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猫の話

ありふれた愛を
言いかけた時間に
猫の形をした雲は笑っていた
追いかけた影を
鬱向いた空は
嘲笑うように雨を降らせていた

生きることに慣れて
息するのを止めた
泥まみれの足は
誰も救ってくれない

ありもしない出来事に
いつの日か毎日
不安になって顔は後ろ向いている
口にした「大丈夫」
俯いた明日には
希望は無いよ 大丈夫ってなんだろう。

生きることを止めて
息もしなくなった
泥まみれの足は
逃げられない愚かだ
どうせならこのまま
息絶えてみようかな
雨に濡れていた
僕は濡れていた
僕は生きていた

ああ 愛していた、愛していた、
愛していたって、
ああ 亡くしてしまったものは
二度と取り返せないから
ああ 生きることを どうかずっと
続けていて

...続けていて

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