水匠Uに2枚落ちを教わった話

今回は指将棋の話題。
水匠Uの駒落ちがとんでもなく強いと話題になっていたので、2枚落ちで挑戦してみました。どうにか勝ちましたが、とんでもなく強かったです。

自分のレーティング(対局時点):2520点
水匠Uのレーティング(4/18時点):2591点
むむむ。以下簡単に振り返ります。実際に水匠Uと対局しているつもりで読んで頂ければと思います。

(0)駒落ちと私

駒落ちは上手、下手ともにそれなりに経験があります。ただ、最近駒落ちは全く指しておらず、戦型をどうしようという悩みはありました。

(1)対局開始

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図1:29手目2三銀まで

対局開始。
戦型は銀多伝を採用。縦に並んだ2枚の銀が手厚く、好きな作戦です。
一方の上手陣はというと、23銀型が特徴的。水匠Uはこの形を好んで指すようです。

さて、図では55歩も考えました。同歩同銀には65銀でしょうか。この展開も正確に指せば悪いはずはないと思うですが、飛車と玉が近いため、慎重に指し進めることにしました。
この局面での気持ち:堅く囲って最もよいタイミングで仕掛けよう

(2)突如仕掛けられる


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図2:37手目1五歩まで

前述の「堅く囲って最もよいタイミングで仕掛けよう」。これは実現しませんでした。なぜなら上手が突如仕掛けてきたから。
この仕掛けは全く想定しておらず焦りました。何という積極的な動きでしょうか。11香が動くと、11角成が大した手ではなくなる、香を渡すと86歩のような手があるかもしれない。86歩に78金は87歩成同金86歩とガリガリ来られるかもしれない。86歩を突かれてから悩んではいけない…。
そんなことを考えていると秒読みの電子音が聴こえてきました。

(3)急所が掴みづらい展開

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図3:47手目3四歩まで

やがて局面が進み図3に。64銀同歩11角成としたいところですが、それは水匠Uが仕掛けた罠(?)で、以下22銀、12馬、23銀引で馬が死にます。また、仕掛けを封じるために居る64の銀をこちらの銀と等価交換するのは何となく気が進まないようにも思います。ということで実戦は46銀引。対する上手は33金。さすがの指しまわしです。

(4)勝負形に持っていくうまさ

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図4:69手目2七歩成まで

しばらく進んで図。角は成りましたがこちらの攻め方がいまひとつで、具体的成果はこれからという局面です。印象に残ったのは図の2七歩成。同玉と取ると(1)65桂(2)15銀(3)35香など気持ち悪そうな手が幾つか脳裏をかすめます。しかし逃げるのはおそらく良く無く、37歩や28歩でそれこそ面倒なことになるかもしれません。というわけで実戦は同玉ととりましたが、本局、水匠Uの勝負形にもっていくうまさを随所で感じました。

(5)見落とし

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図5:89手目65同銀まで

しばらく進んで図。数手前の局面で、この局面になったら52と~65馬にて優勢と読みを打ち切っていたのですが、65馬には64香があるではないですか。馬と金の田楽刺し。69の金を取られると瞬く間に先手玉は危険になります。「やってしまったか」私は観念して52と~65馬と指しました。

(6)悲観が過ぎたか

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図6:97手目6四香まで

しかし悲観が過ぎたようです。図は57歩68飛の交換を入れてから64香と打った局面。直ちに64香と打たなかったということは、まだ下手が良いということなのでしょう(実戦で勝ち切れたかは疑問ですが…)

怖い恰好ですが、飛の横利きが消えても自玉は詰まない。私は意を決して55香と打ちました。

(7)終局


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図7:115手目3六歩まで

しばらく進んで図。怖い局面が続いていましたが、さしもの上手も万策尽き、ようやくわかりやすい局面がやってきました。63歩(詰めろ)と打ち、61金65桂(詰めろ)で寄せにでました。以下は押し切ることができました。

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図8:146手目82銀成まで

(8)対局を終えて

どうにか勝つことができましたが、64香の見落としに気付いた局面がパニック状態で、負けていてもおかしくない将棋でした。コンピュータ将棋はここまで強くなったのかとあらためて驚愕したしだいです。対局ありがとうございました。







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