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ピンチな時に自分を助けてくれる「お守りことば」のススメ

「お守り」

それ自体が何かをしてくれる訳じゃないけれど、持っているだけでパワーをもらえたり安心感をもたらしてくれるもの。


私はそんな風に思っている。



だから縁結びの神様がいることで有名な出雲大社に行った時は、意気揚々と「縁結び」のお守りを買ったし、どうあがいても模試の判定がC止まりの高校に受験する時は「合格祈願」のお守りを買ってみたりもした。


結果的にお守りを買ってから数年後(たぶん)に良い出会いがあったし、無事にC判定の高校にも合格できた。
だからお守りの効果はあった!と言いたい。

けど言い切るだけの確証は持っていない。

何年後かの「良い出会い」なんてご利益と無関係だと言われたらそうかもしれないし、高校に合格できたのは運と努力となんとかだと言われたらそうなのかもしれない。

けれど間違いなく言えるのは、私はお守りによって助けられたということだ。


いつからだったか、試験や発表会など「何かを試されるとき」に決まってお腹を下す私は、常備薬として正露丸を肌身離さず持っていた。

私の正露丸に対する信頼は絶大で、これがあればいつお腹が痛くなっても大丈夫!と思っていたから、今思うと一種のお守りのようなものだったと思う。
でもだからといってお腹が痛くもないのに正露丸を飲んで心を落ち着けるのは違うし、あの白い糖衣をぎゅっと握りしめるのも違う。



そんな私が高校受験を控えた頃、お参りがてらに買った「合格祈願」のお守りが、めちゃくちゃ役に立った。

金色の糸で刺繍された文字をじっと見つめて、「合格」という字は何重の糸でできているか数えると心が落ち着いたし、どこかのお偉い神様が私を見守ってくれてるのを想像しただけでなんだか強くなれた気がした。


縁結びのお守りもそうだ。
わざわざ雨の中出雲大社まで足を運んだのだから、行く前とその後では私の中で何かが変わっている!!!という訳分からん自信が湧いてきたり、とにもかくにも私の心にパワーを与えてくれたのはお守りの存在だったなあと思う。




けれどここ最近、お守りを買うことがめっきりなくなってしまった。




多分私の周りにお守りを買いたくなるようなビッグイベントがないからだと思う。
良くいえば平穏、悪くいえば平凡。


けれどそんな日々の中でも、心がきゅっと苦しくなる瞬間はあったりする。


仕事でどかんと大きなミスをした時や、自分が何気なく言った一言が、巡り巡って誰かを傷つけてしまった時など、心臓がきゅっと縮みそうな、そんな瞬間。



その度に心がざわざわと音を立て、なかなか寝付けなかったり、その時その時のわたしの心がずーんと沈む。

そんな時に、今までの「お守り」の代わりとして私を支えてくれる言葉を見つけたのだ。

それがこの言葉だ。






「未来のことは未来の私にまかせよう」






実はこの言葉、本のタイトルそのままである。
もうまんま、そのまま頂いている。



どこでだったか、「本はタイトル勝負だ」という言葉を聞いたことがある。書店にたくさん並ぶ本の中から、ひとまず手に取ってもらうためには、時には強烈なインパクトのある言葉を、時には誰かに深く刺さる言葉を選ぶ、と。


私が見つけたのは、私にとって強烈なインパクトのある言葉であり、私の心に深く刺さるこの言葉だった。

そう、私はものの見事にこのタイトルに心を掴まれてしまった。


ここから少し本の紹介をさせていただく。

著者はフリーアナウンサーの黒木奈々さん。

フリーアナとしてやっとの思いで掴んだキャスターの仕事を始めて4ヶ月後、2014年8月に胃がんを患い、闘病。2015年1月に一時復帰し、その春から曜日担当として完全に復帰されたものの再発が判明し休養へ。復帰を目指し闘病生活を送っていたが、2015年9月に32歳の若さでこの世を去った。


黒木さんが2015年3月、復帰後に出版した闘病記のタイトルがこの「未来のことは未来の私にまかせよう」だ。

この本の中にある「心に響いた友人からのメール」という章の中にこの言葉は友人がメールでくれたと書いてある。

そしてこの章の最後で、彼女は病気と闘う決意をみせていた。

「最悪の事態を想定して、心して闘う。未来のことは未来の私にまかせる。一つにしがみつかない。どんなにつらくても感謝の気持ちだけは常に心に」


闘病時、きっとたくさんの言葉が黒木さんの心の支えになったのだと思う。

そしてそのたくさんある言葉の中でも本のタイトルにしようと思ったくらい、黒木さんにとってこの言葉がとても大切で、勇気づけられるものだったのではないかと思うのだ。



そして今、私自身もこの言葉に支えられている。


さっきもちらりと書いたが、私は頭の中でぐるぐると考えまくるクセがある。

それはたいてい何か不安なことや緊張することが待ち受けている時で、大きなイベントごとでなくとも、「間違えたらどうしよう」「迷惑をかけたらどうしよう」なんてマイナスな気持ちでいっぱいになって寝付けないことがたびたびある。


そして念願叶ってやっと眠れた!と思ったら不安そのままの光景が夢の中で展開されていたことも何度かあった。


なるべく考えないように・・・と思っていても襲ってくる不安。


そんな時に「未来のことは未来の私にまかせよう」という言葉を思い出して、明日のことは明日考えるぞ!!!と決め切るとなんだか少し心が軽くなるのだ。




きっとこれから先、何度となく考えては落ち込みまくる私にとって、間違いなく、この言葉が私を支え続けてくれるのだと思う。



***

ちなみにここで挙げた私の「お守りことば」以外にも「ここぞ!」という時に助けてくれる言葉はいくつかある。


そのどれもが大切だけれど、「お守りことば」の良いところは、かさばらない分いくらでもストックできるところだ。


むしろあればある程自分の味方が増えるような、そんな感じがする。


テレビをみている時や移動中、本を読んでいる時にでも「なんかいいな」と思った言葉を集めて、自分の頭の中やスマホのメモ、手帳に残してみる。
(私はLINEの「Keepメモ」に残している)


やることはそれだけ。



たった、それだけ。



だけど「なんかいいな」と思った言葉は「自分の心に触れた言葉」だからこそ、悩んだり躓いたときに、自分にそっと寄り添ってくれる、あなただけのお守りになると思う。



ぜひ日々の生活の中で、宝物をみつけるように、自分だけの「お守りことば」を探してみてほしい。





この世界のどこかにある
あなただけのお守りことばが見つかりますように。



未来のことは未来の私にまかせよう/黒木奈々 著



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