今、ヴァンフォーレ甲府に一番大事なこと～戦術だけじゃない“サッカーをする意義”～

前回の投稿では、ヴァンフォーレの守備の問題点を挙げて、サポーターとして何かしようと投稿させて頂きました。

（前回はこちら）

打って変わって、今回は戦術の話はしません。

今一番ヴァンフォーレ甲府に大事・必要だと思うことを紹介しようと存じます。

それは「サッカーを楽しむこと」です。

若い選手が多いからこそもっと楽しまなきゃ！

ある種当たり前のことだと思います。しかし、今の甲府にはこれが一番足りません。

昨年を思い出しましょう。昨年が始まる時は、チームとしても『昇格が目標です』とは言っていましたが、昇格争いには絡めれど、本当に最後まで自動昇格争いが出来るだろうとは正直思っていませんでした。それには、まだまだチームとしての戦術が完成しきれていない感、選手の移籍やプロとしての実力未知数な選手も多かった等々、様々な理由からです。

しかし、シーズン戦い終わった後はどうでしたでしょうか？紆余曲折ありながらも進み続け、特に後半戦には怒涛の追い上げを見せて勝ち点は80以上を記録しました。これは褒められるべき数字です。だからこそ、伊藤監督は磐田へと指導者として新たにチャレンジする場を貰えたのです。

でも何より昨年の結果をもたらせた要因は…「若手選手を始めとして、楽しそうにサッカー出来たこと」にあると思います。

プロは勝負の世界です。そして仕事です。勝負して結果が出なければ、どこかに課題や問題があるのです。責任も伴います。

しかし人間です。特に若い選手たちは経験も浅く、まだ覚えなきゃいけないことは沢山あります。試合に出て、失敗して反省して経験することもいっぱいあります。

特にルーキーで考えてみましょう。新卒で社会人になった人と同じです。いくら「勉強してきました！」「これが得意です！」と言っても、会社に入ればやり方が違うことも多々ありますし、知識や技術を持つ人は必ず上には上が居ます。そして新たな人や場所など環境にも慣れなければなりません。

でも昨年、支える側の私たちは、そんな若手たちに「大丈夫だよ！」と優しい言葉を掛けてあげられる仲間であり続けました。「自分の出来ることをしっかり出してくれれば大丈夫だから！」と。そしたら彼らは仕事をしているのが楽しそうに、いつも笑顔を溢れる姿を見せてくれていました。そしたら一年終わる頃には若手たちは各部のエースになっていました。

余談ですが、子どもがスポーツを始める理由は何でしょうか？「小学校のお友達と○○するの楽しいから！」などと何か自分で楽しさを見つけて始めることが多いと思います。その中からプロ選手が生まれたりするのです。最初から親が「○○でプロになりなさい！」なんて言っても、本当にプロになるまで続けるのは難しいはずです。それをプレーするのに支える“気持ち”という土台が小さいから。

本題に戻りますと、昨年の選手たちは若手を始めとして、J1を目指すという目標の前に、サッカーをする楽しさという気持ちの土台が大きかったと思います。それが彼らの大きな土台となり、グラウンドという舞台で楽しくプレー出来たことが結果に繋がったと思います。最初から結果でなく、子どもの頃から不変である“楽しさ”というサッカーをする意義を大事に、日々努力したことで最後に結果が付いてきた、と。

結果を出すのではなく“結果が出る”

今季は最初から結果を求め過ぎたと自分で反省しています。組織のリーダーが変わり、前任と新任ではリーダーの教え方もやり方なども少々異なり、変化があったのに関わらず初めから「去年以上の内容と結果を残してください」と言ってしまっている様で。それだと結果を出すのに必死で、本来の姿ではないのではないかと思いました。

私は選手が楽しくサッカーをしている姿が見られることが、サッカーを観ている人にとって一番楽しいのではないか、と。

○ サッカーを楽しくプレー＝得点したり相手を完封出来たり勝ったり、良い結果が出たら尚更楽しい⤴

✖ 結果を出す＝結果を出すことに執着し、結果が出ないとメンタルが落ちる⤵

楽しくプレーするなら、結果が出たら余計に楽しくなります。結果を出すためにより良い内容にしようと努力したくなります。

今の甲府は✖印の悪循環に陥っていると思います。練習で出来ても、試合で結果が出てこないような。体に異常がなくても、メンタルが付いてこないと体は思うように動きません。（余談ですが、メンタルコンディションを高められる専門の人財は一般企業も然りスポーツ界にも絶対必要だと個人的に思っています。）

私は甲府の選手たちが楽しくプレーする姿が観られる様に、今後も改善すべきところは投稿していきたいと思います。その意味は何よりも、「そこ直せばもっと楽しくプレー出来るんじゃないか」ということです。

ヴァンフォーレ甲府に居てくれる選手たちは宝物です。希望です。

その宝物がもっと光る様に。その希望が縮小せず、もっと拡大出来る様に。

fin