強い人
その弁護士さんと20年ぶりにごいっしょにお仕事をした。少し厳しい契約内容を押してくるので、こちらは対抗策としてその弁護士さんにお願いした。
本来ならそこまでいかないけど、相手が弁護士さん作成の契約書なのでこの契約は揺らぐことがないと踏んでいた。
相手と偉い人2名と自分と弁護士さんで話し合いなのだが、自分は無言。相手には契約書が来る前に一度会ってはいた。まあ、事務員さんというかお使い相手という目でこちらを見ていたので今回はだんまりを決め込む。目すら合わせない。
途中で相手が強く話を持ってきた。弁護士さんも強めな口調で反論する。偉い人達はだんだん口数も口調も弱くなる。
もう定時過ぎてるじゃん。
早く帰りたいから自分が「そもそもこの契約は通常の契約形態では無いですよね?だからなおのこと口頭での取り交わしと大きく異なる場合には先にご連絡があるべきでは無いでしょうか?当社は口頭での取り交わしを前提としています。この契約は到底合意に至りません。ここで終わりです」といきなり口を挟むから相手が引く。
方向がぐにゃるから、ここでいったん中止まで持ち込む。帰ろう帰ろう。
契約はまだまだもめそう。
さて、弁護士さんと別れたあと、偉い人2名は「あの弁護士さん強いね」と言うから「や、強くないです。普通です。」と言うと変な顔をした。
私が言う「強い人」は平たく言えばゴリ押しする事で相手を折れさせる人なので、上を行く「強い人」が居たり、同じような人が相手だといつものプレイが無い。なので面倒だなといつも思う。
偉い2名は所謂自分の中での「強い人」なのでゴリゴリして推し進めるものの、いざ似たような人と戦うと「強い人」は消えてしまう。あの勢い出してくれよと思う。
周りに「強い人」が何故か集まる事が多いのが自分の人生だ。「強い人」は弱い人を探すので弱い自分は適任なのでしょうね。
「強い人」がキツイことを平気で言うのを黙っている自分を弱虫と思っている事に否定はしない。実際弱虫だ。ゴリ押しもしませんというかできないし。いきなり喧嘩を吹っ掛けられても反論しないし、傍から聞いたらかなり馬鹿にしたような事を言われても顔色は変えない。後で随分気落ちはするけど。思ったより傷つく事も多いけど。
みんな「強い人」たれとアドバイスをする。
「何故怒らない」
「言い返しなよ」
「こっちから切れば?」
「言わないからつけあがるんだよ」
自分はそのアドバイスを熟慮する。した結果止める事が殆どだ。
言い返した結果が無駄な泥仕合に決まっている。そんな面倒事したくない。
自分は一番が心が豊かに生きたいだけなので、この無駄な時間は必要ない。
弱虫の戯言だけど、一番ローリスクでハイブリッドな方法を選んでいるだけ。
相手の意見も聞かずに今の自分に不都合だったり、気に入らなかったりそんな小さい事で牙をむくような生き方。自分は無理。
「強い人」にいつも聞きたいのが
「ゴリ押しした事って全て正しかったの?満足だったの?」
自分の意見を通すことが目的より、自分は一番良い道を選びたい。
自分の気持ちが一番先に来るより、自分が一番過ごしやすい環境に早くたどり着いてそこでのんびりしたい。
私は弱い人で充分。
最近勧められたアニメの王様ランキング。
主人公やれるような人間じゃないし、「強い人」でもない。
弱っちい凡人でいいんだよ。自分はね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?