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【ポケモンSV感想】多様性は尊重しすぎなくてもよい【DLC碧の円盤・追記】

おはこんはろちゃお〜!あなたの瞳にネバネバネット!

ポケモンSV、めちゃおもしろかったですね。
感想はTwitterにも細々書いてたのですが、少しまとまった感想を書きたくなりました。

下に行くにつれて当然のようにネタバレを含んでいきます。


まず前提として、僕は創作物に正しさなんてものは無くていいと思っています。
逆に「これが新時代のノーマルだ!」なんて押し付けてきたら説教臭さを感じてうわってなってしまいます。

ただ、旧時代の常識をそのまま新時代に受け継ぐのも違うと思うのがめんどくさい受け手側の意見です。

特に「多様性の尊重」はよく言及されるテーマです。
子供向け作品によく触れているので「色んな人がいるよね」を肯定する作品はよく見ます。
戦隊シリーズなんかがわかりやすく、男女や見た目だけでなく種族や機械にも寛容になろうとしています。

虚言癖にも優しい女児アニメ

ポケモンに話を戻すと年寄りの学生がいたり、トレーナーに美男美女のモブがいなかったり、ステレオタイプのキャラから脱しようとしているのかな?と思うところは多々ありました。

見た目だけでなく思想にも多様性を出しています。
「個性はあったほうがいい」「個性はなくてもいい」「向上心はあったほうがいい」「向上心はなくてもいい」色々な思想のキャラが出てきます。

得意のわざ「からげんき」

自分にあった価値観を見つけられるのもこのゲームの「宝物」なのかもしれません。

そんなポケモンSVでも絶対に肯定している価値観があります。
それは「学校に行った方がいい」です。

「スターダスト★ストリート」は学校に通わないスター団の面々が登場します。
そして彼らを再び学校に通わせるためにスター団のマジボスが暗躍(?)していきます。

スター団が学校に行かなくなった理由は「いじめ」です。
スター団がいじめをしている、という噂が流れているようですが、実は逆でスター団はいじめられていた人たちの集まりだったのです。

いじめっ子たちを追い出し自分たちが過ごしやすい学校を作った、そのせいでいわゆる不良のレッテルを貼られて一時は迫害される、なんやかんやあって再び学校に通うようになる、というのが「スターダスト★ストリート」のざっくりしたあらすじです。

このストーリーの中で「学校に通わなくてもいい」とは一言も出てきません。

それどころか校長もマジボスもスター団のやつらを学校に行かせようと奮闘します。
そこにはそれらしい理由付けもされていません。
みんなでいた方が楽しいから、それだけです。

現実であれば「今は学校に行かない選択肢もあるよ」なんて言葉が聞こえてきてもおかしくありません。

ポケモンはその多様性を否定しました。

「多様性の尊重」は何をしても否定されないことになり、それは人生に無限の可能性をつきつけます。
学校に行ってもいいし、行かなくてもいいと言われる。
メリットは?デメリットは?将来への影響は?自分で何を考えないといけないのか?

そんな現代で「学校に行った方がいい」に答えを絞り、提示してきたという意味でも今作は挑戦作だったのではないでしょうか。

そして個人的には学校には行った方がいいです。楽しい楽しくないの話ではなく、将来を考えると我慢してでも行った方がいいです。
そこで「学校に行かなくてもいい」という逃げの甘言をそれとなく封じているのはポケモンなりの子供向け要素ではないでしょうか。

それではお疲れ様でスター

SVで1,2の名シーン

2023/12/21追記

DLCでスター団のその後が追加されました。

「DLCでスター団の素顔が明かされるのでは?」とファンの中で予想されていた通り、スター団が素顔で登場しました。

一番かわいい

しかし彼れらが素顔で出ることを手放しでは喜べません。
彼らにとってメイクと改造制服は学校への反逆の意思であり、学校の生徒であるという繋がりであり、アイデンティティでもあるのです。
いい子ちゃんになったからと言って改造制服を脱ぐのは流石に安易だし、彼らの考えを否定することになるのでなぁ~とうだうだ思っていましたが、公式が出してきた回答は"スター団らしい"ものでした。

「普通の制服だと不便だから」

昨今では制服不要論というのも出ています。
学生の定型化、個性の喪失という面で制服はなくなってもいいという論です。

しかしスター団は自分から好んで制服を着ます。
だって着たいから。

上で述べた「学校に行かなくてもいい」や「制服はなくてもいい」は大人が考える"正しい多様性"の押し付けでしかありません。

素顔のスター団のエピソードからもポケモンからのメッセージを(勝手に)読み取れます。

お話の内容も「学校の勉強は将来役に立つ」というベッタベタなものでした。
確かにベッタベタかもしれませんが、「学校には行け」のメッセージを補強しているように見えます。

結論!

学校には行け!

キハダ先生もそう言ってます

1年越しにバイオレット学園の授業を消化している僕より。


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