人間関係と自己肯定感

突然だが私には毒姉と毒祖母がいる。

1歳年上の姉は、年の離れた下の妹をとても可愛がっているが、私のことは昔から憎たらしくて仕方がないようだった。
小学校の時、「階段を下りるのが遅い」という理由で階段の上から突き飛ばされた時から、姉は私のことが嫌いなんだと自覚するようになった。

正直、姉よりも私のほうが勉強ができるので、親からの期待も私に向いていた。
両親は双方ともに一人っ子のため、兄弟喧嘩が分からず、「喧嘩できる兄弟がいるのはうらやましいね」と仲裁を一切したことがない。その代わり「お姉ちゃんなんだから」という言葉を両親の口から聞いたこともない。むしろ私が姉に突き飛ばされた!と言っても「お姉ちゃんは環境が変わるとストレスが溜まるからね」とお咎めなしだった。

そして年を経るごとに姉からの暴言は増していく。
「私のほうが可愛い」「あんたが化粧したところでケバすぎてキャバ嬢みたい」「何もしないくせに」「あんたなんか出ていけばいい」等、とにかく私のやることなすことに文句をつける。しかも大抵は両親がいない時を見計らってだ。

そんな姉でも機嫌のいい時は猫撫で声を出し「ねえ遊びに行こうよ」などと声をかけてくる。機嫌の上下が激しすぎて耳がキーンとなる。
社会人になってから姉が掃除や洗濯をするようになった。私はてっきり好きだから自主的にやっているのだと思ったので、特に何もしなかったら「あんたもたまにはしてよ!」と怒鳴られたことがある。
私だって頼まれればやるし、突然怒鳴られればやりたくない。そうしたら七味唐辛子の瓶を投げつけられた。

正直言って、私は姉よりも勉強もできるし、運動もできる。学歴も収入も上だし、車の事故も運転頻度は変わらないが姉は数回起こし、私はゴールド免許だ。私には彼氏がいるが、姉には彼氏はいない。幼いころから母に頼まれた料理を姉は私に押し付けて遊んでいたため、料理の腕も私のほうが上だ。
そんな妹が気に食わないのだろう。それはなんとなく理解できる。だが行動は許容できない。

そして問題の毒祖母もいる。祖母は「弱者には優しくしなければならない」と本気で思い込んでいる人で、喧嘩をしているとどちらの言い分も聞かずに泣いているほうを勝手に擁護し始める。勝手に首を突っ込んで、勝手にかき回すのである。
さらにはとても強欲な人間で、卑しい。そんな人の血が私の体に流れているのがとても嫌だ。
祖母は人から物をもらうのが大好きで、家族にもすぐ「それちょうだい」とねだってくる。渋ると「家族じゃないのね」と怒鳴るのである。
ひどい時は30分に1回は怒鳴っている。無視をしても言葉を返しても怒鳴りつけてくる。
家を出る前の数年は更に酷く、自分の思惑通りにならないと「あんたは頭がおかしくなった」「昔と変わってしまった」と延々と責め立てられる。
人の部屋に勝手にカーテンをつけ、それを捨てると怒鳴り散らしてくるような祖母である。すべては自分の所有物で、孫もすべて自分の思い通りにしたいと思っているような祖母である。
私が分からないことを尋ねられてわからないと答えようものなら「意地悪して教えないなんて」「あんた、客にもそんな態度をとってるの」等怒鳴り散らしてくるのである。

そんな家にはいられないので、昨年実家を出て彼氏と半同棲を始めた。
彼氏からは毎日「可愛い」と言ってもらえて、自己肯定感はグングン上がっていった。
今までのあのイライラ、鬱々とした毎日はどこへ行ったのやら。
家を出て、以前よりも少しだけ金銭面が苦しくなったが、それ以上に晴れやかな気分で毎日を迎えられ、その時に「ああ、あの二人が私の自己肯定感を下げ続けていたんだ」と思い知った。

実家にいたころはオシャレしてもどうせ文句を言われる、と明るい色の服を買わなかった。鮮やかなアイシャドウも買わなかった。自分の身なりは当り障りのない最低限の地味な女だったし、自分のことが嫌いで、自分の名前が嫌いで、自分に自信が持てなかった。

けれど今の彼氏と出会い、会えば毎回「可愛いね」「似合うね」と褒めてもらい、徐々に自己肯定感を上げることができた。
自分を褒めてくれる周りの人間は、生きていく上でとても重要だし、自分を蔑むような人間はたとえ身内であれ、自分の近くに置かないほうが良いことを知った。

今、もし、これを読んでいる方が周りの人間との関係性で悩んでいるのであれば思い切って行動してみてほしい。

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