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エッセイ:謎習慣とパスタ

何もする気が起きず、かと言ってデリバリーを頼むほどの金銭的な余裕もなく、パックご飯を開けように食べる気分のおかずが手元に無く、うだうだと我が家の食料庫を漁っていたら買い置きしているパスタに行き着いた。

普段パスタを茹でるときは熱湯を入れて電子レンジで茹でられるアレを使っていたので、今日も同じように使おうと準備をすすめる。パスタを計量して、お湯をガスで沸かして、パスタソースを持ってきて、後はお湯が沸くのを待つばかり。

……。

……。

あれ、私なんでこのレンジ茹でるアレ使っていたんだっけ?

そうなのである。
パスタを茹でる時は決まってレンジで茹でるアレを使っていた。が、ガスで鍋にお湯沸かしているんだったらそこにパスタぶち込んだ方がどう考えても早い。今の今まで数年間なぜか気づいていなかった。もちろん茹でている間箸で面倒見たり火加減見たりする必要はあるのだが、それにしたってせいぜい5~7分程度なわけで、言うほど楽はできていない。

なんならレンジで茹でるアレはその時々で良い感じだったり固まってたり逆にゆるゆるだったりと、できあがりにムラがあってどうにも使い勝手が悪かった。

じゃあなおのこと普通に鍋で茹でた方が良いじゃん、と言うことに気づくのに数年かかってしまった。マジで訳が分からない。我ながら謎習慣である。本当に意味が分からない。これに気づいて今日一日の印象が「無駄行動していた私」で完全に上書きされてしまった。

いや、本当に訳分からない。文面で伝わるか分からないが、わりと動揺している。思い当たる節がないか記憶を探っていると、心当たりが、ある。一応、ある。あってしまう。

上京してウキウキしながら自炊していたあの頃、世間で「パスタはレンジで茹でるアレが便利!」って見たのを鵜呑みして、そのままなんとなく購入して、なんとなく使っていた気がする。そして当時はちゃんと電気ケトルがあって、お湯を沸かすときの手間は削減されていた。はず。その後夏場に入ってケトルを使わなくなり、冬に入ったら大量に沸かすにはケトルが小さすぎて微妙、そのまま処分して結果ガスで沸かすのが当たり前に。おそらくそのころからずっとガス沸かしレンジ茹でを続けていたらしい。

いやぁ、恥ずかしい。意味を見出せ、日々の行動に。効率化だなんだってNotion作ったりChatGPT使ったりしている場合じゃ無いよほんと。もう、なにやってんだか。すみません本当に。ごめんなさい。無性に謝りたいです。マジでお前効率化とか二度と語るなほんと。すみません。すみませんほんとうに。

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