プリチャンのバーチャルミュージカルが信用できない
キラッとプリチャンが放送開始5周年記念としてバーチャルミュージカルなる企画の始動を宣言しました。
そして今月に入りそのプロジェクトのためのクラウドファンディングが始まりました。
プリチャンに人生を狂わされた僕としてはぜひ出資したいところなのですが、今も足踏みをしています。
バーチャルミュージカルってなんやねん。
僕が感じてるバーチャルミュージカルに対する不信感の理由について書いていこうと思います。
今回の企画は「新作アニメ」と銘打たれていません。
新作アニメ、であればアニメを作画で作り、声優さんが声を録ったアニメが見られると期待できます。
現にプリパラは新作アニメと銘打って、僕たちが想像する新作アニメが配信されました。(スマホゲーム内の課金要素なので誰も見てないけど)
プリチャンの魅力の一つはCGのライブパートです。それを考えると「新作CGアニメ」を作る可能性もなきにしもあらずだと思います。
ですが今回は「バーチャルミュージカル」とされています。明らかに「新作アニメ」でも「新作CGアニメ」でもないことがわかっています。
ではバーチャルミュージカルと新作アニメの違いとはなんなのか。
僕はバーチャルミュージカルはバーチャルライブと呼ばれるものに近いのではないかと思っています。
バーチャルライブは3Dモデルを使って音楽ライブをやるもの。
プリティーシリーズやVtuberがよくやっている印象、最近だとプリキュアもやるらしいです。
ただ個人的にバーチャルライブはあまり好きではありません。
背景はステージの1つだけ、ライブ演出も照明がついたり消えたりするくらい。
キャラのモデルも作りが甘く、表情のパターンはかなり少なく、口パクも合っていない。
キャラの動き(ダンス以外のところ)は記号的すぎてやらされてる感がすごい。
(例えば喋るときだけ手を前に出して手のひらを振って、セリフが終わると手を下ろす、という動作を繰り返すみたいなのが多い)
カメラワークも同じようなものしかないうえに臨場感もない画角が多い。音源もスタジオで録っているのでライブ感がなくおもしろみがない。(プリティーシリーズのライブはCD音源のままだったので舐められてんな~ってなりましたね。)MCもセリフを収録したものを間も考えずにつなげただけなので会話がぎこちない。
ライブ映像としても、アニメとしても、どちらとしても出来が不十分で、個人的にバーチャルライブはお金をとれるレベルではないと思っています。
(一応擁護もしておくと、VtuberのライブはMCパートは声も動きも本人たちのやりとりから作っている分ちゃんと没入感があると思う。
動きがぎこちないのは技術的な限界と本人たちの演技力の問題。)
上記の問題はプロのアニメ屋が作っていれば解決することです。
プロのモデラーがモデルを作り、プロのアニメーターが動きを作り、プロの演出が画角を考え、プロの音響が収録や音をはめる、それで放送できるアニメ並のクオリティのライブ映像が出来上がります。
そういうプロジェクトなのでそこまで拘ってないというのは理解できます。
あくまでライトにキャラが動いてるのを楽しむコンテンツなのでしょう。
ただそれが続編・新作となってくると話は別です。
客側視点にだけ固定されたカメラで稚拙な演技をするキャラクターを見せられて楽しめるとは思えません。
カメラとステージを固定してちゃちなものを作るものとして「ミュージカル」と言って逃げるとはあらゆる方面に卑怯です。
まずミュージカルに失礼です。
ミュージカルや舞台は劇場というリアルな空間に空想上の物語を表現するにはどうするかを突き詰めた芸術です。
ステージを一つしか用意できてない手抜きの創作物では決してありません。
そして「これはミュージカルなんでカメラもステージも変わりません」と言い訳するのは視聴者側をなめています。
二次元で物語を表現する以上、相応のクオリティが求められます。
舞台をアニメで表現したスタァライトやワールドダイスターは舞台の魅力をアニメにしかできない表現に昇華させていました。
アニメでできていたことを舞台に矮小化させる新作を楽しみにしろという方が難しいです。
「続編が出るだけありがたい」なんて言われてた時代はもはや終わっています。
「こんなんなら続編が出ないほうがよかった」例が多発している以上、続編というだけで手放しで擁護できません。
僕たちの人生を狂わせたコンテンツがしょーもないものになるものにお金を投じるのはかなりのためらいがあります。
こんだけこき下ろして超クオリティコンテンツが生み出されたらロケットに閉じ込めて宇宙に飛ばしてもらってかまわないよ。