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【直撃】Sales Markerはなぜ「T2D3の倍速」異次元成長を遂げたのか

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10年以上に渡りSaaSスタートアップへの投資を行うOne Capital代表、浅田氏にして「こんなSaaS成長は見たことがない」という新進気鋭のスタートアップがある。

2021年創業にして、現在は"T2D3*の倍速"という爆速成長を遂げるSales Markerだ。

日本ではまだ馴染みの薄い「インテントデータ」を活用したSaaSは、次世代のマーケティングツールとして国内Sales Tech領域に大きなインパクトをもたらしている。

これまでSFA(Sales Force Automation)やCRM(Customer Relationship Management)などのSales Tech領域は、ARR1,000億円超と言われるSalesforceを筆頭に巨大な国内市場がありながら、外資企業なども含めた「競争の激しい市場」であり、スタートアップによる参入は容易ではなかった。

Sales Markerはそのレッドオーシャンに突如として現れ、プロダクトリリースからわずか1年9か月で12億円のARRを叩き出した注目の新星だ。

 T2D3の初年度ペースはSmartHRを上回っている

今回、Primaryでは、ガゼルキャピタルが運営するスタートアップ投資TVと共同企画のもと、代表取締役CEO 小笠原氏への独占取材を敢行した。

2月に行われた「1.75年でARR12億円を実現したSales Marker 爆速成長の秘密」イベントの内容に加え、個別取材した内容を集約し、今回のインタビュー記事としている。

なお、スタートアップ投資TVのイベントは、以下の動画から全編閲覧が可能となっている。

イベント後、Gazelle Capital代表パートナーの石橋氏と話す中で「2024年に間違いなくブレイクするSaaSスタートアップ」との感想が一致した。

インテントセールスはなぜ急速に市場を開拓しているのか、その成長は偶然か必然か、そしてSales Markerはこの勢いのままにユニコーン企業となるのか。

小笠原氏に直撃し、知られざる戦略を明らかにする。

小笠原 羽恭 氏 | 代表取締役 CEO
1994年、青森県出身。新卒で野村総合研究所に入社し、基幹システムの開発、PM、先端技術R&D、ブロックチェーン証券PFの構築、新規事業開発に従事。その後コンサルティングファームに移り、経営コンサルタントとして新規事業戦略の立案、営業戦略立案、AIを活用したDXなどのプロジェクトに従事。2021年にSales Marker(旧:CrossBorder)を創業。2022年には国内初のインテントセールスSaaS「Sales Marker」の提供を開始。

*T2D3: PMF(Product Market Fit)後、5年間で72倍成長を目指すことをBattery Ventures Neeraj Agrawalが提唱したコンセプト

Sales Markerとは何者か。営業の新常識「インテントセールス」とは

Sales Maker(旧社名:CrossBorder)は、野村総合研究所やベイカレントコンサルティングなどで経験を積んだ小笠原氏が、エンジニア仲間など計4名で創業したSaaSスタートアップだ。

2021年7月の創業からわずか3年足らずでシリーズAラウンドまで到達。

創業経営者4名は、2023年の「FORBES 30 UNDER 30 ASIA LIST」や「2024年注目の日本発スタートアップ100選」に選ばれるなど、対外的な評価も高めている。

Sales Markerが提供するのが、インテントセールスを実現するSaaSである「Sales Marker」だ。

インテントは直訳すれば、「意思・意向」となり、これまでの売り手本位の営業から、顧客の購買タイミングに基づいた営業を可能とするツールとなっている。

「海外では"Intent Based Marketing"と呼ばれていて、BtoB企業の6,7割が採用している(小笠原氏)」という新しいセールスの概念だが、まだ日本では馴染みのない営業手法だ。

では、なぜ、この「インテント」が営業活動にとって重要なのだろうか。

これまで、BtoB営業・マーケティングでは、見込み客数の最大化やリスト精度をあげることで、商談化率、受注率を向上させる取り組みが行われてきた。

* マツリカ「Japan SalesTech Landscape」より

例えば、近年では、ABM(Account Based Marketing)と呼ばれる、見込み顧客の製品採用ポテンシャルを業種や企業規模などのデータからスコアリングする手法に注目が集まり、多くのSales Tech企業が誕生した。

このような従来の営業アプローチが「どの」顧客にアプローチをするかによって受注率の向上を図る一方で、インテントセールスは、「いつ」顧客にアプローチをかけるかに重点を置いた手法と言える。

企業が購買検討する際は、製品の良し悪し以前に「予算策定の時期」や「導入検討のタイミング」といった要素が重要である。

どんなにニーズに適う製品を提案しても「検討時期ではない」との理由で商談が打ち切りとなったことは営業パーソンであれば誰でも経験をしているだろう。

Sales Markerでは、独自のインテントデータを活用することで、そのような営業パーソンが最も知りたい「顧客の購買タイミング」を把握することが可能となる。

インテントデータとは、Webメディア上のページ閲覧、広告閲覧などの行動履歴データを分析し、企業単位で関心・購買意欲を抽出した情報である。

* Sales Marker提供資料より

例えば、ある企業の人事担当者が従業員管理SaaS導入の検討中に「タレントマネジメント」などの関連ワードをWeb検索したり、製品比較サイトの該当ページをクリックしたとする。

Sales MarkerはそのようなWeb上の行動から興味関心のシグナルを組成することで、導入企業は機を逃さずに見込み顧客に効率的にDMの送付やコールをかけることが出来るようになる。

さらにSales Markerはインテントデータに加え、500万件の法人データ、320万の人物データを保有しているため、企業のキーパーソン(例えばここでは人事部門のマネージャーなど)にメールやSNSなどを通じたマーケティングアプローチを一気通貫で行うことができる。

このような「潜在顧客の興味関心を把握した上で、その企業にダイレクトマーケティングが可能になる」これまでにない利便性を兼ね備えたプロダクトとなっている。

ここからは、実際に小笠原氏の話を聞きながら、Sales Marker成長の秘訣を探っていく。

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