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SaaS上場企業ARRランキング 2020/03

(お知らせ)
「企業データが使えるノート」は2020/11/20より有料継続マガジンの提供を開始しました。本記事はβ版の過去の無償開放記事となります。最新のアップデートやデータの取得に関しては、コチラをご覧ください!

企業データが使えるノートでは、SaaS企業のKPIをデータベース化し、公開を予定しています。

今回はそのデータベースを基にSaaS各社の直近決算後のARR、ARR成長率を一覧でまとめました。(2020/03/16 公開ベース)

ARRについては各社開示の有無が異なるため、以下の基準を設定し可能な限り丁寧な算出を試みています。

ARRの集計について
✓ 主に直近の決算説明会資料を参照
✓ 各社がARRとして公表している数値を集計(通常決算期末MRR×12)
✓ ARR開示がない場合、四半期単体売上高 × 4などにより便宜的に算出
✓ リカーリングレベニュー以外の売上高は可能な限り除外
✓ 成長率についても上記をベースにて算出 

上場企業 ARRランキング 結果

SaaSアップロード

ARR 100億円規模はSansan,サイボウズ,ラクス

SaaS企業は各社ごとに数値の開示状況が異なります。

ARRやMRRとして開示を行っている企業の方が少数のため、四半期売上高などをベースに算出ベースで集計を行いました。

ARR上位の3社については以下の通りとなりますが、サイボウズ、ラクスについても期末MRRベースではほぼ100億円程度まで達していると思われます。

Sansan(Sansan+eight2Q累積売上高合算×2)
サイボウズ(通期実績_クラウド関連年間売上高)
ラクス(第3四半期単体クラウド売上高×4)

また各社ともに30%前後のARR成長率となっており、SaaS企業としての一つの成長水準と考えることができそうです。

Sansanの強さは往復ビンタでの成長

Sansanの高いARR、成長率は端的に以下のスライドに表れています

画像2

契約件数、契約当たり売上高の双方が高い伸びを見せ、往復ビンタ的な成長で現在のARRにつながっています。

Sansan側が試算する潜在市場規模(TAM)は数十倍あると公表しており、依然として高い伸びしろがあることも投資家からの評価を得るポイントとなっています。

またあくまで所感ではありますが、名刺管理ツールとしてはデファクトとしてのポジションを形成しつつあり、ネットワーク効果による普及によってセルフサーブ的な導入が増えてきているのではないかと思います。

モチベーションクラウドは上場SaaS級

グラフ

昨年上場を果たしたChatworkなどを含め上場企業のARRは10~30億円のレンジに多く位置しています。

リンクアンドモチベーションはモチベーションクラウド単体でのARRを算出しましたが、ARR23億円、47.7%の成長率と上場SaaSと同等のサービスになっていることが伺えます。

また、弁護士ドットコムはクラウドサインを含む「広告その他サービス」によって算出をしましたが、ARR成長率79.4%と、弁護士ドットコムにおける成長ドライバーとなっています。

なお、マネーフォワードのARR成長率が高いのはスマートキャンプ買収による影響がありますが、差し引いた場合はフリーと同様の50%台になります。

ユーザベースのBtoB SaaS ARRは57.8億円

ユーザベースはNewspicks事業が全体の半分程度の売上高を占めるため全社ではなく、SPEEDAとFORCAS/その他B2B事業の合算にてARRを算出を行いました。その結果、ARR57.8億円、ARR成長率36.3%とSaaS企業単体としても高い水準となっていました。

終わりに

企業データが使えるノートでは、今後もコンテンツと合わせたデータの提供を行っていきます。

今回記事中に使用したデータについては以下のエクセルにまとめていますので、ご利用ください。


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