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優良高配当株スクリーニングツールの開発②
前回のページはこちら。
ソフトウェアの開発をするときは、まず開発のゴールや課題は何かを整理することが一般的です。これは要件定義と呼ばれており、ソフトウェア開発のフローに倣って本記事では要件定義を行います。
ゴールの確認
今回のツール開発の大目的は、高配当株投資で悠々自適な配当生活を送ることになります。
ここでの課題は、投資する企業を選定する難しさと面倒さです。高配当株の中には、一時的に配当を多く出している場合があるので、高配当であるという条件だけで企業を選ぶのは危険です。各企業のこれまでの業績を確認して、継続的に配当をもらえるかを確かめる必要があります。
この課題の解決策として、業績良好で高配当な企業の選定を効率化するツールの開発に取り組みます。
自動化できるかの確認
効率化を実現するには、これまでの株選定のプロセスを見つめ直して、どの作業なら自動化できるか、もしくは作業の効率化ができるかを考えます。私が考える高配当株投資のプロセスをフローチャートにしたものが以下になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1716127862734-NLxTo5PcJj.jpg?width=800)
Yahoo! ファイナンスなどのウェブサイトでは、配当利回りランキングが公開されています。そのランキングから企業をピックアップして、何をしている企業なのかなどを調べるのですが、これがかなり面倒くさい…
まずは過去の業績を見て、財務状況が問題ないかを確認します。問題なければ、公表されている企業情報を基に、どんなビジネスをしている企業なのか、今後も収益を上げていけるかなどを判断します。このような調査を企業ごとに繰り返し行うことで、購入したい株リストを作成します。
続いて、作成したリストと自身の投資ポートフォリオを見て、投資対象がある業界に偏り過ぎてないか、バランスを確認します。分散は投資をやる上での基本です。そして最後に、どの株をどれくらい買うかを決めて、株を購入するといった流れになります。
このように、高配当株投資はいくつもの判断が迫られる非常に高カロリーな作業です。だからこそ、投資家が判断する必要がないタスクは自動化して、より良い投資を行えるようにしたいところです。
実際にどこが自動化できそうかというと、①高配当企業のピックアップと、②業績が好調で財務状況が問題ない企業の選定ができそうです。
プログラムによる自動化は、自動化したいタスクが明確であれば可能です。例えば、「高配当株は配当利回り3%以上のものとする」といった基準があれば、各企業の配当利回りのデータから高配当な企業のピックアップをプログラムで実行することができます。
つまり、上記の①と②を自動化するためには、優良高配当株(業績が良い+配当利回りが高い)の基準が明確であり、それを判断するためのデータが必要になります。
業績の良し悪しの判断基準
業績の良し悪しは、営業利益率やROEなど指標から判断ができます。リベ大に従うと優良高配当株は以下を満たすものになります。明確に定義されているので、過去の業績データさえあれば、プログラムによって自動で企業選定ができそうです。
売り上げ高が右肩上がり
EPSが右肩上がり
営業利益率が10%以上
自己資本比率40%以上
営業活動によるCFが毎年黒字
現金等が右肩上がり
1株あたりの配当金が右肩上がり
配当性向が30〜50%
データの取得
上記の優良企業の条件を満たし、かつ高配当な企業の選定を行いたいので、現在の配当利回りと過去の業績データ(売り上げやEPS等)が必要になります。
色々調査した結果、過去の業績データはIR Bank、配当利回りはIR Bankにある一株配当の情報と無尽蔵の株価情報から取得することができました。配当利回りの算出はけっこう悩みました。次項で詳細を書こうと思います。
まとめ
高配当株投資の一部を自動化することで、フローチャートは以下のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1716127874023-xU3iQrFpup.jpg?width=800)
フローチャート上では、やることがあまり減らせてないように見えますが、分析をする企業の数を減らせるのがミソです。これまでは、高配当であるという条件から企業を見つけていましたが、業績が良いという条件も加えることで、調査すべき企業の数をかなり絞ることができます。企業分析のところが一番頭を使うところなので、その作業が減らせると少しは楽ができそうですね。
各企業の調査レポートをChatGPTに書かせて、企業分析の部分もある程度自動化したいという願望もあるのですが、一旦ペンディングです。
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