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合唱曲で泣く大人

合唱曲の良さに本当に気づくのは、大人になってからだと思う。
たくさん歌った小中学生の頃は、あんまり意味もわからずただ楽譜の通りに歌っていただけだった。
先生たちが感動して泣いたり、しきりに「これは良い曲やで」と言っていた意味もよくわからなかった。
でも今になってわかる。大人になってから改めて聴く合唱曲って、本当に泣ける。

その瞬間には気づけない、青春時代の煌めきとか
生きていく上で忘れてはいけない想いとか
そういうものが、合唱曲には詰まっているよね。

合唱曲って、大人になって昔を振り返った時に、「辛い今」を励ましてくれるものなんじゃないかなぁって思う。
よりよく生きるためのヒントが散りばめられているから。
子どもの頃、なんで頻繁に合唱させられるのか理解できなかったけど、あの頃真面目に歌っておいて良かったと思う。

実習に行った時、ちょうど合唱コンクールの曲決めがあって。
候補の中には私がその子たちの歳の時に歌った曲もあったけど、当時はあんまり好きじゃなかったなーって思い出した。
その曲は、令和の中学生にもあんまりハマってなかった。(あんまり、というか、酷評だった)
でも、今聴くと本当に素敵な曲で、教室の後ろで逃走しようとする子どもと戦いながら、うっかり泣きそうになった。
教室にいた私を含めた大人はみんなウルっときていた。
子どもたちは心底不思議そうな表情をしながら、歌いやすいのがいいなーとか、もっと面白いのがいいーとか言ってた。

なんやかんやあって、結局一番難しそうな曲に決まった。
歌いやすいのがいいとか言ってたのはどこ行ったんだと思いながら拍手しつつ、この子たちが大人になって昔に縋りたくなった時に、この曲が前に進む力になればいいなと心から思った。

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