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ネカマとオカマ

多分1998年のある日、ネット住民との会合に行く。

すなわちオフ会って奴だ。

大昔虚構新聞さんみたいな嘘ばっかりのサイトが幾つかあった。今もあるかも知れないが見つけられない。

職場の先輩の仕事はHPやチラシなどの制作物の作成だがPCそのものには興味があまり無かった。なので、機械本体にはその当時のレベルでは詳しい人だった自分が何かと呼ばれる。結果PCを扱う人になり、そして一台専用機がくる。

昼休憩時にPCでその嘘サイトを徘徊しては、その素晴らしさに正に舌を巻いていた。
中でも一番好きだったのが「サンセット大通り」というすごく凝ったHPがあり、もうこんなすごいものを作れる人達ネ申だった。

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車内で電車の警笛のドケヨドケヨコロスゾ(ドケヨドケヨシネシネ)を初めて聴いたかも?なんか車内で聴くとバリトンの歌手みたい。

そんな人達の集まりが新宿であった。というのも嘘ツキャーと呼ばれる人達の共著の本が発売される記念パーリーなんだよね。

当たり前だけど、皆さん仮の姿で来られるので、誰だかわからない。名札に本名を書いて彷徨く。

『あゝはじめまして!貴方が義眼さんですか!」などなど嘘界の重鎮が大勢いて、お恥ずかしながらサインを頂く。当たり前だが割と良い確率で男女が逆転していた。自分は脳が足りないのでネカマにはなりきれない。しかも特定されまくる程まんま。
あれよあれよと宴は進み終わる。

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良い天気だなぁ。甲府もだろうか?

今の人には想像つかないだろうが、スマホも無いから不慣れな土地って辿り着くのが大変なのだ。連絡しようにも公衆電話だし、相手も移動中なら連絡も取れない。新しい価値観や生活が来たけどサバイバル力は完全に落ちたよね。キャンプで火を起こせる人も携帯無しで見知らぬ土地を移動はできないよね。それ、昔は普通だから。

で、慣れない新宿を歩いて帰る。通りを幾つか間違えて彷徨うと、生まれて初めてオカマと呼ばれている職業の人に会う。まだ早い時間だから今から仕事に行くのかもしれない。

ここでいきなりLGBTの話になるけど、LGBTの方への認知は職業に性別を使うという歴史があるのでそこは周りに理解されないのもやむなしとは思う。それこそ職業として創り上げた虚構がどっしりあるわけだから。

怖いとか興味本位とかそういう気持ちも無く、ただぼんやり通り過ぎて行くのを見送る。

随分後になって、その当時のオフ会の話をしたら周りから軽くドン引きされたなぁ。多々オフ会などのネットに絡む事件が多発し始めた頃だから。


昨日、仕事以外で初めてzoom飲み会を見る(自分は飲んでいないので)事に呼んで頂いた。
プライベートのモバイルは全部そういうのは入れていないので慌てて設定する。

不思議なご縁で自分に構って頂いた若いお二人はとても楽しそう。上に小さく映る自分のショボさやよ。風呂上がりで寝間着にパーカーを引っ掛かけただけのドロドロ。当然髪もクチャクチャ化粧も無し。途中パーカーの汚れを発見して狼狽。

とりあえず彼女さんが次回会う怪しいネット住民は性別が判明して彼氏さん一安心したかなぁ。


や、男性だと思っているかもしれない。

なにせなんでもアリの世の中だから。

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無事到着しております。








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