花喰鳥が桜の花ひとつ 惚けた頬に落としていった
20220806 立秋前日 いくらかはすず風吹かむ 秋の夜をただ待ちて寝るとこなつの花
ドーナツ雲の穴から 半ぶんこの月が覗いている
遠く、遠くに、夏の雲が見えた
あぁ、これは、なつの風だ 5月11日
生々しく心地よい感触が 花のように儚く 手触りの軽いものへと 薄くなっていく 火花を散らす生物のあたたかさ 記憶が橋を通るたび 情報量を擦り減らし 谷へと落下する とどまって とどまって もうすこし あなたの存在を 液晶に出力された軽快な文字で確認する それはあまりにも頼りなく しかし頼みの綱である あいたいね あいたいね いますぐに 早く手繰り寄せて 春の陽射しや夏の湿度 秋の風 冬の眩しさのなかにとろけて 溶け合ってしまいたい
変な人って、なんだろうとおもったの。 たぶん オートマで人生を生きない人の事だわ。 「僕って変人でしょ…」 ともするとあなたは変な人かもしれない。 でもそれは悪い事ではないと思うのです。 4月18日 愛を込めて
すべてを洗い流す白い雨が、 一晩中降り続いてゆくのを、 眠れない私はずっと聴いていた。 ライトグレーに曇った朝が、 こんなに清々しいだなんて、 昨日までの私はひとつも知らない。 カラスや鳥たちの鳴く声 軽自動車の走り抜ける音 下の階の部屋のあしおと すべてが、 心を洗う風みたいだ。 昨晩乗ってきたあの電車が今日も 当たり前に運行を始めたようだ。
朝のキス 夜のキス 風のキス 雨のキス
舗装された歩道を、 濃い薄いの桜の花びらが、 はらはらと走っていく。 あの柔らかい風に頬を撫でられる感触を、 僕はバスで並走しながら想像していた。
言語を使うと、もれなく社会の構造に接続してしまう。
命が消えた 命が消えた 人づてに聞いたそれは ひどく現実味がない。 かつての姿はいまだ私の脳内で再生され 不機嫌そうで穏やかなあの面持ちがまだ そこにある そこにある 正座の膝の上に手を組んで 親指をくるくるとまわす癖 あの人は私には 袖を掴む事すら できない距離に 居て いた 隣で 確かにあの人の信頼を あたたかな眼差しを 未来への希望を 向けられていた彼は、泣いている 私はただ呆然として 涙は一向に流れない 私の知らないと
4. 隣にいる事実が、空間が うれしくて、いとしくて 無言で見つめ合うきみも 同じだともっとうれしい。 5. 危うさの線の上だ 見えない壁が あらわになる瞬間 貴方と私が隔てられるのは、 仕方のないことでしょうね。 不安を抱えて生きるその様は 滑稽、滑稽、笑い草 と、脳内がうるさくても どうしても、 貴方に会いたくなってしまった こんな月だからでしょうか、 こんな星だからでしょうね。 6. 「齟齬そして妄想」 たとえば。 私は研究資料なのではな
1. 好きだったなぁ、好きだった。 確かに好きだった。 あの薄暗くて ヒリヒリ、ピリピリ 刹那そのもの 痛いくらいの欲望は すっかりもう過去のもの。 2. こんなにみごとな雪が降ったら、 また会いたくなっちゃうじゃない 3. むすんだ心を ほどいて こぼれて、春 恋は愛の裏返し 逆さまの愛しい タロットカード 遠い遠い遠い 遠くてとおい
思い出すように妄想が浮かぶ 激しく奪われたくてじんとする 曇りの朝のくちびる 白湯でも飲んで誤魔化して。
触れるだけのキスがしたい こんな朝は