華やかな世界①

吉川ひなのさんのエッセイが注目を浴びている。私は世代で中学高校時代はひなのさんやともさかりえさんがスターで同世代の注目の的だった。お人形さんのようなスタイル、都会的なセンス、羨望の対象でした。あと彼女達が活躍していた時代は芸能人のプライベートを垣間見れる企画が雑誌などでよく見られ親近感を持っていた。羨望しながらも身近に思えた。Seventeenやプチセブン、教科書よりも読み込んでいた。ただ、大学に入り同級生に事務所に所属し芸能活動をしている子が少なくなく、自分自身もほんの少しだけその世界を垣間見て…うんざりすることも多かった。オーディションに行くと失礼だなって感じる対応をされたり、有名な映画監督にトラウマになるような扱いされたり…素直に「わー素敵!」って思えないと感じた。内側にいる人で本当に心から素晴らしい世界だって思っている人いる?もしそうなら宝くじ高額当選レベルの運の持ち主だよ。もちろんどの職種でも入ってみたら多少の失望はあると思う。でも芸能界って小中学生でも就業可能で広く顔と名前を知られてしまうから特有の危うさがある。疑問に思うことがあっても子どもが大人に意見することは難しいだろうし、顔や様々な個人情報を色んな人に知られてしまうリスクは想像以上だと思う。以前、子役事務所で事務のアルバイトをしていたことがあったけど子どもも保護者も事務所のスタッフも講師も誰一人として幸せそうじゃなかった。保護者の意向で嫌々レッスンを受けている子ども、オーディションに受からないことを思い悩む保護者、保護者間の人間関係のトラブルに疲弊したり、引抜きに苛立つスタッフ、待遇に納得いかないとごねる講師。負の空気が凄くてぐったり疲れた。私が辞める時も大手の事務所に移るんでしょと根も葉もないこと言われた。お互いに疑心暗鬼で落ち着かない。好きなことに打ち込んでいる輝きがなかった。やってみて違うなと思ったら辞めたりお休みすることは悪いことじゃない。子ども時代は好きなことに没頭してほしい。いつかまたやってみたいと思ったらまたはじめてみればいいこと。事務所の人も保護者の方を煽らないでほしい。変に期待させたりしないでほしい。競争心を焚き付けないでほしい。

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