温泉•サウナを科学する!?
私は無職。最近は温泉、サ活にハマっている。周囲にある”公衆”浴場※を制覇する勢いで温泉を巡っている。主に健康、美容の為に行っている。お陰で肌の調子も良いみたいだ。
※”公衆”浴場であることに注意されたい。”特殊”浴場では断じてないことに注意されたい。浴場に行ったと言えば「え、ソープいったの?」って弄られる可能性があるので予防線を張る。大体文脈から察して頂きたい。ソープ街の特殊浴場を制覇するには一体幾ら必要なのか、考えれば分かることだ。そんなん政治資金を裏金化するなどしなければ到底できないことだ。いやいや面倒な世の中である。
さて、今回は政治家も大好きソープでの限りなくグレーな買春ネタではない。大真面目に科学の話をしよう。
炭酸温泉に潜む似非科学!?
私は各湯船やサウナのテーマを説明した文を読み込みながら、湯船にじっくり浸かったりする。時々、似非科学的な説明が見受けられるのも醍醐味である。私は炭酸温泉による血管拡張に関する説明は似非科学ではないか、と疑っている。ノーベル賞受賞者の本庶佑氏は「教科書の誤りを正すのが、研究だ。」的なことを仰っていたので、炭酸温泉に潜む似非科学と見られる部分を指摘しておく。忘れない内に書かなければ今後数千年間、誤った説明に騙されて死んでいく人々が出てくる可能性があるので、私は書くのである。
炭酸温泉では、例えば下記のような血管拡張メカニズムが説明される。
私はこのような説明をみて「ホンマかいな。CO2分子が皮膚と血管を溶解拡散して血中にCO2が溶け込む?そんな死と危険に隣り合わせになるような炭酸温泉を厚生労働省が気軽に許可することがあるのだろうか?」などとツッコんでしまった。一時期「Transport phenomena」を読んでいた私なので、確かに濃度差があれば分子は濃い領域から薄い領域へ拡散移動することは理解している。ただ、CO2分子が皮膚に溶解するという主張が直感的に信じられないのである。CO2が皮膚に溶解するかどうかについて、コンピューター上で皮膚の高分子モデルを構築して粗視化分子動力学解析などすれば決着は着くかもしれない。いやその必要はないかも知らない。CO2分子が皮膚に吸収されるのならば、皮膚上に付着する気泡の直径増加速さは遅くなるだろうからだ。CO2分子が皮膚に吸収されるなら気泡の直径増加速さは遅くなっても良いのではないか、ということだ。体感上、気泡の直径増加速さはかなり早いので、私は温水に溶解したCO2は皮膚に溶解するより寧ろ、初期、微小である気泡中に溶解して気泡直径を拡大することに費やされているものと想像している。
では、CO2が皮膚に溶解しないならば一体どういったメカニズムで血管が拡張するのか。
私が入浴中に考えていたメカニズムはこうだ。体表に生成付着するCO2ガス気泡がもたらす断熱効果による体温上昇とそれに伴う血管拡張だ。この説明でも下図の実験結果を説明できる。下図は温水中のCO2濃度を0〜1000ppmまで変化させた場合の血流変化量の経時データを示す。因みに地球温暖化が進む現在の大気中のCO2濃度は420ppm程度である。この図では高濃度になるにつれて血管拡張が促進されていることが示唆されている。私の説明では、気泡内のCO2濃度が増加するにつれて、伝導•対流•輻射の内、輻射による熱放散が抑制されるので体温上昇して血管拡張する、となるだろう。イメージとしては地球温暖化と同じで、体表から放出される電磁波がCO2ガスに吸収されるので熱放散が抑制されるというものだ。
以上、炭酸温泉に潜む似非科学!?を指摘した。私が提唱したメカニズムが本当にそうなのかどうかは、より精緻な検証が必要になるだろう。
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