Cinema:『カリガリ博士』〜映画分析の魅力と人間らしさの形成〜
日本では利己的にふるまうことが生存戦略となり、家族愛や隣人愛が崩壊の一途をたどる今、自身のリソースを共有するといった機会も少なくなっています。
このような状況下で、内田先生は「『自分のもとに流れ込んだリソース(財貨であれ権力であれ情報であれ文化資本であれ)を次のプロセスに流す』という『パッサー』の機能がすべての人間の本務であるという人類学的『常識』」(内田樹2008:80頁)を再認識する必要があるといいます。
私は、こうした「何かを共有して次のプロセスに流す」といっ