第1 やること

 1. 同席
 弁護修習で何をやるかというと,指導担当に同席するというのがほとんどその内容である。
 具体的には,相談があれば一緒に入って相談を聞き,接見に行くのであれば同席し,期日があれば裁判所に一緒に行って隣に座り,事務所に居るなら事務所に居るという生活がひたすら続く。
 いつも同席するとはいえ,指導担当が銀行に行ったり,お昼を買いに行ったり,トイレに行くのまでついていく必要はない(当たり前だが)。

 2. 起案
 指導担当から記録を渡されて,申立書なり訴状なり準備書面なり,弁護士が作るような書面を書いてくれと言われるので,指示通りに書く。

 3. 弁護士会(集合)起案
 弁護士会から起案課題が出されることがあるので,在宅で起案したり,あるいは,弁護士会館なりに集められて一斉に起案することがある。
 後日,講評会がある。

第2 その他の事項

 弁護修習のやり方は,弁護士がそれぞれ仕事の仕方があるように,事務所や弁護士によって千差万別なので,郷に入っては郷に従えではないが,その事務所や弁護士のやり方に従う。
 何時に来て何時に帰るとかもまちまちなので,指導担当に最初に聞いておくのがよい。
 守秘義務とかセキュリティのルールとかの関係があるので,基本的にデータのやり取りは貸与されるUSBメモリーを使う。修習中はPCはネットに繋ぐのは厳密にはルール違反のはずだが,プリンターがWi-Fi接続の事務所とかだとネット接続せざるを得ない場合があるので,それも指導担当の指示に従えばよい。
 もし関わりたい事件がある場合には,里子制度といって,別の弁護士事務所に行くことも可能な場合もあるので,指導担当に相談すること。
 特に,弁護士が1人でやっているような個人事務所だと,見られる事件の数や種類も限定されてしまうので,相談してみるとよいかもしれない。
 忙しい中指導担当を引き受けてくれているので,基本的には指導担当はいい人が多いが,法曹という性質上,どうしても癖のある人がいたり,性格の不一致などもあるため,注意する。(弁護士会の方で,その点のマッチングなんかも考慮しているはずだが,詳細は不明。)
 昼食は基本的に指導担当と一緒に取り,指導担当がおごるというのが一種の不文律になっている感はあるが,そこも人によるので,最初から期待しないほうがいい。ちゃんとおごってもらったら,「ごちそうさまでした」などとお礼を言うこと。
 起案する中で,研修所と指導担当の指導内容が違うじゃないか!という壁に直面することもあるが,そこは納得のいくまで議論するなり,おとなしく指導担当の指導内容に従うなりして対応する。大体の場合は,研修所で習ったことをベースにして更にブラッシュアップした結果が指導担当の指導内容になっていることが多いが,たまに,情報のアップデートに指導担当が追いついていないだけということもある。
 さっきも書いたように,基本的に弁護士は忙しい人が多く,指導担当もみんなクソ忙しそうに見えるが,遠慮しすぎても消化不良のまま弁護修習が終わることにもなってしまうので,記録が見たい,質問がある,議論がしたいなど,積極的に関与していくのがよい。

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