は予想通りだった。
「ユンギの行動を報告しろ」
少しでもうかつなことを言うと
どうなるか分からないので、俺はできるだけ口を開かないようにした。
しかし...
「お前は皆を騙している」
「偽善者」
友人たちと一緒に笑っている時でも、誰かが俺の耳元でそうささやいてくる気がした。

ソクジン「どうすれば守れるんだろうか。どうすれば...」
俺がそう呟きながら扉を開けると、
ユンギ「どうするって何を?」
目の前にユンギが立っていた。
ソクジン「あ...お前しかいないのか?」
ユンギ「はい」
ソクジン「帰るのか」
ユンギ「はい」
ソクジン「そうか....」
ユンギ「兄さんは?」
ソクジン「...じゃあ俺も帰ろうかな。一緒に出よう」
俺が慌てているのをユンギに悟られていないことを願った。
幸いにもユンギは何も言わず先に廊下に出た。
ソクジン「...」
校門を出るまで、2人の間に会話はなかった。
何だか気まずいな....俺が先に話しかけてみるか?
ソクジン「ユンギ、腹減ってないか?」
ユンギ「俺は別に」
ソクジン「そうか....まあ俺もなんだけどな。はは」
話しかけようと思って何も考えずに口を開いたが、会話はあっさり途切れてしまった。
腹が減ってるなら ハンバーガーでもおごろうかと思ったけど...
校門の前にあるツースターバーガーが頭をよぎった。
とりあえず食べていこうって言うべきだったか?
ユンギ「兄さん」
気まずい雰囲気に何とか耐えていたその時、ユンギが話しかけてきた。
ソクジン「どうした?」
ユンギ「電話が鳴ってるみたいです」
ユンギにそう言われて確かめてみると、どこからか微弱な振動が伝わってきた。
かばんに入っている携帯電話を取り出すためにジッパーを開けたその時、ビデオカメラが地面に落ちてしまった。
ぐずぐずしている間に着信が途絶えてしまったので、俺はビデオカメラを捨い上げた。
ユンギ「それ大丈夫ですか?」
ビデオカメラは、角にできた傷を除けば問題ないように見えた。
ソクジン「うーん...大丈夫だと思う。壊れてないよな? 電源を入れてみるか」
ビデオカメラの液晶画面を点けると、すぐ隣にいたユンギの顔が映った。
落とした時にボタンが押されたのか、録画状態になっていた。
ユンギ「ちょっと...」
ソクジン「待ってくれ。異常がないか確かめるためだよ」
ユンギ「他の場所を撮ってください」
ソクジン「あ...撮ろうと思ってたわけじゃないんだ」
気まずくなった俺は急いでビデオカメラを下ろした。
電源を切ることを忘れたまま。
ユンギはポケットに手を突っ込んでゆっくり歩いていた。
ソクジン(この沈黙が気まずいって思ってるのは俺だけなのか?)
運動場を横切ろうとしたその時、ユンギが口を開いた。
ユンギ「...何かあったんですか?」
ソクジン「えっ?どうして?」
ユンギ「さっき表情が暗かったから」
ユンギはこうして鋭い質問をよく投げかけてきた。
ソクジン「何か....はは、何でもないよ」
心臓が強く脈打ったが、正直に話すことはできなかった。
どう言い訳しようか悩みながら笑ってごまかそうとしていると、ユンギが俺をじっと見つめて こう言った。
ユンギ「兄さんも下手ですね」
ソクジン「何が?」
ユンギ「笑うこと」
しばし沈黙が流れ、ユンギが再び口を開いた。
ユンギ「兄さんが最後に...心から笑ったのっていつですか?」
ソクジン「どういうことだ....?」
ユンギ「心から笑ったのはいつなんですか」
それ以降は雑音がひどく、会話は聞こえなかった。
やがて映像が終了した。

視線の先  3.外れた本心

BUストーリーのSIN、とにかく気まずい空気で見ててニヨニヨしちゃう。これもまた動画見て回想したエピソード。

この会話にも選択肢があって、「腹減ってないか?」ともうひとつは「良い天気だな!」だった。

ソクジン「良い天気だな!」
突然の俺の言葉を聞いて、ユンギが空を見上げた。
ユンギ「良い天気?」
その日は霧がかかっていた。
俺は何も考えずに口を開いたことを後悔して、すぐに話題を変えた。
ソクジン「さっきはピアノを弾いてたのか?」
ユンギ「いえ、楽譜を眺めてただけです」
なぜという問いかけにユンギは答えなかった。
自分ばかり話しているような気がしたため、俺も口を閉ざした。

視線の先  3.外れた本心

結局気まずくてSINどい。


ジョングクを助けるユンギ

テヒョン「ジョングク!1回でいいから見せてくれよ〜」
ジョングク「だめです!」
僕はスケッチブックを持ってプレハブ教室の中をぐるぐる回っていた。
テヒョン「どうせ見ることになるんだからいいだろ!」
絵を見せてほしいと言うテヒョン兄さんに追われていたからだ。
ジョングク「来ないでください!」
走る元気がなくなったため教室の外に逃げようと思って扉を開けると、
ジョングク「うわっ....!」
ユンギ兄さんが立っていた。
ジョングク「兄さん、ちょっとどいてください!」
テヒョン「兄さん!ジョングクを捕まえて!」
ユンギ「慌ただしいな...どうしたんだ」
テヒョン「捕まえた!ちゃんと見てやるからさ!」
兄さんはスケッチブックを頭の上に持ちあげて巧みに逃げ回り、僕はその後を必死に追いかけるしかなかった。
ユンギ「...。テヒョン」
テヒョン「え?」
ユンギ兄さんに呼ばれ、テヒョン兄さんがぴたっと動きを止めた。
その隙を突いて飛びかかったが、スケッチブックを取り戻すことはできなかった。
ユンギ「それ持ってきてくれ。一緒に見よう」
もしかしたら助けてくれるのではないかと期待したが、ユンギ兄さんの言葉に力が抜けた。
浮足立ったテヒョン兄さんが大急ぎでピアノの前まで駆け付けた。
ジョングク「兄さん、本当に何もありませんって」
テヒョン「何もないなら見てもいいだろ!兄さんも見たいですよね? 」
ユンギ「見せてみろ」
僕が全てを諦めて兄さんたちの様子を呆然と見つめていると、
ユンギ「ジョングク、ほら」
突然、僕に向かってスケッチブックが飛んできた。
テヒョン「ああ!どうして返すんですか!苦労して手に入れたのに!」
僕は追いかけてくるテヒョン兄さんから逃げるために急いで廊下に飛び出した。
ジョングク「ユンギ兄さん、ありがとうございます!」

視線の先  4. 思い出の考察

作業室にて、転がっている酒瓶と一緒に死んだように眠っているユンギをそばで見つめながらこのエピソードを回想するジョングク……。
ジョングクはソクジンカメラの動画並みに鮮明に脳内再生できるんだね。
この日も浮かれちゃっただろうな〜。


一緒なら笑える!

ピアノのフレームの間から色褪せた数枚の楽譜が見えた。
俺は楽譜の中のとある一節に惹きつけられた。

"함께라면 웃을 수 있다!(一緒なら笑える!)"

書かれていた文字を読んでいると、下校時の映像に録音されていたユンギの言葉が蘇ってきた。
ユンギ「兄さんも下手ですね。笑うこと。兄さんが最後に心から笑ったのっていつですか?」
これはその時の質問の答えだった。

視線の先  4. 思い出の考察

NOTES2の世界線でソクジンを救ったあの曲の楽譜が登場!!すごい!!

さっきのソクジン視点では『兄さんも笑うのが下手ですね』『心から笑ったのはいつですか』て切り込んできたユンギに戸惑いを隠しきれなかったけど、NOTES2でユンギは『兄さんを困らせるつもりはなかった』と振り返ってます。

倉庫の教室から持ってきた楽譜をめくっているうち、余白に書かれた文章を見つけた。『一緒なら笑える』俺の字ではなかった。
いつかの出来事が思い出された。霧に覆われた日だった。
偶然ソクジン兄さんと一緒に校庭を歩くことになった。互いにぎこちなかった。俺はポケットに手を突っ込み、地面を見ながらわさとゆっくり歩いた。先に行ってしまうことを願ったが、兄さんはそうしなかった。俺と話そうとしたが、そのたびにもっと気まずくなった。兄さんは困ったように笑った。
思わず尋ねた。「兄さん、最後に思い切り笑ったのはいつですか?」兄さんは答えなかった。俺もこれ以上聞かなかった。
兄さんを困らせるつもりはなかった。なんとなく、そんな言葉が飛び出してしまった。
一緒なら笑える。この文章は、あの日の俺の質問に対する答えのような気がした。いや、ソクジン兄さんが書いたという確信はなかった。そんなものは必要もなかった。
楽譜に書かれたメロディは幼稚なものだった。まだ2年前なのに、あの時の音楽は未熟で粗削りだった。滑らかでもなく、美しくもなかった。高校時代を思い出せば、酒に酔ってふらつきながら歩き回ったことばかり思い浮かぶが、そんな日ばかりだったわけでもないような気がした。
一晩中あの時の音楽を練り上げ、今朝ついに完成した。フレーズの繋ぎ目を少し改善し、滑らかなメロディをベースに追加したが、本来の組削りな部分はそのまま残しておいた。荒々しく性急な感じも同じだった。あの時代の俺たちがまさにそうだった。その曲にこんなタイトルをつけた。”一緒なら笑える”

ユンギ  22年8月2日

花様年華 THE NOTES2 [一緒なら笑える]

最後に心から(思い切り)笑ったのはいつですか?ときかれたその時はソクジンは答えなかったんだね。

その答えを楽譜の端っこに書いていた。
ゲーム版では実際にこの楽譜の画像も出てくるんだけど"함께라면 웃을 수 있다!"って『!』が書いてあった。

これは本編に思いきり食い込んでくる出来事なので前回のまとめではカットしちゃったけど、ゲーム版の世界線だと、この楽譜が地雷になってユンギと連絡が取れなくなり、最悪の結末になってしまう………。


ホソク部長

19年3月20日
ジミン「それじゃあホソク兄さんは部活の部長になったんですか?」
ホソク「ふふ、そう!」
テヒョン「おお〜、部長!」
ホソク「そう呼びたいなら入部をしないと。入部を」
ナムジュン「部員はどれくら集めたんだ?」
ホソク「そこまで多くないからもっと集めないと。ユンギ兄さん、うちの部に入りませんか?
兄さんならと・く・べ・つ・に!試験なしで入部を許可しますよ」
テヒョン「兄さん、ユンギ兄さんに部長の言うことを聞けってパワハラしてませんか?」
ホソク「あれ、バレた?」
ユンギ「またふざけてるのか」
みんなと笑っていたユンギの顔が鮮明に蘇ってきた。

視線の先  4. 思い出の考察

ホソクってほんとに行動力もコミュ力も抜群に高いのがわかる。
そしてジミンも入院してなかったらダンス部に入ろうとしてたことを思い出して涙が、、、。


ビアノは弾けないんですけど

あの日俺たちの教室には....
俺とユンギ、そしてジョングクだけだった。
ユンギはいつものようにピアノの前に座っていた。
静かな教室にピアノの音色が響き渡ると、
机に座っていたジョングクが立ち上がった。
ジョングクはそっとユンギの隣に立った。
ユンギも邪魔には感じなかったのか、そのまま演奏を続けた。
ジョングクは無意識のうちに爪を噛んだ。
ジョングク「..?」
ユンギが演奏を止めた。
ジョングク「兄さん、どうかしましたか?」
ユンギ「ジョングク、弾いてみるか?」
ジョングク「弾いてもいいんですか?」
ユンギ「当然だろ。俺のピアノじゃないんだし。弾きたかったら自由に弾いていい」
ジョングクが破顔し、噛んでいた爪を口から離した。
ユンギ「座れ。何が弾きたい?」
ジョングク「ビアノは弾けないんですけど」
ジョングクが不慣れな手つきで鍵盤を押し、ユンギはそんなジョングクを見守りながら1つ1つ音を教えていった。

視線の先  6.視線の先

これもソクジンの動画に収まってた。ありがとうございます!

ユンギは理由もなくジョングクにピアノを弾かせたわけじゃなく爪を噛むくせを止めるためだったとソクジンは確信する。
しかしそのあとの回想ムービーでジョングクは爪を噛んでなかったにもかかわらず、ピアノ弾いてたユンギに隣に座るよう顎で促されて一緒に弾く。
爪噛む関係なく互いに肘でつつき合いながら(重要)連弾する関係になったヤンコチ、最高ッッ!


ムードメーカー

ホソクは昔からムードメーカーだった。
ホソクの明るく明朗な性格には気まずさを和らげる力があり、お互いにぶつかり合って困った状況になっても、ホソクがいれば円満に解決することもあった。

残された存在 1.日常

もしソクジンではなくホソクが主人公だったら、1回目のタイムリープでみんなをサクッと救えちゃいそう〜ってあやさん(↓リンク)と話してて盛り上がった。

ほんとにすべてが円満に解決できるのが安易に想像できちゃう。


お菓子を賭けたゲーム

ホソク「ゲームが下手くそな兄さんのおかげで、高校の時はお菓子をたくさんゲットできました」
ソクジン「おごってやりたいからわざと負けてたんだよ....」
ホソク「またまた〜」

心の距離  1.近すぎず遠すぎず

まさかの賭けゲームしてたなんて…!しかもお菓子。良い。ゲーム下手くそ設定なソクジンがかわヨ。


仲良しクオズ

テヒョン「兄さんの動きって不思議だなあ。どうすればあんな風に踊れるんだろう?お前もあんな感じに踊れるか?」
ジミン「僕にできるわけないじゃん」
教室の中央でホンクがダンスを踊っていた。
テヒョンは感嘆を繰り返し、ジミンは羨望と憧れの眼差しを向けていた。
テヒョン「兄さん!ジミンも踊ってみたいそうですよ!」
ジミン「え!?そんなこと言ってないよ!」
テヒョンが突然手を上げて声を発したため、ホンクが動きを止めた。
ジミンが慌てながらテヒョンを制止したが、ホソクの目はすでに ジミンに向けられていた。
ホソク「踊ってみる?」
ジミン「できません!」
テヒョンがかぶりを振るジミンの背中を押した。
テヒョン「やってみなきゃ分からないだろ!踊ってみろって!」
ジミン「ちょっとテヒョン!」
ホンク「そんなに難しくないよ。とりあえずやってみよう」
ホソク「お手本を見せようか?いち、に、さん、し...」
ジミンに動きを見せた後、ホンクがその場を譲り....ジミンは教室の中央に立たされた。
テヒョン「ジミン、早く!」
ジミン「えっと、僕....」
ためらっているジミンの肩をホソクが軽く叩いた。
テヒョン「ジミン、頑張れ!」
ホソク「大丈夫、できるよ」
2人の応援を受けてジミンが体を動かし始めた。

止まった時間  5.説得

クオズ仲良しなの良いな〜!
ジミンが倉庫の教室に行くと中から声がしてためらっていると、肩をたたき「また会えてうれしいよ」って声をかけてくれたのもテヒョンだったねぇ。

MVなどは花様年華ペアが強調されるけど、ゲーム版では7人の濃い交友関係がわかってとても楽しかった。
それゆえに仲違いとか辛辣な台詞も多くて、昔ひとりで選手権やったのも今では良い思い出。ほぼBUゲームの台詞が受賞してたなぁ。


たくさんの深掘り地獄ストーリーを見ることができて感慨無量です。

ありがとうBUゲーム版
ありがとう花樣年華
ありがとう
…………

俺は机の引き出しから仲間たちの写真を取り出した。
写真の中の彼らはやはり笑っていた。

初めは簡単だと思ってた。
仲間たちを助けないとっていう決意があったから。
どのような状況で誰を救えばいいのかさえ分かれば、その後はどれだけ努力するかという問題だけだと思っていた。

でもそんなに簡単じゃなかった。
目の前の状況にこだわりすぎて...
道を見失い、失敗を繰り返してしまった。

そうして暗中模索していた俺のヒントになったのは...
仲間たちと共に過ごした時間だった。

互いを心から理解し合った瞬間と
大切な思い出。
その1つ1つが
俺を正しい方向へと導いてくれた。
俺たちは固い絆で結ばれており、
お互いに助け合う運命なのだ。

そして全てを終わらせられるのは...
俺だけだ。

悪夢:エピローグ  1.久しぶり

サ終はかなしいけど、花様年華はまだまだ終わりません!

なぜなら次は・・・・・ふふふふふ


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