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国内SaaS企業M&Aデータ 2024年4月版

独自のSaaS企業分析・データ利用が可能となる

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本記事は、2024年4月までに観測された国内主要SaaS企業のM&Aに関するデータ提供コンテンツとなります。

原則としてM&Aが観測され次第更新し、翌月にデータを配信します。

■ M&Aデータサンプル

* データ項目などはこちらからご確認ください

記事の最下部より2016年から2024年4月までに観測されたSaaS企業のM&A61件のデータをご取得いただけます。

2024年初から現在までのSaaS M&A概況


2023年は、SaaS企業のIPOが低調だった一方で、M&Aは過去最高件数を記録しました。

2024年に入ってもこの動きは変わらず、各社のリリースが続いています。

ここでは、年初からの案件と特徴などを紹介していきます。

① プラスアルファ・コンサルティング → Attack
案件公表日: 2024/2/14
対象企業の業種: 採用コンサルティング
取得比率:100%
取得価格: 80百万円
コメント: Attckは採用コンサルティング・支援サービスを提供する売上高1.7億円ほどの企業。
PAコンサルティングのタレントパレットは大企業などへの提供も多く、もともとプロフェッショナルサービスを含めたSaaS展開を行っている。
導入支援やアップセルなどのシナジー観点から買収を行った模様。エンタープライズに対するアプローチとして今後他社でも同様の案件がありそう。

② 日伝 → アペルザ
案件公表日: 2024/3/25
対象企業の業種:ものづくり産業向けオンラインプラットフォームの提供
取得比率:未公表だが、過半数以上取得と見られる(子会社化)
取得価格: 不明
コメント:アペルザはこれまでエイトローズやジャフコなどから資金調達を行っており、VC持ち分を上場企業の日伝がセカンダリーとして取得したものと見られる。
日伝は製造業系の専門商社であり、デジタル分野を強化したい狙い。スタートアップ投資の二次買い手として、事業会社が取得する案件も今後増えると見られる。

③ マネーフォワード → キャスター
案件公表日: 2024/4/1
対象企業の業種:リモートアシスタントサービス
取得比率:20.3%
取得価格: 470百万円
コメント: キャスターは2023年10月にIPOをしており、VC保有分をマネーフォワードが引き受けた流れ。
バックオフィスSaaS×リモートアシスタントサービスとなり、昨今のBPaaSとも通じる。シナジー状況に応じて追加取得や子会社化も考えられる。

④ 駿台 → アタマプラス
案件公表日: 2024/4/8
対象企業の業種:AIを活用した教育サービス
取得比率:35.5%
取得価格: 未公表。日経のコメントでは2021年時の調達株価を下回るとの見立て。
コメント:2024年で最も大きな話題となったM&A。ティー・ロウ・プライス、Pavilion Capital、ジャフコ、DCMなどの持ち分を駿台が取得したセカンダリー取引。
前回、2021年時のハイバリュエーションからの水準大幅低下に加え、コロナ禍での急成長から、直近では採用教室数の伸びが鈍化などもあり、資本移動につながった。

⑤ PKSHA Technology → トライアンフ
案件公表日: 2024/4/10
対象企業の業種:採用・組織・人事コンサルティング
取得比率:100%
取得価格: 未公表
コメント:人事系AI SaaS×人事コンサルティングによるシナジーを狙う。トライアンフは売上高17億円と決して小さくない規模。

⑥ 弁護士ドットコム → 弁護革命
案件公表日: 2024/4/17
対象企業の業種:デジタル文書整理ツール
取得比率:100%
取得価格: 未公表
コメント:昨年からM&Aに旺盛な弁護士ドットコムが、新たに案件公表。法務領域において全方位的なサービス展開に対し買収を積極的に活用。

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このほかにも未公表の案件などもあると思いますが、昨年と同様のペースでM&Aが観測されています。

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